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研究員コラム:Vol.10 湿度と植物の関係 その2

植物栽培ユニット

岡村 信弥

2015.4.28

お久しぶりです、岡村です。私の前回のコラム(vol.7湿度と植物の関係その1)で、「できるだけ早くに続きを書きます」といっておきながら、気づけば4ヶ月も経っていました。申し訳ないです・・・。

さて、今回も前回の内容の続きです。前回は、植物工場では湿度が低すぎるのも高すぎるのも問題だという内容を紹介しました。そして、意外と簡単な方法で解決することができる、というところで終わっていました。今回はその「簡単な方法」をご紹介します。

そもそも、湿度が一日を通して変動するのは、栽培室内の照明の点灯と消灯にあわせてエアコンへの熱負荷が変動し、エアコンの運転方法が切り替ることが原因であると紹介しました(詳しくは前々回の私のコラム(vol.4植物栽培ユニットの最適空調)をご確認下さい)。

ということは、湿度を一日通して一定にしたいのであれば、エアコンへの熱負荷の変動を無くせばよいのです。エアコンへの熱負荷の変動は、照明の点灯と消灯の切り替りが原因です。つまり、一日を通して照明が点灯しっぱなしになっていれば、熱負荷も一定に保たれ、結果エアコンの運転が平準化され湿度も一定に保たれます。

ここまで読まれると、植物工場についてよくご存知の方は疑問に思われると思います。「一日中照明を点灯しっぱなしだと、電気代が掛かるのでは?」「ずっと昼間の状態で夜がないと、植物の生育によくないのでは?」「そもそも照明が点灯している間は低湿度になってしまうのが問題だったのでは?」などなど。はい、まさにその通りです。単純に栽培室全体の照明を一日中点灯しっぱなしにするのは、植物工場において効率的ではありません(栽培品目によってはそのほうが良い場合もありますが)。

ではどうすればよいのか。その方法はズバリ、「栽培室内の照明のうち、一部だけ点灯して一部は消灯する、一定周期で点灯箇所と消灯箇所を入れ替える」、たったこれだけです。

例えば図のような栽培室があるとします。栽培ラックがAとBの2列あり、一日12時間光を与えて野菜を栽培します。

まず、0時から12時までは、ラックAの照明を点灯し、Bの照明は消灯します。次に12時から24時までは反対にラックAの照明を消灯し、Bの照明を点灯します。

たったこれだけで、栽培室内の熱負荷は最大時の半分となり、それが一日中一定となります。つまり、完全点灯時(低湿度化)と完全消灯時(高湿度化)の中間の状態が常に保たれるわけです。

※グラフ中の緑色の線はイメージで、実測データではありません。

ただし、簡単とは言っていますが、この方法を実践するには色々とノウハウが必要です。例えば消灯中に隣のラックから光が漏れてくると、植物にちゃんとした夜の状態を与えることができません(ほうれん草など栽培する時は大問題です)。またエアコンの能力の選定や配置設計を間違うと、望んだ温湿度とは異なる条件で一定に保たれてしまいます。
これらを考慮した技術やノウハウについては、現在開発中のため残念ながらここではご紹介することはできません。ですが現在、照明と空調の最適な環境設計によって温湿度の平準化を実現できるように日々研究に取り組んでおり、その成果がもうすぐお披露目できそうなところまで来ている、ということだけお伝えしておきます。

何度か難しい内容のコラムが続きましたので、次回からは少し趣向を変えてみようかなと考えています。
では、また次回。

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研究員プロフィール

岡村 信弥

岡村 信弥おかむら のぶや

1986年奈良県生まれ。
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻を卒業、2011年4月大和ハウス工業に入社。
現在は、植物栽培ユニットの空調システムを中心に最適栽培環境について研究中。
犬派か猫派かで言えば、両方どんとこいです。

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