土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.222-1
  • 不動産市況を読み解く

特集:中小企業の為の不動産戦略~基礎編 第1回目~ なぜ、不動産を所有する企業が増えているのか?

公開日:2017/10/26

CRE戦略は、大企業だけに必要なものなのか?

中小企業における不動産戦略について、基本的な事から具体的な戦術までを考えるシリーズです。
中小企業にとってのCRE戦略は、ビルや工場等を所有する大企業の行うCRE戦略と大きく異なります。

国土交通省等の行政機関がまとめているレポートやシンクタンクが発信しているレポートなども、その論拠となる実態調査に協力してもらえる企業のほとんどが大企業であるため、どうしても実態の把握(現状分析)から提言に至るまで、その内容は一定以上の規模の企業に相応したものになっています。たいていのCRE関連の書籍やコラム、レポートなどは、こうしたものがベースにあるため、基本的にその内容は大企業をイメージして書かれています。

しかしながら、日本の企業の90%以上は中小企業であり、「企業と不動産の関わり」について真剣に考えないといけないのは、大企業も中小企業も同じです。
この連載では、こうした実態を踏まえて、中小企業をイメージしたCRE戦略について述べて参ります。

企業の不動産戦略を考えるときに大事な事は、不動産を不動産単独で考えないということです。具体的には、経営戦略の一環としての不動産戦略であり、財務戦略の一環としての不動産戦略でなければならないという事です。

経営戦略×財務戦略×不動産戦略

中小企業における資産線引きの曖昧さ

中小企業の場合、経営者(創業者)の資産と会社の資産の線引きがあいまいなことが多く、これは銀行から融資を受ける際に担保、個人保証等の事からこうした曖昧な状況が生まれていることが多いのだと推測されます。
こうした点を考えると、中小企業の不動産戦略を上手く行うことは、会社と経営者の資産の線引きが明確になり、その先にある事業承継が行われる際にも、有効な手段になりうるということになります。

増える土地を所有する法人数

土地所有法人数の推移

国土交通省「平成25年法人土地・建物基本調査」より作成

上図は、国土交通省が平成25年(2013年)に公表した、土地を保有する法人の数の推移です。 これをみると、平成15年(2003年)から平成20年(2008年)にかけては、法人数が減っています。
当時「持たざる経営」がもてはやされた時代で、大企業中心に社宅を売却したり、稼働率の低い向上を閉鎖したり、あるいは工場を郊外に集約移転したり、さらには「使っていない土地」を売却したりして、所有する不動産の集約化が進み、コアビジネスに集中する傾向にありました。
しかし、近年では、図表でもわかるように、社宅保有の傾向が復活したり、企業が不動産投資を行ったりすることも増えてきました。

中小企業においても、遊休土地を売却するという選択を取らず、そこに例えば賃貸住宅を建てて、賃料収入を得ることで、安定した収入を増やすという方針の企業も増えてきました。
このように、現在では「持たざる経営から、稼ぐ不動産を持つ経営」への転換事例も増えてきました。

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土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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