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研究員コラム:Vol.14 六次産業と植物工場

植物栽培ユニット

岡村 信弥

2015.11.27

お久しぶりです。岡村です。

皆さんは、「六次産業」という言葉をご存知でしょうか。最近よく耳にする機会が増えていますが、あまり知られていない言葉かと思います。

まず、産業には、「一次産業」「二次産業」「三次産業」という3つの分類があります。「一次産業」とは、自然界から原材料などを採取・生産することで富を得る産業のことで、農業・畜産業・漁業や林業・鉱業などが分類されます。

次に「二次産業」とは、一次産業で採取・生産した原材料を加工して富を作り出す産業のことで、製造業、建設業、電気・ガス業が分類されます。日本ではこれに工業も分類されるほか、電気・ガス業が後述の「三次産業」に分類されるなど、微妙に定義が異なることもあります。当社が行っている建設業は、この二次産業ですね。

最後に「三次産業」とは、一次産業にも二次産業にも分類されず、商品やサービスを分配することで富を得る産業のことで、小売業やサービス業などの無形財が分類されます。ただしあまりに多くの産業がこの三次産業に分類されるため、近年では情報通信業などを四次産業、五次産業として再分類する考え方もあるそうです。

では本題の「六次産業」とは何でしょうか。「六次産業」とは、【農業を一次産業としてだけではなく、加工などの二次産業、さらにはサービスや販売などの三次産業まで含め、一次から三次まで一体化した産業として、農業の可能性を広げようとするもの】と定義されています(出典:「文部科学省認定済教科書(高等学校農業科用)農業経営」(実教出版))。

「六次産業」という言葉は、一次産業の「1」と二次産業の「2」、三次産業の「3」を足し算して「1+2+3=6」になることをもじった造語とされています。さらに現在は、一次産業である農業が衰退してゼロになると結局すべてがゼロになる、また各産業の単なる寄せ集め(足し算)ではなく総合的な結合を図るという意味を込めて、「1×2×3=6」の掛け算に改めたとされています。

この六次産業、植物工場と親和性が非常に高いと考えています。植物工場で野菜を生産するのは、一次産業に当たります。植物工場野菜はただでさえ「価格が高い」という課題があるためなかなか売り先が確保できず、作れば作るほど赤字というパターンに陥りがちです。また、たとえ売り先が確保できても、「野菜」として販売していては薄利ですので、植物工場建設等の投資回収に長い年月が必要となります。そこで、植物工場で生産した野菜を栄養食品などに加工して、さらに販売経路まで独自に構築することができれば、「野菜」として一般の小売に販売するよりも多くの利益が得られます。

実際にある事例として、自社の植物工場で栽培した植物を原料にしてサプリメントに加工し、インターネット通販で販売するという事業をワンストップで行っている企業もあります。

植物工場と加工工場を併設することで、新鮮な野菜を原料にすることができるほか、無駄な輸送コストを削減できることも大きなメリットです。さらに、植物を原料にしてサプリメントなどの機能性食品を作る場合、生産工程が管理でき、収量や成分含量が安定している植物工場産の作物のほうが、一般的な露地作物と比較すると優位性があると言えます。

このように、ただ単に「野菜」を生産して小売へ販売するより、付加価値を付けてさらに流通・販売まで一貫して行うことで、植物工場の採算性は大きく上がると考えられます。もちろん、加工設備や技術を揃えることや流通・販売体制を整えることは簡単なことではありませんが、今後、植物工場の黒字化にはこういったワンストップサービス体制をいかに構築できるかが重要になると考えています。

では、何を栽培して、何に加工して、どう販売すればいいのでしょうか。これについては、次回にご紹介したいと思います。

それではまた次回。

研究員プロフィール

岡村 信弥

岡村 信弥おかむら のぶや

1986年奈良県生まれ。
大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻を卒業、2011年4月大和ハウス工業に入社。
現在は、植物栽培ユニットの空調システムを中心に最適栽培環境について研究中。
犬派か猫派かで言えば、両方どんとこいです。

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