土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.199
  • 不動産市況を読み解く

2017年地価公示を読み解く

公開日:2017/04/14

住宅地9年ぶりのプラス

今年の地価公示では、9年ぶりに住宅地(全国)がわずかながらプラスになったことがメディアで大きく報じられました。
3大都市圏では2014年以降からプラスになっていましたが(大阪の2014年はわずかにマイナス)、全国の算出でのプラスは不動産市況の盛り上がりをうかがえます。大都市だけでなく、地方中核都市でも市況は活況のようです。
また、住宅地においては、全国の約18,000の地点で、上昇と下落の数を比較すると、下落地点が多いことから、価格上昇と下落の二極化が進んでいることが鮮明となっています。
住宅地がプラスになった背景としては、やはりマイナス金利政策の影響による住宅ローンの低金利、そして住宅ローン減税が効いているようです。
さらには、低金利投資資金の行先として大都市部の賃貸住宅建設投資にお金が流れ、住宅投資が活況になっていることなどが住宅地地価上昇につながっているようです。
一方、商業地(全国)は、2年連続でプラス。昨年よりも上昇率は高く、プラス1.4%(前年は0.9%)となりました。商業地においては、3大都市の上昇もさることながら、地方大都市の上昇が目立ちました。

3大都市圏では東京の好調ぶりが目立つ

地価公示の増減率(住宅地)

国土交通省「地価公示」より作成

上図は、2006年から今年までの3大都市圏(住宅地)における、前年増減率を示したものです(実数ではないのでご注意ください)。
これを見るとわかるように、3大都市圏のうち、大阪はギリギリのプラスで、名古屋は昨年まで大きな上昇率でしたが、ここにきてブレーキがかかっています。一方、東京エリアの上昇率は引き続き好調なことがわかります。

地価公示の「地価」はどうやって算出されるのか

地価公示については、毎年「土地活用ラボ」で報告しておりますので、昨年や一昨年の連載も併せてお読みになると、理解が深まるものと思います。
では、そもそも、どうやって地価公示の地価は算定されているのでしょうか。
毎年3月下旬に発表されるこの地価は、「地価公示法」という法律に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が標準地を選定し、その土地の1月1日時点の更地状態での評価額を算出します。
更地での評価を行うのは、建物の古さの違いや建築費用の違いといったいろいろな特徴が反映された価格は、それぞれの比較がとても複雑で難しくなるため、土地の本来の価値を示すために、建物が建っている現在の土地ではなく、更地としての評価をしているのです。
また、実際の評価を行うのは、委託を受けた不動産鑑定士です。
「1地点について不動産の鑑定評価の専門家である2人の不動産鑑定士が各々別々に現地を調査し、最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して評価を行います。さらに、地点間や地域間のバランスなどを検討し、国土交通省の土地鑑定委員会が公示価格を決定しています」と国土交通省のHPにも記載があります。
こうしたことも豆知識として知っておくといいと思います。

来年以降はどうなる?

1年後の2018年はどうなっているのでしょうか?動きが速いため、正確な予測はできませんが、わずかな上昇か横ばいが大筋の予想で、間違っても大きな下落はないと思われます。

少し長いスパンで予想してみます。
バブル崩壊以降の日本の不動産市況は、概ね7~8年周期での不動産市況の変化が見られます。このサイクルが続くとすると、東京五輪の前年(2019年)ごろからは好況期が続き、その7年後の2026年(リニア東京⇔名古屋開通の前年)は再びの活況が予測されます。

土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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