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研究員コラム:Vol.11 植物っておもしろい! その1

植物栽培ユニット

伊藤 彩菜

2015.5.28

初めまして。スマートアグリ研究チームの伊藤彩菜です!大和ハウス工業が農業の工業化に取り組んでいる事を知り、それを担当している先輩社員に憧れ、大和ハウス工業に入社して早1年・・・
まだまだ未熟な私ですが、夢の実現に向けて研究所を旅立った先輩からバトンタッチでブログを書くことになりました。やる気と地道な努力は誰にも負けない覚悟ですので、ブログを通して温かく見守ってください!

私は農学部の出身で、大学・大学院では植物工場での環境制御によって植物のビタミンC濃度や糖度を向上させる研究をしていました。今回はそんな研究を通じて、私が「植物ってすごい!」と感動した事例を紹介したいと思います。

みなさんは、「寒締めホウレンソウ」や「雪下ニンジン」といった野菜をご存知でしょうか?これらは冬を越して栽培された、甘くておいしいと評価の高い野菜です。
それではどうして、これらの野菜は寒い冬を越すことができるのでしょうか。通常、氷点下の冷気にさらされると、植物は凍ってしまいますよね。寒いからといって温室へ逃げ込めない彼らは、どのような仕組みで凍らずに生き延びているのでしょうか。

実は、冬の寒さに出会わなければならない地域に生きる植物たちは、寒くても凍らない性質を身につけているのです。植物が寒さを感じると、自分自身が凍ってしまわないように、葉の中に凍らないための物質、例えば「糖分」を増やします。糖分が増えた葉は、糖分が増えていない葉にくらべて凍りにくくなります。

これは熱力学の「凝固点降下」の原理です。理科の時間に、普通の水は0℃で凍るのに、食塩水は0℃では凍らないという実験をされたことがあるかと思います。
それと同じで、水の中に糖が溶け込むほど、その液体の凍る温度は低くなります。
だから、氷点下でも糖分を増やした野菜は凍らないのです。この現象は葉物野菜だけでなく、ニンジンやダイコンなどの根菜にも見られます。
冬を超した寒締めホウレンソウや雪下ニンジンが甘くておいしいと言われるのは、このためです。彼らは「凝固点降下」という熱力学の原理を誰に習うでもなく、生き延びるために利用しているのです!

このように植物は人間のように自由に動くことができませんし、夏に熱いからクーラーの効いた室内に移動することも、水が欲しいからと言って冷蔵庫から水を出して飲むこともできません。でも植物は、高温・低温や乾燥などの厳しい環境に屈することなく、毅然と生き延びる術を身に着けているのです。

いかかでしたか?読んでいただいた皆さんに植物の魅力が伝わり、少しでも興味を持っていただければ幸いです。植物に敬意を払いつつ、植物の力を借りて人々の暮らしをより豊かなものにしていく。そんな植物と人が共生できる社会にしていけたらいいなと私は思っています。
これからも植物の秘めた可能性について紹介していきますね。

研究員プロフィール

伊藤 ○○

伊藤 彩菜いとう あやな

1988年京都生まれ。
京都大学大学院 農学研究科 地域環境科学専攻 農業システム工学分野を修了後、2014年4月大和ハウス工業に入社。
総合技術研究所にて現在、栽培品目や栽培技術の探索を担当しています。
趣味は剣道と家庭菜園。野菜のことなら何でも聞いてください!

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