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研究員コラム:Vol.4 xevoΣ 耐力壁(D-NΣQST)

構造

西村 健

2015.7.28

開発背景

鉄骨系住宅商品「xevoΣ」では、従来商品から工法を大きく刷新し、さらなる高耐久、高断熱を実現しました。構造面では、エネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」を開発し標準搭載しました。2011年の東日本大震災を経て、今後発生が予想される巨大地震と繰り返される強い余震の揺れに耐え続けることが必要と考え、新型耐力壁「D-NΣQST」を開発しました。

図1 D-NΣQST(左)とΣ形デバイス(右)

D-NΣQSTのしくみ

D-NΣQSTは、鋼材ダンパー付きの片筋かい形式の耐力壁と呼べます。筋かいというのは壁の対角に斜めに設置した部材のことをいいますが、これに図2のように地震力が入ると力の方向によって、引張部材になったり、圧縮部材になったりします。この場合、引張力に対しては十分な強度を有していますが、圧縮力に対してはある一定以上の力で折れ曲がってしまいます。この折れ曲がる現象を「座屈」と呼びます。この座屈が生じると耐力壁の性能を確保することは難しくなります。

また、このことは地震に対する筋かいの向きによって強さが変わってしまうことになり、設計のしにくさにもつながります。
そこで、この座屈が起こる前に、変形して地震エネルギーを吸収するダンパーを設けることで座屈による耐力低下を防ぎ、かつ、筋かいの向きに関係なく同じ強さを発揮するよう設計したのが、「Σ形デバイス」であり、「D-NΣQST」であります。

「Σ形デバイス」は、地震の力を受けるとデバイスがせん断変形し(図3)、地震エネルギーを効率的に吸収し、かつ、繰り返し地震を受けても耐力を維持するよう設計されています。

図2 地震力による力の流れ

図3 デバイスの動き

Σの秘密

前述のような機能を持たせるためには、特殊な材料を用いるのが一般的ですが、この「Σ形デバイス」は、特殊な材料を使わなくても、所要の剛性と変形性能を確保しています。柱や梁と同じ鋼材を用い、形状を工夫することで、その効果を実現しています。

例えば、デバイス部分を縦形とした場合、デバイスが強すぎて、筋かいが座屈する前に変形するという役目を果たせません。また横形の場合、柔軟に変形するものの、相当厚い板材にしないとデバイスが大きな力に耐えられないため、強い耐力壁になりません。そこで、その双方のいいところをとって斜めにしたのが「Σ形デバイス」です。もちろん、ただ斜めにすればいいのではなく、最も効率よくエネルギーを吸収できる角度をみつけるために、繰り返し実験や解析を行いました。

図4 Σの形状

この「Σ形デバイス」及び「D-NΣQST」は大和ハウス工業オリジナルの耐力要素として特許を取得しています。

実大震動台実験

このようにして開発した「D-NΣQST」を搭載した「xevoΣ」の強さを実証するために、世界最大級の震動台実験施設を有する(独立行政法人)防災科学技術研究所「E-ディフェンス」(愛称)にて実大建物の加震実験を実施しました。実験では、観測史上最大の地震波の最大速度を上回る最大速度175kineの地震波を繰り返し与えました。この実験により「xevoΣ」の構造は繰り返し起こる地震に対して高い耐震性能を持続することが実証されました。

今後も新たな技術開発だけでなく,今ある技術をより安く、より広く活用できるような開発をしていきたいと思います。

研究員プロフィール

西村 健

西村 健にしむら けん

2009年入社。兵庫県出身。大学では建築構造を専攻。
入社以来、住宅構造の研究開発を担当している。

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