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子どもの心にまっすぐ届く~ ”やさしい気持ち”を育む絵本 ~

絵本を通じて、子どもは、他人への思いやり、動物や植物を大切にする気持ち、自分を愛する心を育てていきます。お父さん、お母さんにもきっと「忘れられない大切な絵本」があるでしょう。お子さんにとって宝物になるような一冊を、いっしょに探してみませんか。”やさしい気持”を育む絵本をテーマに、800万人のユーザーが利用する絵本情報サイト「絵本ナビ」代表、金柿秀幸さんにお話を伺いました。

絵本は大切なメッセージをやわらかく伝えることができます

「お友だちとなかよくしましょうね」「年下の子にはやさしくね」「我慢することも大切よ」……、親として、子どもに伝えたいことはたくさんありますね。絵本の優れているところは、これらの大切なメッセージを、やわらかく、あったかい物語で包んで子どもに届けるところです。子どもはストーリーに入り込み、その世界を味わいながら、作者の思いを受取ります。大切なのはあくまで絵本そのものを楽しむこと。充実した時間を過ごした後、心になにか残るものがある――。そのくらいがちょうどよいのだと思います。

他人を思いやる気持ちが伝わるおすすめの絵本

1つ目は、親世代にもファンの多い『どうぞのいす』。ウサギが椅子を作って野原に置くと、最初にやってきたロバが椅子にどんぐりを置きます。すると次にやってきたクマはどんぐりをもらうかわりに蜂蜜を置き、次にやってきたキツネは蜂蜜をもらうかわりにパンを置き……と次々、贈りもののリレーをしていくお話です。動物たちは、食べものをもらうと「からっぽにしてしまっては、あとのかたにおきのどく」と、自分が持っているものを椅子に置きます。この「おきのどく」というやわらかい言葉がいい。「置かなくちゃいけない」という義務感ではなく、顔の見えない、次に来る誰かのために自然に出てくるやさしさが、子どもの心にすっと入ってくる作品です。
 
2つ目の作品は、赤ちゃんが生まれて、お姉ちゃんになった”なっちゃん”の日々を描いた『ちょっとだけ』。お母さんと手をつなぎたくても、着替えを手伝ってほしくても、ブランコを押してほしくても、忙しいお母さんを思いやって、なっちゃんはちょっと我慢。時間もたくさんかかるし、まだ上手にはできないけれど、がんばった分だけ、なっちゃんはちょっとずつ自立していきます。「自分でやってみよう」と奮闘する姿に、子どもも感じるところがあるでしょう。また、大人にとっては、なっちゃんがいじらしくて、思わずホロリときてしまう一冊です。

このような絵本を読むとつい「○○ちゃんも、こんなふうにやさしくできるといいね」なんて言いたくなるかもしれませんが、メッセージだけを取り上げて、教訓のように伝えようとすると、子どもにとっては楽しい世界から急に現実に引き戻されるようでおもしろくないでしょう。子どもは子どもなりに、いろいろなことを感じています。感想を語り合いたい子どもいれば、それを言葉にしたくない子もいます。読み終わったあと、じっくり余韻を味わうのも絵本の楽しみのひとつ。子どもの世界を邪魔しないように、見守ってあげてください。

金柿 秀幸

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