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お父さん、お母さんがちょっと目を離した隙に、子どもが危険な目に遭うことがあります。 とはいえ、ずっと目を離さないなんて現実的には不可能。大切なのは、危険の種を遠ざけておく予防策です。 子どもの事故予防に取り組む、小児科医・山中龍宏先生に、やけど、水の事故をテーマにお話を伺いました。

つい床に置いてしまう電気ケトルもし倒れたら大事故に!

子どもは大人に比べて皮膚が薄いため、わずかな時間で深くやけどする危険があります。
寝返りやお座り、はいはいができるころになると、熱い飲み物に手を入れてしまったり、つかまり立ちができるようになると、テーブルのものをひっくり返しやけどすることも。ポット、アイロン、炊飯器、ヒーターなど家に当たり前にあるものがやけどの原因になるのです。

さらにここ数年、電気ケトルによるやけどが複数報告されています。あっという間に沸騰し、底面が熱くならないため直置きできることなどが特徴です。たとえば、あったかいお湯で子どもの体を拭こうと準備しているとき、宅配便がきて、ポットを床に直置きしたまま玄関へ……こんな小さなことが事故につながります。このような問題を踏まえ、最近では倒れてもお湯がこぼれないロック式ケトルも発売されています。

予防の基本として、家庭内の熱源は高さ1メートル以上のところに置くようにしましょう。
電気コードが垂れていると、子どもが引っ張ってしまうこともあるので要注意。もし、やけどをした場合は、流水でしっかり冷やします。顔なら冷たいタオルをあてましょう。

0歳から4歳までに起こりやすい事故早見シート
2歳まではお風呂に残し湯をしない生活をおすすめします

子どもは水が大好きです。たっぷり水遊びができるお風呂は楽しい時間でしょう。
とはいえ、日本ではお風呂でおぼれる事故が後を絶ちません。残念ながら死亡に至るケースも毎年報告されています。鼻と口が覆われる程度のごくわずかな水でもおぼれてしまうということを頭に置いて、生活を見直してみましょう。

私は少なくとも子どもが2歳になるまでは、お風呂に残し湯をしないほうがよいと考えています。エコや防災の面から、残し湯が推奨されていますが、せめてこの期間は子どもの安全を優先してもよいのではないでしょうか。日中、お風呂を子どもの遊び場にしていると、子どもは「ここは自由に遊んでよいところ」と認識し、ちょっとした隙に勝手に行ってしまうこともあります。鍵をかけ、お風呂はお父さんお母さんといっしょに入る場所だと教えていきましょう。

浴槽のふちと洗い場の差が50センチ未満の場合は転落しやすくなります。実家に帰省したり、ホテルのお風呂に入ったり、いつもと違うお風呂に入るときは、どの程度の高さがあるのか事前に確認しておくとよいでしょう。万が一、子どもがおぼれたら胸骨マッサージ、人工呼吸といった心肺蘇生を行いながら、すぐに119番へ連絡してください。心肺蘇生は消防署や保健センターでも指導しています。身につけておくと、いざというときに冷静に対応できます。

お父さんお母さんの声が社会を変えるきっかけになります

お子さんが事故に遭ったとき、お父さんお母さんは、私の不注意だったと自分を責めがちです。確かに生活の見直しが必要かもしれませんが、そこで終わりにせず、事故を起こした商品や環境の改善を求める声を社会に届けてほしいと思います。

先ほどお話した電気ケトルも事故が続き、消費者の声がメーカーに寄せられたことでロック式のものが開発されました。事故にはいくつかのパターンがあり、データが集まれば商品を変えるきっかけになります。何歳の子どもが、どのような状況で、どんな事故を起こしたのか。それを行政やメーカーに伝えるのはとても大切なことです。多くのお父さんお母さんが情報を共有し、きちんと声をあげることが、子どもにとって暮らしやすい社会づくりにつながると思います。

【その他の相談窓口】
●中毒110番
誤飲や中毒事故が起きたときの対応についてアドバイスしてもらえる。
大阪(24時間対応) 072-727-2499
つくば(9時~21時対応) 029-852-9999
 
●小児救急電話相談
夜間や休日、子どもが急病になったときの相談サービス。住まいの都道府県の相談窓口へ自動転送される。
#8000(受付時間は都道府県によって異なる)

山中 龍宏

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