大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

企業情報

ニュースリリース一覧

大和ハウス工業トップ

企業情報


平成18年7月21日

報道関係各位

軽量鉄骨造 戸建住宅の新工法を開発
民間企業として初めて「E-ディフェンス」を使用し、
耐震および制震住宅の2棟同時実大震動実験を実施しました

イメージ画像

 大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:村上健治)は、平成18年6月22日から29日の8日間にわたり、「独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター」内の、世界最大を誇る実大三次元震動破壊実験施設(愛称:E-ディフェンス)において、当社が新たに開発した工法で建築した耐震および制震戸建住宅の2棟について同時に実大震動実験を行い、多くの性能値(応答加速度・応答変位など)で業界一位(当社調べ)の成果を得ました。
 なお、民間企業が同施設を用いて震動実験を行うのは初めてとなります。


1.実験の背景

 当社では、個々の柱や耐力壁の強度を30%増した(当社比)、軽量鉄骨造 戸建住宅の新工法を開発(※)しました。これにより、従来の当社戸建住宅と同等の耐震性能を保ちながら、耐力壁の数を減らすことができ、また柱の位置についても自由度が増したため、大空間、大開口部を採用した住宅を実現できるようになりました。
 この新工法を実用化するにあたり、理論上のみならず、実際の耐震性能について実証すべく、実大震動実験を行いました。
 また、併せて新工法に対応する制震装置を搭載した住宅についても検証を行うため、2棟同時に実験を行うことになりました。

※新工法の詳細につきましては、同工法を採用する新商品の公表時(本年9月頃を予定)に併せて発表します。


2.実験の目的

(1) 耐震住宅は、繰り返し起こる余震に対しても構造躯体には影響がないことを確認
 新潟県中越地震では、本震発生後1ヶ月の間に、震度4以上の余震が57回もありました。そこで、新工法について、この回数の地震に際しても、内外装に損傷が発生しないことを確認し、さらに安全率を見込んだ回数の振動を与えても、構造躯体には影響がないことを確認する必要がありました。また、地面の揺れの大きさに対する住宅各部位(1階床面、2階床面、軒桁)での揺れの大きさ(応答加速度※1、応答変位※2)についても測定しました。

(2) 制震住宅は、耐震住宅より地震時の応答変位を大きく減少させることを確認
 上記繰り返し回数の余震を受けても、理論上、制震住宅は耐震住宅より、2階床での応答変位が2割減~半減するとの解析結果を得て、実大実験により確認しました。


※1 応答加速度:建物が地震を受けた際、建物の各部が揺れる激しさの程度。
※2 応答変位:建物が地震を受けた際、建物の各部が揺れる揺れ幅。

3.実験の概要

(1) 場 所
独立行政法人防災科学技術研究所
兵庫耐震工学研究センター内 
実大三次元震動破壊実験施設(愛称)E-ディフェンス (兵庫県三木市) ※震動台の広さ20m×15m、実大の戸建住宅2棟を載せ、阪神・淡路大震災記録波の約2倍程度の加震が可能な、世界最大の震動装置

(2) 期 間
平成18年6月22日~29日

(3) 対 象
新工法による、耐震住宅と制震住宅の2棟

(3) 内 容
巨大地震動を含む合計85回の繰り返し加振を実施
  1. 巨大地震動(震度6強から震度7)を18回
    阪神・淡路大震災記録波およびその加速度の約2倍※、新潟県中越地震の小千谷波など)
    ※E-ディフェンスの最大能力相当
  2. 大地震動(震度5強から震度6弱)を33回
    (今後発生すると想定される東海地震,南海地震,宮城県沖地震など)
  3. 中地震動(震度4から震度5弱)を34回

4.実験の成果

(1) 巨大地震動を含む繰り返し加振に対し、耐震および制震住宅ともに構造躯体、内外装に大きな損傷は生じることがなく、多くの性能値(応答加速度・応答変位など)で業界一位(当社調べ)の成果を得ました。
例えば阪神・淡路大震災の記録波形(原波レベルの入力)に対して
  1. 耐震住宅の応答変位(1層目):13mm程度
  2. 制震住宅の応答変位(1層目): 7mm程度
    という結果でした。

    ※その他の実験結果については現在正確な値を解析中です。

(2) 特に制震住宅では、繰り返し巨大地震動に対して制震部材が地震エネルギーを吸収することで、構造躯体にダメージを与えず、内外装への損傷を大幅に減少させる効果が確認されました。なお、制震住宅の変形量は耐震住宅の約半分でした。
両住宅の実験終了時点(85回加振後)における損傷の程度は,以下の通りです。
  耐震住宅 制震住宅
構造躯体 大きな損傷なし 損傷なし
外装 ほとんど損傷なし 損傷なし
内装 一部補修可能な軽微な損傷あり ほとんど損傷なし

※実験の成果については、今回の実験条件での結果であり、すべての物件に当てはまるとはかぎりません。

以上


このページの先頭へ