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~ 子どもの語彙力や想像力を育む絵本の読み聞かせ ~

言葉と絵だけで物語を伝える絵本は、子どもの感性を育んだり、親子のコミュニケーションツールとしても役立ちます。そこで、定期的に子どもに絵本を読み聞かせる「おはなし会」を主催している千代田区立四番町図書館の宮崎亜古館長に、絵本の持つ魅力や、読み聞かせが子どもに与える良い影響などについてうかがいました。

絵本を通じて、楽しみながら親子の絆を強める

子どもへの絵本の読み聞かせには、3つのメリットがあります。
1つは、「楽しい時間を親子で共有できる」こと。絵本の内容を理解できる年齢の子どもなら親子で一緒に物語を楽しめますし、たとえまだ言葉を理解できない0才児の赤ちゃんでも、絵本がコミュニケーションツールとなり、同じ時間を過ごすことができます。
もう1つは、子どもの「語彙力を増やす」ことです。日常の中で使われる言葉は、ある程度限られています。ですが、絵本の読みきかせを通じて、子どもはふだんよく使う言葉以外のものや、正しい言葉の使い方や表現を覚え、自然と語彙が増えていきます。
そして3つめは、子どもの「想像力を育む」こと。子どもの視覚に直接的に働きかける映像とは違って、言葉と絵だけで表現されている絵本は子どもに想像の余地を与えます。ですから、絵本を通じて様々な物語に触れるほど、想像力が豊かな子どもに育つ傾向があります。 親子の楽しい読み聞かせの時間は、感性を育み、本好きな子どもへと育つでしょう。また、本が好きでよく読む子どもは、読解力が高いこともわかっています。

絵本選びは、子どもの年齢に合わせて

書店や図書館に行くとたくさんの絵本が並んでいるので、どれを選ぶとよいのか迷う人もいるでしょう。そんなときは、絵本の裏表紙をめくり、「初版」の年を見てみてください。この初版の年が古ければ古いほど、時代を超えて長く読みつがれている絵本ということ。子どもにも大人にも良質なものといえるでしょう。
また、1才くらいまでの子どもなら、はっきりした色使いで、人や動物の顔や表情がハッキリ描かれている絵本がおすすめ。「くるくる」「ころころ」など、同じ言葉をリズミカルに繰り返すものも、小さな子どもが喜ぶ絵本です。
1才以上の子どもなら、食事やお片づけ、歯みがきなどのしつけ絵本を選ぶと、読み聞かせを通じて楽しく教えることができます。2才を過ぎたら、読み聞かせをしているときの子どもの反応を見て、楽しそうに聞き入っていたり、「これ読んで!」とせがむようなものを読んであげてください。本屋や図書館に行って、子どもに絵本を選ばせて上げるのも良いですね。

口調や声色を工夫して子どもを夢中にさせる

家庭で子どもに読み聞かせをするとき、淡々と読んであげるよりも、楽しく変化をつけながら読んであげたほうが、子どもは絵本の世界に引き込まれていきます。
例えば、話が展開するときに声の強弱やスピードを変えて読んでみてください。子どもは、ワクワクした様子で話に聞き入るでしょう。会話部分では、登場人物ごとに声色を変えたり、節をつけたりすると、より感情移入でき、物語の世界に夢中になるはずです。
ただし、子どもの感性はとても繊細なもの。鬼やおばけなどのモチーフや怖い話をあまりにもおどろおどろしく読むと、楽しむどころか怖がって泣いてしまう子どもも。何よりも子どもを楽しませることが大切なので、必要以上に子どもを怖がらせすぎないように注意しましょう。
読み聞かせを通じて、親自身が子どもの頃に読んでいた絵本に触れることもあるでしょう。そのときは、子どもに自分も同じ絵本を読み聞かせしてもらったこと、そのとき感じたことなどを伝えるのも楽しいもの。親子で楽しんで、幸せな時間を共有する経験を重ねることが、家庭での読み聞かせで一番大切なことです。

【読み聞かせの会(おはなし会)の様子】
宮崎 亜古

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