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PREMIST Life
~ ウソは学ぶもの、ではどこで誰から学ぶの? ~

子どものウソが気になり始める幼少期は、圧倒的に親の影響力が強い時期でもあります。「子は親の鏡」とよく言われますが、正直な子育ては正直な親から。今回は、気づかぬうちに、子どもにウソと思われてしまっている親の行動についてお伝えしていきます。

親がウソを教えてしまっているってホント?

「子どもにウソはついてほしくない」「もしウソをついたらショック…」親ならだれもがこう思うもの。しかし、親自らそのラインを冒してしまっていることがあります。それも意識せずに、しかも頻繁に……。
 
例えば、こんな言葉、口にしたことはありませんか?
● 「お片づけができないのなら、おもちゃを全部捨てちゃうからね」
● 「歯磨きをちゃんとしないのなら、もうおやつはずっとなし!」
● 「宿題が終わらなければ、遊園地には連れていかないよ」
● 「言うことを聞かない子は、もううちの子じゃないよ」
 
「あるある」と思われた方も多いのではないでしょうか? その後、どんなリアクションをしましたか?
 
● 「全部捨てると言ったけど、もったいなくて本当に捨てることなんてできない」
● 「おやつ抜きだなんて言ったものの、そういう訳にもいかないのよね……」
● 「結局、宿題は終わらなかったけれど、遊園地へ。元々予定していたものだったし……」
● 「もううちの子じゃないだなんて言ったけれど、そんなことできるはずない!」
 
このように、言ったにもかかわらず、実際には行動に起こさなかったのではないでしょうか? それを見た子どもはどう思うでしょう?
 
● 「あ、ママ、言ったことと違うことをしている」
● 「パパは○○するって言ったけれど、本当にするわけではないんだ」
● 「パパとママは言うこととやることが違う」
 
そうです。親の言葉は、“真実ではない”と思うようになってしまうのです。言葉の裏の意味をまだ理解できない子どもにとって、表面的に見れば、それはウソに映るのですね。しかも、それらは子どもたちにとってはありがたいウソ。なぜなら、言うことを聞かなくても、おもちゃを捨てられるわけでもないし、遊園地にも連れて行ってもらえるのですから!

大げさに言っても実行しなければ効果はない

親がなぜこのような発言をするかというと、大げさに言った方が、子どもが言うことを聞くだろうと思うからです。「全部捨てちゃうよ」と言えば、子どもがびっくりして片づけるだろうと思うのです。しかし、実際に捨てなければ、子どもには響きません。それどころか、先述したように、「ラッキー」と思われ、いくら言っても言うことを聞かないという負のスパイラルに陥るのがオチ。良いことはまったくありません。
しかも、子どもは真似の達人です。年齢が小さければ小さいほど、親がやっていることを真似する傾向があります。親が「言ったけれど、やらない」を繰り返すと、次第に子どももそれを真似るようになり、空返事をしたり、その場を取り繕ったりというタイプのウソを生み出す結果に!
ではどうすればいいのでしょうか?
親は、実現可能なことだけを発言するに限ります。
 
● 「絶対に何も買ってあげない」 ● 「もうどこにも連れて行ってあげない」
 
のような、非現実的な発言はNGにし、
 
● 「明日のお買い物ではお菓子は買わないよ」
● 「明日の朝の公園は連れて行かないよ」
 
のように、実現可能な表現できちんと実行するのがベストです。 すると子どもは、「ママは言ったことをきちんと守る人だ」「パパの言うことは聞いた方がいい」と親への信頼度を高めていきます。さらには、言うことも聞くようになるというおまけまでついてくるのです。「できることだけ言う」「できないことは言わない」というシンプルなルールで、親自ら子どもをウソから守り、良好な信頼関係を築いていきましょう。

佐藤 めぐみ

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