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ゆるりおためし遍路 最終章
「涅槃の道場」 香川の巻

2018.2.28

主任 広瀬 健治

主任 広瀬 健治

半年にわたるお遍路旅がようやく終わる。春の陽気に誘われて歩いた畦道も、夏の陽にあえぎながら歩いた険しい道も、折れかけた心を励ましてくれた野の花も、今はなにもかもが懐かしい。ようやくたどり着いた、第八十八番札所結願の寺・大窪寺。山門を目前にした上り坂で、熱いものがこみ上げて涙が両頬を伝う。最後のお札を納めたが、声が震えてお経が唱えられない。この感謝を一番札所・霊山寺、また高野山のお大師さまへお伝えをして巡礼の旅は完結する。

一番札所・霊山寺から八十八番札所・大窪寺まで約1300キロ。お遍路の道は果てしなく途方もない遠い旅だった。頭の中に色々な荷物が詰まっていると、重さで先に進めない。捨てて、捨てて、歩く。足を一歩踏み出してその小さな一歩を積み重ねていく。お遍路は体力で歩くことではなく心で歩く。そして自分が強くなっていくのだ。「先を急ごう。早く次のお寺さまに向かいたい」これが先行すると、大切な「見るもの」「聞くもの」「出会うもの」を失ってしまう。ゆっくりと歩いたからこそ出会えた人のやさしさ、見えた風景。そこには88の感動物語がある。

和歌山県高野山。四国八十八ヶ所お遍路を終え、「同行二人」のお遍路でいつも見守っていただいたお大師さまに結願の報告。天を突き刺すような樹齢千年に及ぶ老杉の巨木に挟まれたこの参道が好きで、静かに歩くだけで幸せな気持ちになる。しかしこれまでは安らぎを感じるだけでよかったが、今回のお参りで大切な目的を果たしにいく。御廟の橋を越え、参道を進むにつれて静けさが深くなっていく。この清らかな霊気は君臨しているお大師さまの存在を認めざるを得ない。そして燈籠堂へ。そのシルエットが見えてくると熱い感動とともに、ついに歩みの「同行の人」の永遠の住居に到着する。ここは奥之院弘法大師御廟。人々の熱意のこもった祈りと平静が溶け合っている。僕は蝋燭、お線香、お賽銭をいつものように奉納し、お大師さまへのこの上ない感謝の気持ちとともに、お遍路の道中、「私は歩けない。私の願いをお遍路さんに託します」とお接待を受けた方々の願いが叶いますようにと、最後の「般若心経」を唱えた。よかった。本当によかった。やっと無事にお大師さまへ、みなさまの「願い」を運び届ける約束が果たせた。これですべて終わった。感謝と感動、そしてすべてが終わってしまった喪失感、寂しさに胸がつぶれそうになる。

今回のお遍路を通じて自分が変わったこと。それは、これまで日常生活で毎日使っていた挨拶代りの「ありがとう」という言葉が、本当に心の底から「ありがとう」と言えるようになったこと。また、「笑顔」と「感謝」このことをこれから大切にしたい。最後になりましたが、お遍路期間中、応援や励ましをいただいたみなさま、本当にありがとうございました。無事に結願しました。僕は、お遍路を始めるあの日には持っていなかったかけがえのない宝物を、今背負ってこれからの生きがいにしていきます。南無大師遍照金剛 合掌

  • 第八十八番札所 結願の寺 大窪寺
    このお寺さまを目指してやっとたどり着いた感動の瞬間。

  • 四国遍路の出発点 第一番札所 霊山寺
    お礼参り。少し上手になった般若心経を唱える(笑)

  • 和和歌山県高野山 御廟の橋より弘法大師御廟をのぞむ結願のお礼参り。「願い」を背にかかえ御廟へ向かう。

  • 四国霊場八十八ヶ所納経帳と御本尊御影保存帳
    納経帳はご本尊さまとご縁を結ばせていただいた証。

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