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皮膚に症状が出る病気②~ 大人にも感染し大流行!「溶連菌感染症」「風疹」を知っておこう ~

「溶連菌感染症」と「風疹」、いずれも皮膚に症状が出る感染症ですが、近年大流行がありニュースでも話題になりました。子どもだけでなく、大人がかかることもあり、家族で知っておきたい病気です。細部小児科クリニック院長の細部千晴先生に流行状況や注意点についてうかがいました。

過去最大の患者数を記録した溶連菌感染症は子どもに多い病気です

溶連菌感染症は、2~10歳の子どもに多く見られる感染症で、A群溶血性連鎖球菌という細菌を体内に持った人の咳やくしゃみから感染します。感染すると、急な高熱やのどの痛み、全身の赤い発疹、舌にイチゴのようなブツブツができる「イチゴ舌」などの症状が現れます。
溶連菌感染症は1年中見られる感染症ですが、「春~初夏」「秋~冬」の年2回、流行のピークがあります。とくに、2015年の春から夏にかけては感染者数が過去10年で最多を記録するほどの大流行となりました。溶連菌感染症は子どもだけでなく、大人もかかります。大人の場合、のどの痛みを伴う風邪のような症状のため、知らず知らずのうちに子どもにうつしているかもしれません。

溶連菌感染症と診断されたら、薬をしっかり飲みきることが大切

溶連菌感染症は、風邪のようにホームケアだけではなかなか治りません。疑わしい症状があれば、かかりつけ医を受診しましょう。医療機関によっては、のどの粘液をぬぐい取って調べるキットを使い短時間で診断することができます。
溶連菌感染症に感染していると診断された場合は、抗生物質を使ってしっかり溶連菌を退治していきます。抗生物質は7〜10日間分程度処方され、1〜2日で解熱しますが、自己判断で服用をやめないことがポイントです。溶連菌が体内に残っていると、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こす可能性があります。体内から溶連菌を完全に追い出すためにも、薬は指示通りに最後まで飲みましょう。爪と皮膚の間から皮がむける症状は、回復している証拠なので問題ありません。ただし、2〜3週間後に、元気がない、顔がむくむ、血尿などの症状が出た場合は、医師の指示に従って尿検査などを受けてください。

依然として患者報告が続く風疹

2012年から2013年にかけて、20?40代の男性を中心に全国で大流行し、2015年に入っても患者報告が続いている感染症が風疹です。MR(麻疹・風疹混合)ワクチンの定期予防接種導入によって、子どもがかかる割合は減少しましたが、予防接種を受けていない人を中心に流行しています。1歳になったらすぐにMRワクチンを接種しましょう。
風疹は、風疹ウイルスを持つ人の咳やくしゃみを吸い込むことによる飛沫感染が主な感染経路です。2?3週間の潜伏期間の後、発熱と赤い発疹、首や耳の下のリンパ節の腫れが現れます。子どもの場合、安静に過ごしていれば2?3日で治るので「三日ばしか」と呼ばれてきました。ただし、大人がかかった場合、重症化することが多く、血小板減少性紫斑病などを合併して入院する例も見られます。

赤ちゃんへの感染を防ぐため、大人もMRワクチンの接種を

最も気をつけなくてはならないのは、風疹の母子感染「先天性風疹症候群」です。風疹の抗体を持っていない妊婦が妊娠初期に感染すると、高確率で赤ちゃんに白内障や難聴、先天性心疾患といった重い障がいが現れます。風疹ウイルスの感染力は、インフルエンザの5倍と強力。最も有効な予防は風疹ワクチンまたはMRワクチンの接種ですが、妊婦は受けることができないため、妊娠前の対策が重要です。なかでも1962年度?1989年度生まれ(特に1979年以前生まれはワクチン0回!)の男性、1979年度?1989年度生まれの女性は予防接種を受けていない割合が高いので要注意。きょうだいを考えているファミリーで予防接種を受けているかわからない場合、または風疹にかかったことが確実でない場合は、生涯2回のMRワクチン接種をおすすめします。なお、ワクチン接種後は約2カ月間の避妊が必要となります。

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