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研究員コラム:Vol.2 海外におけるスマートハウス展開について
(シンガポールにおけるHEMS開発の裏話)

スマートハウス

スマートハウス開発チーム

2014.5.31

2013年1月25日、当社スマートハウスの海外展開として、シンガポールでHEMS事業を開始する件についてリリースを行いました。当社住宅商品「スマ・エコ オリジナル」向けに開発されたD-HEMSを、シンガポールのマンション管理会社CBMと提携し現地向けにカスタマイズし、同国及びアジア周辺国に販売を行うというものです。その第一弾として同国大手デベロッパーのCDL社等が販売する高級マンション「エシェロン」への採用が決まっています。

詳しくはニュースリリースを読んで頂ければと思いますが、今回はその仕事で訪問したシンガポール現地の様子や開発の裏話等についてご紹介したいと思います。

エシェロン外観 完成予想図

はじめに

まず、シンガポール共和国(通称シンガポール)の概要について簡単にふれておきたいと思います。マレーシアとインドネシアの間、赤道直下に位置し、中華系、マレー系、インド系の住民で構成される多民族国家です。ほぼ東京都と同じ面積の国土に520万人が住んでおり、高い人口密度を誇っています。このため都市部には高層ビルが林立していますが、隣接したビルの高層階を渡り廊下で接続していたり、ホテルの屋上にプールを乗っけてみたりなど、大胆な設計の建物が多いことも景観を特徴づける要因となっています。

都市部に林立する高層ビル群

マリーナ・ベイ・サンズ

気候は一年を通じて高温かつ多湿とされていますが、夕方になると海からの風も伴って意外と過ごしやすく、海沿いや川沿いにはオープンカフェやレストランが並んでいます。現地を訪問した感覚では、日本の梅雨の蒸し暑さや、真夏の陽射しの方がよほど厳しいという印象でした。古くから東西の貿易拠点として発展し、海外の企業を積極的に誘致することで成長を続けてきた同国は、税制的な優遇措置も充実しており、東南アジアにおけるビジネスの足がかりとして、まず展開する事例が多いようです。さしずめ国全体が会社で言う「本社」機能にあたるといった感じでしょうか。

シンガポールの住宅事情

現地で住宅といえばマンションを意味し、日本でいう一戸建て住宅は「バンガロー」と呼ばれ一部の富裕層しか購入できないものとなっています。大半の国民は「HDB」と呼ばれる日本の公団住宅にあたる集合住宅を割安に購入することができます。しかし、外国人はHDBを購入することができないため、現地の駐在員はコンド(コンドミニアム)と呼ばれる高級マンションを賃借することになります。高級といっても日本の感覚からすると桁違いで、写真中央の二棟の建物を見学しましたが、渡り廊下で接続された部分にはプールやフィットネスジムが設置され、100平米程度の物件で3億円ということでしたが。それでもコンドミニアムとしては普通の価格で、現地や海外の方々が投機目的で購入し賃貸するというケースが多いということです。

HDBの事例

コンドミニアムの事例

プランの特徴としては、玄関から入るといきなりリビング・ダイニングが配置されていること、狭いタイプの住宅でも必ず二つのバスルーム(トイレ・洗面)がついていることが挙げられます。エアコンや家電機器は住宅とセットで提供されることが多いということで、建設途中の物件なのになぜか冷蔵庫が先に搬入されていました。現地の家電量販店も見学しましたが、日本では大きなコーナーを占めているエアコンや照明の品揃えがほとんどなく、商流が日本とは少し異なるようです。ちなみに現地における日本製品への信頼性は絶大で、日本製の商品は量販店でも日本語で書かれた製品紹介や販促のポップが付いたそのままの状態で販売されていました。

コンドミニアムの平面プラン例

建設途中に運び込まれた冷蔵庫

シンガポールの環境意識

シンガポールでは国を挙げて環境配慮型建築の推進に取り組んでおり、現地の建設省にあたるBCA(Building and Construction Authority)では建築物に対するグリーンマーク制度を導入し、デベロッパーや建築家に対して奨励金も支給しています。背景には、ビジネス拠点として海外の企業を誘致する上でのアピールポイントの一つとしたいという思惑があるようです。
とはいえ、一般市民における省エネ意識が高いかといえば必ずしもそうではないようです。オフィスや店舗においても過度に冷房が効いており、蒸し暑い外部との温度差が激しいため、赤道直下の国で風邪をひいてしまうところでした。裏を返せば見える化によるHEMSだけでも節電効果が高いと考えられます。

現地向けHEMSの開発について

今回の提携では、当社よりホームサーバーや電力量センサー等の部材を提供し、機器の設置や保守管理、及びHEMS画面の開発などは全て現地で行います。当社のホームサーバーは「住宅API」という簡単な命令で消費電力の収集や家電の制御ができることが特徴です。命令はインターネットのURLのような英語や英数字で構成されているので海外の方でも容易にHEMS画面を開発することが可能となっています。そのカスタマイズ性の高さが評価されたポイントでした。日本の家電を海外に輸出する際も、現地の状況にあったローカライズが重要ということがよく言われますが、そもそも現地でHEMS画面を開発するので究極のローカライズとも言えます。「エシェロン」への採用が決まったことで、年末にオープンした現地のマンションギャラリーにシステムを設置し、プロモーションを行うことになりました。

マンションギャラリー全景

入り口ホールの様子

また今回、現地向けHEMS画面の試作開発も当社で請負いましたが、一番の特徴は、住戸の平面プランの画像を活用し、各部屋ごとの電力使用量を5段階の色の変化で確認できるようになっている点です。例えば、青い色であれば消費電力が少なく、消費電力が多くなるほど赤く色が変化するようプログラムしています。また、画面上のエアコンのアイコンをタップすると、エアコンのリモコン画面が表示され、リビングから子ども部屋のエアコンを切ったり温度設定を変えたりすることができます。こうした仕組みには、日本のHEMSの標準規格として推奨された、ECHONET(Lite)を採用しており、家電・設備機器メーカーにも同規格に対応した製品を海外にも展開してもらえるよう働きかけています。

最後に

今回の提携のもう一つのポイントは、日本の家電・設備機器の標準通信規格である「ECHONET Lite」が海外展開する初の事例であり、それを推進したのが当社のような住宅メーカーであるという点にあります。家電や設備機器単体ではなく、スマートハウスという住宅全体のシステムとして海外展開することで、新たなビジネスチャンスが生まれるのではないかと考えています。今後の取り組みにご期待下さい。

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