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毎朝時計をにらみながら、「早く着替えて」、おやつの前は「手は洗ったの?」、寝る前には「歯み がきまだでしょ」などなど、生活の基礎となる習慣は親としても気になるもの。「手伝っちゃおうかな」「でも自分でやらせないと……」の間を行ったり来たりしながら、親子ともにストレスを抱えてしまうこともありますね。就学前に身につけておきたい習慣、その身につけ方を、和洋女子大学の鈴木みゆき先生にうかがいます。

就学前に目指したいのは「手が汚れたから洗おう」と行動できる子

手洗いを例に考えてみましょう。
3歳児にとって手洗いはまだ水遊び。4歳児になると親や先生とのお約束を守って食前などに手が洗えるようになります。

では就学を前にした5歳児は?
私は、ルールや他者からの働きかけという段階からもう一歩進んで、「手が汚れてるな。洗ってこよう」と、自分で判断し、行動できる子だと考えています。大人の指示を待つだけの小中学生にしないためにも、生活習慣を身につけるプロセスのなかで、ぜひ自立できる子になってほしいなと思います。

お手伝いを通して先を見通す力と自己肯定感を育む

子どもはお手伝いが大好き。お洗濯でも、お掃除でも、お料理でも、「やってみたい!」と興味津々です。
そこには生活に根付いたことへの関心、誰かの役に立ちたいという思いがあります。十分に引き出してあげてください。
「お皿を並べて」「お洋服を干す前にパンパンのばしてね」といったやり取りをくり返すうち、子どもたちは、先を予測し準備することの大切さに気付きます。お皿は家族の人数分、お洋服はしわにならないように、など後のことを考えながら、自分のすべきことを判断できるようになります。
 
お手伝いをしてくれたら、どうぞたくさんほめてください。
「ありがとう。お食事がすぐに食べられるね」「○○ちゃんの干してくれたタオルはピンとしてて気持ちいいね」。親からのやさしいひと言が子どもたちの自己肯定感を育てます。
いままで親にしてもらうばかりだった自分が、家族の生活に参加し、役に立っているという気持ちが、自分で考えて、行動しようという自立心につながっていきます。

できない→できるのプロセスを見られるのは今だけ、その時間を楽しむ気持ちを

手洗いや歯みがきがなかなか習慣にならず、コロッと忘れてしまうこともままあります。
そんなとき「まだ手を洗ってないの!」「歯みがき忘れてるわよ!」と結果だけを叱っても、あまり効果はありません。まだ時間の感覚が乏しい子どもにとっては、大人のように時計を見ながら「そろそろ幼稚園バスが出ちゃう」とは気付けません。「このテレビを見たら、歯をみがいて、靴をはいて、お出かけだよ」。「お布団に入る前に歯みがきはすませようね」と、具体的に見通しが立てられるように、子どもに伝えておくのもよいでしょう。

ついイライラしそうになったら、「できない→できるのプロセスを見られるのは今のうちだけ」と考えてみませんか。
子どもはすごいスピードで成長していきます。昨日できなかったことが今日できてしまう。子どもなりにがんばる姿を、かわいいなと思える心の余裕も大切にしましょう。

鈴木 みゆき

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