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親だって五月病、この時期の気分の揺れどうすればいい?


何だか最近、どうも気がのらない、集中できない、面倒に感じる…そんなことはありませんか? もしかしたら、五月病かもしれません。今回は、ゴールデンウィーク明けに起きやすい「親の五月病」をテーマに、その特徴と対処法について取り上げていきます。

親だって五月病、その特徴とは?

「五月病」という言葉を聞いたことがあると思います。もともとは、4月に新しい環境で生活を始めた新入生や新人社員が、5月の連休明けに精神的に落ち込んでしまったときに用いる言葉ですが、新たな環境で奮闘する子どもたちを支える親も、同じような現象を経験することがよくあります。
私が行っている育児相談でも、「どうも気分がのらない」というご相談が増えるのが5月。季節的にはスッキリ爽やかな時期なのに、心の中はどんよりグレーという親御さんが多くなります。
一般的に、五月病では、
● 抑うつ
● 無気力
● 焦り
● 不安感

のような心の苦痛を抱えると言われています。ご相談でよく聞くのは、「何をやっていても身が入らない」「ポジティブな感情が抜けてしまった感じ」「嬉しさを感じない」のような悩みです。
このような「力が抜けてしまった状態」というのは、想像以上に辛いものです。どこからどう手をつけたらいいのかが見えず、足踏みしてしまいます。そこで、前へ進むきっかけを作るために、ここでは、とくによく見られるパターンを2つ挙げ、それぞれの特徴と対策をお伝えしていきます。

■タイプ1:頑張り屋

要因:裏方として頑張り過ぎ、燃え尽きてしまうため

日本では、頑張ることが美徳とされています。子育てにおいても、どれだけ子どもに尽くすかで、親の技量を測ったりするところがあります。
それもあり、「私が頑張らねば」と睡眠時間を犠牲にするほど気負って、入園・入学前の準備を進める親御さんも少なくありません。そしていざ学校が始まると、毎朝、新たな環境で戸惑う我が子をなだめながら、お弁当を作ったり、送り迎えをしたり、保護者会、役員決めのような行事をこなしたり……と、やることに追われ4月を過ごします。
そこにゴールデンウィークがやってきて、しばし解放されると、4月に溜め込んでいた疲れ、緊張感、気張りが負の力となってどっと吹き出し、五月病が発生してしまうのです。
「頑張る」とは、とてもあいまいな言葉です。その人によって「頑張る」の定義は違いますし、「100%まで頑張る」という状態もあるようで、実際には存在しません。
また、自分では100%と思っていても、周りから見たら150%ということもあるでしょう。そのあやふやなものを美徳としている私たち日本人は、どうしても自分を追い込んでしまう傾向があります。「1つ1つに100%」というと聞こえはいいですが、実際にはリズムが崩れたり、全体に遅れが出たりと支障が出てくることも多いものです。
自分で自分を追い込む傾向がある人、常により高いものを求める傾向がある人は、頑張るのはOK、でも頑張り過ぎるのは逆効果だと心に留めましょう。とくに、「絶対に〇〇」 「必ず〇〇しなきゃ」「〇〇じゃないとダメ」という強い思いは要注意。「絶対〇〇」と思えば思うほど、「もし〇〇できなかったらどうしよう!」という不安が心を支配してしまうため、焦ってばかりで集中できず、結果的に効率を落としてしまいます。頑張るけれど、頑張り過ぎない力加減を目指すためにも、自分を追い込むこれらのフレーズは避けましょう。

■タイプ2:人見知り

要因:4月に多くの出会いがあり、ストレスがかかるため

頑張り過ぎの人の燃え尽きパターンとはタイプが違いますが、「人見知りで、人付き合いが得意でない人」も、五月病に要注意です。
人見知りの人にとって、4~5月は辛い時期。子どものクラスメートが変わると、親もそこに新しい付き合いをスタートさせます。新たな出会いや誘いが増えたり、役割が変わったりと、いつもと違うパターンが続く4月は、人見知りタイプの人ほど負担が大きく、外に出ていると、思っている以上にエネルギーを消耗します。
世の中には、新しい環境が大好きで、親同志の出会いの場が楽しみでたまらない人もいます。自分が人見知りだと、「あんな風に社交的になれたら」と思うかもしれませんが、これは、生まれ持った性分が大きく関係していますので、無理をしてはいけません。頑張れば変えられる類のものではありませんから、「できる範囲で頑張ろう」とするのが堅実なやり方です。
人見知りの人にとっては、連絡先を交換すること、ランチ会に行くと決断すること、断りの返事を入れること、これだけでも大きなストレスになりえます。新環境への柔軟性は、もともとの個性である程度決まっているものなので、それを受け入れ、無理をさせないことが大切です。

五月病を6月に持ち越さないために

4月に新環境がスタートし、1か月経たないうちに大きな連休がある、というサイクルが、気分の アップダウンを生む要因でもあるので、この時期特有の気持ちの落ち込みは、一般的には自然と回復していく一過性のものです。しかし、中にはこじらせてしまうケースも見られますので、通り過ぎるのを待つのではなく、できるだけ自らケアしていきましょう。
頑張り屋タイプ、人見知りタイプ、どちらにも共通しているのは、自分の限界以上に、負荷をかけてしまうことです。親がこの時期にさらされるプレッシャーの多くは、実質的な時間の圧迫よりも、自分の心が生み出している精神的なもの。
「親として、そつなくこなさなくちゃ!」という4月の気負いが、ゴールデンウィークでいったんゆるむものの、再スタートとなる連休明けにまたカムバック。それにより、「またあの日々がやってくるなんて、もうイヤ」と心が逃避したくなってしまうのです。そんな逃げ腰気味の自分に、ムチを打ちたくなるかもしれませんが、今ある不快な感覚は、4月に無理をしてしまった結果なので、そこでまた気負ってしまうと逆効果です。

心理学的に見て、「親なのだから、〇〇すべき」と自分で自分を追い込んでいくアグレッシブ型は、結果的に心を疲弊させてしまいます。「できないものは、できない」と潔く割り切ることも時には必要です。おすすめは、「よし、私なりのベストを尽くそう」くらいのマイルドなプレッシャーです。 新学年はスタートしたばかり。4月に猛ダッシュしてしまった人は、再スタートは、細く長く続ける“マラソン”へと切り替えましょう。自らの“性分”に無理をさせず、「私らしく」と受け入れてあげることで、自然と力が戻ってきます。

佐藤 めぐみ

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