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ゆるりおためし遍路
「菩提の道場」 愛媛の巻

2017.4.28

広瀬 健治

主任 広瀬 健治

土佐から伊予へ。発心、修行を経ていっさいの煩悩を断ち切り、極楽浄土へと至る「菩提の道場」に入る。札所40番から65番へ。伊予の遍路は、海岸沿いから山間部を抜け、のどかな瀬戸内海に向かうルートをたどる。これまでも、ご本尊さまとお大師さまに手を合わせ、般若心経を奉納し、お納経帳の墨書を積み重ね、ご縁を結ばせていただいてきた。ようやく札所も折り返しとなるが、結願への道のりはまだまだ長い。

しかし、歩いていれば、つい忘れがちな「笑顔」「感謝」という気持ちの大切さ、そしてたくさんの出会いから、これからの「生きる道」がたくさん見えてくる。

夜明け前の国道56号線。大洲から内子方面へ歩き出すと、薄明りの国道の道端に、ひとりおばあさんが佇んでいる。80歳前後だろうか。すると、おばあさんが近づいてきて、「おはようさん。歩いてなさるのか」と、手提げ袋の中の財布から千円札を出して、「お接待です」と僕に手渡した。僕は、托鉢するお坊さまでもないし、知らない方からお金をいただくなんて、初めてだ。おばあさんは、「ウチもう歩けんし。お遍路さん、ウチの願い頼むねぇ」と。僕はぎこちなく納札をお渡しし、手を合わせた。おばあさんも手を合わせている。そうか!そうなのか!!僕は、お寺さまを巡り、これまでお接待を受けた方々のもっておられる想いや願いを運ぶ役割もあるのか。再び出発し振り向くと、僕が見えなくなるまで、まだ手をあわせてくれている。胸が熱くなる。この想い、絶対に届ける責任が僕にはある。

愛媛県で「遍路ころがし」といわれる最大の難所、第60番札所横峰寺。登山口付近で足首をねんざしたのか、足を痛そうにさする若い女性に出会う。「大丈夫ですか?」と声をかけた。大洲から40キロ歩き、ここで足首を痛めたらしい。なんと「社命」で歩き遍路に挑んでいるという。女性は、「お遍路は本当に苦行ですね。でも、一歩一歩前に進むしかないし、もう後ろを振り返らないようになりました」。そして、「私、すごい泣き虫なのに我慢してきて…。足摺の金剛福寺のご住職さまに、『よくここまで頑張ったね』と励まされたら恥ずかしいほど大泣きして…。やさしくからだを支えていただきました。まるでお大師さまでした!でも、もう泣かない。今はいつも笑顔で、『はい!ありがとうございます!』と言えるようになりました」と明るく笑顔で語ってくれた。頑張っている人の瞳は、本当に美しい。感動し目頭が熱くなった。「笑顔」と「感謝」か。お互い道中の無事を祈り、結願を誓い、熱い握手をして別れた。

横峰寺奥の院「星ヶ森」より、西日本最高峰の石鎚山を望む。よくここまで頑張ってきたと静かに祈る。これから先も、道中無事でありますように。そして、どうぞご加護を受けられますように。
お大師さまはいつも僕のおそばにいてくださる。

南無大師遍照金剛 合掌
次回は、シリーズ最終回「涅槃の道場」香川の巻をお楽しみに!

  • 第40番札所観自在寺の栄かえる
    このかえるさんに願いを込めてなでさせてもらいました。
    どうぞご利益ありますように。

  • 宇和島名物鯛めし
    宇和島はやっぱりこれですね!合わせ醤油だしに鯛の切り身、生卵を入れよく混ぜ、温かいご飯の上にかけて食べます。もうご飯がとまりません(笑)

  • 「衛門三郎再生」
    四国遍路の始祖といわれる衛門三郎ゆかりの寺、第51番札所石手寺。道後温泉に近く、参拝客で境内の香煙が絶えることのない賑わいです。

  • へんろ道道標
    へんろ道を歩いていれば必ずお世話になる命の道標。
    保存協力会のみなさま、ありがとうございます!

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