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~ 「創造力」は「想像力」から!積み木で磨かれる子どもの感性~

子どもの「創造力」を育んであげたいという親心を抱く人は多い一方で、発達に合わせてどのような遊び方をするのがいいのか、むやみにおもちゃを与えてもダメなんじゃないか…と悩む人も多いと思います。今回、「創造力」を育む遊びについて、もっともシンプルな考え方をご紹介したいと思います。一般社団法人日本知育玩具協会理事長、「木のおもちゃと絵本の専門店カルテット」の藤田篤さんにうかがいました。

画家が絵を描くのと同じ過程を、積み木で体験できます

さまざまな新しいものを生み出していく「創造力」は、「想像力」の豊かさによって決定付けられます。子どもたちは頭の中で想像し、イメージしたものをときには形作り、ときには表現していく。この「想像力」が豊かな子どもは、自ずと創造力豊かに育ってゆくのです。
画家が絵の練習をする様子をどうぞ思い浮かべてみてください。画家の向こうには、風景が広がり、画家の手元には画材とキャンバスがあります。
子どもたちの「想像力」を育てるには、豊富な題材(風景)と、それを表現するための道具(画材)が必要です。そして繰り返し作品(習作)を作り出すことで豊かな「想像力」が育まれていきます。
ドイツ人の教育学者フレーベルは、その道具として、画材の代わりに積み木を子どもたちに与えました。同じ大きさ、同じ形、そして作っては壊し、箱にしまい、翌日にはまた新しい作品を作る。画家が練習を繰り返して思い通りの絵を描けるようになるのと同じ過程を、積み木で経験させようとしたのです。これこそが、遊びを通して想像力を育てるプロセスです。

質の高い積み木は、子どもの才能を無限に伸ばしてくれます

よい積み木の条件は、基尺(基本となる寸法)が整っていること。基尺が4センチなら、すべての辺が4の1/2=2センチから始まりその整数倍であること。例えば2本の柱を並べて立てていったとします。同じ基尺同士なので、その2本の柱は、「ほぼ」ではなく「ぴったり」同じ高さに並びます。そうすると子どもは、まるで小さな建築家のように、積み木を信頼し、イメージどおりの形を作っていくのです。
またひとつひとつの積み木が正確であることも大切です。世界的に有名なスイスのネフ社の積み木も、ドイツのデュシマ社の積木も、天井まで重ねていっても崩れないほどです。
なぜ、そこまでの品質が必要なのかというと、子どもたちの能力がそれほどまでの力だからです。10ピースしか重ねられないほど雑なつくりの積み木では、子どもの想像力は10ピース分までで伸び止まってしまいます。子どもの能力は繰り返し遊ぶことで無限に伸びていくものなのです。

適切な積み木の与え方と、積み木遊びの材料づくり

積み木も発達に応じた与え方があります。少ない量からたくさんの量ヘ。大きいピースから小さいピースへ。「未熟から熟練へ」という成長の方向性に沿って与えてあげることが大切です。最初は大人が遊んだり、手伝ったりしてあげましょう。作品を子どもが「自慢」したら、認め、ほめてあげましょう。片付けは大人が率先して助けてあげることも大切です。
ところで積み木遊びの材料はなんでしょうか? それは「ファンタジー」=「空想」です。子どもたちは日々視覚を通してその材料を集めています。だから積み木遊びのテーマは「日常」と「お出かけ」が多いのです。
もう一つ、欠かせない材料が絵本です。子どもは大人が読んでくれる声を聞きながら、自分が楽しめる(=理解し咀嚼する)ペースで心に吸収し、蓄えていきます。これが空想し、積み木で表現する材料になるのです。そして、積み木遊びを繰り返し習慣化している子どもは、生活の中の視覚的感覚が鋭くなります。生活のすべての経験が遊びの材料になるからです。
感性の豊かさ、想像力はこのように育てることができます。そして想像力が豊かな子どもには創造力が育っていくのです。

子どもの発見を共に喜んであげることが大切です

藤田 篤

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