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研究員コラム:Vol.2 鋼製座屈拘束ブレース「DUAL CORE BRACE(デュアルコアブレース)」

構造

西 拓馬

2015.3.25

大和ハウス工業株式会社と株式会社フジタは、大型物流倉庫をはじめ、高層マンションや中低層の建物など様々な物件に適用可能な耐震・制振部材「DUAL CORE BRACE -平鋼を角形鋼管で座屈拘束した耐震・制振ブレース-」を共同開発し、建物への採用を開始します。

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今回は座屈拘束ブレースについて簡単にご説明させていただきたいと思います。

ブレースとは

大型ショッピングセンターの立体駐車場などで斜めに設置された大きな柱の様な部材を見かけたことがあるかと思います。あれが建物の筋交い材、ブレースです。
鉄骨住宅では細長い鋼材、木造住宅では細長い木材などを建物の筋交い材として使用しています。

ブレースなどの細長い部材は引張力に対しては十分な強度を有していますが、圧縮力に対しては少しの力で折れ曲がってしまいます。これを座屈と呼びます。
スパゲティの乾麺を両端から押すと大きく湾曲し折れてしまうようなものです。

ブレース構造は頑強で耐震性に優れた構造ですが、構造設計で座屈に対する検討が必要となるほか、大地震時には座屈により折れ曲がったブレースが外壁や内装を突き破り破損してしまうなどのデメリットもあります。

座屈拘束ブレースとは

部材が圧縮されたときに折れ曲がってしまうのであれば、折れ曲がらないようにすればよいのではないだろうかと考え出されたものが座屈拘束ブレースです。

座屈拘束ブレースは芯材と拘束材から構成され、拘束材が芯材の座屈を拘束しています。
スパゲティをストローに通したような構造です。

従来のブレース

座屈拘束ブレース

座屈拘束ブレースは座屈によって生じるデメリットを解決できるだけでなく、地震によるエネルギーを効率的に吸収できます。このため、近年様々な座屈拘束ブレースが考案されています。

大和ハウス工業では平鋼の芯材をコンクリートと鋼板で座屈拘束した「D-TEC BRACE(ディーテックブレース)」、フジタではH形鋼の芯材をコンクリートと鋼管で座屈拘束した「FIRST(ファースト)ブレース」を開発し、すでに多くの物件で採用されています。

「DUAL CORE BRACE(デュアルコアブレース)」とは

従来の座屈拘束ブレースは大型あるいは高層の建物で用いる部材として開発されたものが多く、部材の大きさ、重さあるいは価格の面から中低層の小さな建物への適用が難しいものでした。

そこで「軽く、安く」をコンセプトに中低層の建物でも気軽に使用できる座屈拘束ブレースとして「DUAL CORE BRACE(デュアルコアブレース)」を開発しました。

「DUAL CORE BRACE(デュアルコアブレース)」は圧縮時にも座屈することなく引張時と同等の耐力を保持することで建物の揺れを抑え、建物の内外装への損傷を軽減し、地震によるエネルギーを効率良く吸収します。
また、住宅で使用する低軸力から大型の建物で使用する高軸力まで幅広く設計可能です。

DUAL CORE BRACE(デュアルコアブレース)」完成図


試験直後のサーモ写真(エネルギー吸収による温度上昇)

実大の構造実験による結果をもとに、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しました。本ブレースは耐震部材あるいは制振部材として使用するために必要な所定の性能を有していることが認められています。

今後も新たな技術開発だけでなく、今ある技術をより使いやすく便利に活用できるような技術開発をしていきたいと思います。

研究員プロフィール

西 拓馬

西 拓馬にし たくま

2008年入社。大阪府出身。大学では建築構造を専攻。
これまで鋼構造の接合部などの研究開発に携わり、現在は座屈拘束ブレースの他、鋼構造の研究開発を担当している。
趣味はゲーム、スノーボード。

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