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どんなおもちゃが”よいおもちゃ”?~ 答えを知っているのは子ども自身です ~

「子どもの心をしっかり捉えるおもちゃというのがあるんです。どこに惹かれるのか、大人の私たちからすると100%はわかりません。でも、子どもの目線に立って、いっしょに遊ぶうちに見えてくるものがあるんですよ」と話すのは、東京おもちゃ美術館内赤ちゃん木育ひろばの石井今日子さん。親になって感じるおもちゃ選びの難しさ。どうやら、その答えは子どもが知っているようです。石井さんが美術館に来場するたくさんのお子さんと接したなかから見えてきた、子どもとおもちゃの楽しいかかわり方についてうかがいました。

シンプルなおもちゃには、子どもの想像力を受け止める大らかさがあります

東京おもちゃ美術館が大切にしている活動のひとつが、「木育(木が好きな人を育てる活動)」です。木の香りや手触りを楽しみながら遊ぶ子どもの表情はとてもいきいきしています。木の魅力は、なんといっても独特の重み。子どもたちは、引っ張ってみたり、落としてみたり、どんどん叩いてみたり、重量感を確かめるような動作をくり返しています。
 
たとえば木のつみ木は、親世代にもなじみ深いおもちゃですね。高くつんだり、家を作ったり、車やおままごとのごはんに見立てることもあります。車も、その日の気分によって、消防車になったり、トラックになったり、大好きなパパの車になることも。シンプルなおもちゃは変化自在で、子どもの発達や興味に応じて、何通りもの遊びができる大らかさがあります。そんなところから、子どもの想像力が育っていくのかもしれません。
 
美術館では、大人もつみ木で遊んでいます。それも大切です。大人が発する「おもしろいぞ~!」というメッセージを、子どもは敏感にキャッチしますよ。

実感したことが経験になる、“どうして?”が見えるおもちゃのおもしろさ

子どもを夢中にさせるおもちゃは、「道すじ」が見えるものが多いようです。ボールがころころ転がっていく様子、とんかちで打つと下に釘が埋まっていく様子、子どもは自分のアクションによって、なにか変化が起こることがおもしろくてたまらないといった様子です。そんな場面を見るたび、手を動かし「実感」したことが「経験」につながるのではないかと思うようになりました。
 
最近、スマートフォンやタブレットで楽しく子ども向けのアプリも増えています。「遊ばせていいのでしょうか?」という相談も多くなりました。つみ木のようなおもちゃが、子どもの発達にとって大切な働きをする主食と考えるなら、これらはファストフードのような存在です。おいしいけれど、味が濃くて、つい食べ過ぎてしまうような強い刺激があります。毎食そればかりでは、ちょっと心配です。
 
そして、子どもが人差し指を動かしたとき、スマートフォンやタブレット画面の下で行われる、複雑すぎる回路の動きは、大人だって理解できません。せっかくの子どもの「なぜ?」が、見えない、わからないではもったいないですよね。ときにはファストフードに頼ることがあっても、やはり主食の大切さを知りながら、子どもの「なぜ?」を育ててほしいと思っています。

【東京おもちゃ美術館 おすすめのおもちゃ】
石井 今日子

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