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プレミスト王子神谷の誕生経緯と、公園隣接という緑の環境に根差した家づくりについてお伝えした第1回。第2回は自然を引き込んだコンセプチュアルな室内空間と、快適な職育住を追求した空間づくりについてお伝えします。
外の緑を引き込み、自然を享受し続ける室内空間
緑と光をテーマにした「プレミスト王子神谷」。そのコンセプトは室内空間にも引き継がれています。
マンションへ足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのは2層の吹き抜けが広がるエントランスホール。
村岡:「エントランスホールはマンションで一番先に入る空間。しっかりした空間に見せたいというこだわりを持って吹き抜けを作りました。自然や水の揺らぎをイメージした曲線が印象的な天井の下には、緑の風景が広がる大きな窓を。空間の大きさに合わせた素材を選定し、空間デザインのアクセントとして、インテリアズ社の特徴的な黄色いソファを置いています」
続くエントランスラウンジは、森の中にいるようなイメージに。
村岡:「こちらも窓を広く取って、日差しの動きに自然を感じていただけるようにしました。ファミリー層を意識してなるべく柔らかい色の素材を使いつつ、少し暗めの素材をポイントに取り入れて空間を引き締めています。落ち葉が敷き詰められたようなデザインのタイルカーペットを採用し、壁にも木調のパネルを使って木立のようなデザインに。人が座った時に天井までの距離が心地よく感じていただけるよう、高さが低めの家具を配置。家具は低めかつ空間が狭く見えないような足元の空いたデザインのものを選んでいます」
新たな時代のニーズに応えた、3つのライフスペース
1階エントランスの横にあるのは、3つの共用スペース。可動の間仕切りで空間が分かれており、住まう方のニーズが高い用途で使えるようになっています。
村岡:「北区の条例に“150㎡以上の集会場を作る”という規定があるのですが、ただ空間をつくるのではなく、間仕切りをつけて特徴を持った部屋として使えるようにしたいという思いがありました。親が見守りながら子どもたちが遊べる「キッズルーム」、家族同士や親族の方を呼んで会食できる「パーティールーム」、そしてコロナ禍でもテレワークが快適にできる「ワーキングルーム」という3つの空間を作っています」



◎キッズルーム
村岡:「お子さんが転んでも痛くないよう、床部分を一部緑のカーペットにしています。家具もなるべく面を取った丸いもの、遊具もスポンジやウレタンといった素材で作り、安心して遊べるようにしました。床面は外部につながっていくようなデザインにし、外の緑の景色が眺められるよう大きな窓をつけています」
◎パーティールーム
村岡:「10人程度でパーティーが行えるような広さのスペースです。落ち着いた色を取り入れながら、床はキッズルームと同じく外につながっていくようなデザインに。天井も木のシートを巻いて、自然の柔らかな木漏れ日が感じられるようなイメージに作り込んでいます」
◎ワーキングルーム
村岡:「コロナ禍で高まっていたテレワークのニーズに応える一つの解答として、個室ワークブースのTELECUBE(テレキューブ)Ⓡ※1を設置しました。弊社の社員が仕事でよくサテライトオフィスを使っていて好評だったので、やはり個室ブースが一番テレワークに適しているのでは?と感じたからです。床はなるべく音を発しないタイルカーペットを採用。机やカウンターにコンセントが内蔵されていて、長時間のパソコン使用や携帯電話の充電もできるようになっています」
「住みやすさ」を第一に考えた、細やかな空間づくり
ライフスペースの他にも、住みやすさを考えた共用施設を敷地内の各所に施したという村岡。
村岡:「例えば、神谷掘公園への日当たりを考慮したことで、敷地内の北側に大きな空地ができました。そこを使用して、平置きの駐車場を110台分、そしてファミリー層が多く利用する3人乗り自転車や電動自転車などの大型自転車を停められる平置き駐輪場も計画しています。また、駐車場からも容易に屋内に入れるよう、公園側にサブエントランスを設置し、車寄せを計画しました。駐車場が平置きですと荷物の出し入れもしやすいですし、サブエントランスを使えば、車からそのまま雨の日も濡れずに中へ入っていけます。さらに荷物を自分の家まで楽に持っていけるよう、サブエントランスにはカートも設置しました」

専有部分でも、とにかく基本性能を高くすることに拘ったと語る村岡。
村岡:「例えば、居室を真四角に取る、窓を大きく取る、天井を高くする、廊下を短くする、収納を多く取る。住みやすさに欠かせないこれらの性能をなるべく高めながら計画することを常に心がけました。一例としては、居室を真四角に取るために、廊下側の居室をちょっとずらして柱をよけているんですが、そこで空いたスペースを活かして、玄関に通風用の窓をつけています。マンションの共用廊下側は通風を取るのが非常に難しく、部屋の窓を開けっ放しにしてしまうようなお宅もよく見受けられますが、玄関に窓をつけて、さらにリビングの扉にも上の方にルーバーをつけることで、室内を自然に風が流れていくような「パッシブデザイン」にしています」

村岡:「また、今回はバルコニー側の梁に扁平梁を使っています。これを使うと梁部分が小さくなってサッシも通常より高い位置にできるため、窓が広くとれて開放感が出ます。また戸境部にも内蔵梁を採用し、窓側と併せてすっきり見えるようにしています。こういった利便性は、マンションを買われた方が後からどうにかできるものではなく、まさに私たちが企画段階でしっかりと作り込んでいかなくてはいけない部分。それだけに、基本性能を上げることにはこだわり続けたいですね」

好評のうちに販売を終了し、多くの方々が新生活をスタートした「プレミスト王子神谷」。
村岡:「3つのライフスペースや駐車場、車寄せなどは、住民の方にうまく利用していただいていると伺っています。実は社内にもマンションを購入した社員がおり、住み心地が良いという声をもらい安堵しました。今後も、住み心地について新しいお声を聞けることを楽しみにしています」

今回、転職後に初めて「プレミストシリーズ」を担当したという村岡。
村岡:「この物件を通して、コンセプトを深掘りしながら、地球のため、街のため、住まう人のために何ができるか?ということを配慮しながら作るというものづくりの姿勢が大切だと改めて感じることができました。マーケット調査やヒアリングをもとに仮説を立て、それに基づいて作った物件がしっかりとお客様に支持していただけたことは、自分にとっても大きな成果でした。今後もこだわりを持って丁寧な作り込みを意識しながら、一つひとつの物件にあたっていきたいと思います」

※1 TELECUBE(テレキューブ)は、株式会社ブイキューブの登録商標です。