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コラム vol.222-4
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特集:中小企業の為の不動産戦略~基礎編 第4回目~ 最新データで見る、法人所有の土地はどれくらい使われていないのか?

公開日:2017/11/30

法人所有土地の未利用率

第3回の冒頭では、日本の不動産資産の総額とそのうち法人が所有する不動産資産の総額について述べました。平成27年度の日本の不動産資産の内、資産額に換算して約17%の不動産を法人が所有しています。

それでは、これら法人が所有する不動産はどのくらい使われているのでしょうか?
何度か述べていますように2000年代に入り、企業は、コアビジネスで活用していない所有する土地・不動産は売却する傾向にありました。こうした動きを示す「オフバランス化」「持たざる経営」という言葉がクローズアップされました。
しかし、最近では再び「持つ経営」の傾向になってきました。大手企業の資産売却で、多くの実例が見られた「社宅」ですが、ここに来て商社やメーカーが再び社宅を建て始めています。

それでは、これら法人が所有する不動産はどのくらい使われているのでしょうか?
何度か述べていますように2000年代に入り、企業は、コアビジネスで活用していない所有する土地・不動産は売却する傾向にありました。こうした動きを示す「オフバランス化」「持たざる経営」という言葉がクローズアップされました。
しかし、最近では再び「持つ経営」の傾向になってきました。大手企業の資産売却で、多くの実例が見られた「社宅」ですが、ここに来て商社やメーカーが再び社宅を建て始めています。

法人の未利用地の状況(土地所在地(圏域区分)別)

  総面積(万m²) 未利用地(万m²) 未利用地の割合(%)
全国 1,012,206 61,108 6.0
三大都市圏計 164,426 10,324 6.3
┝ 東京圏 64,317 3,772 5.9
┝ 名古屋圏 50,309 3,249 5.9
┕ 大阪圏 49,801 3,303 6.6
地方圏 840,132 50,610 6.0
不明 7,585 168 2.2

国土交通省「平成28年土地動態調査」より作成

上図は、法人が所有する土地の内、どれくらいが使われていないかを示したものです。

全国の法人所有の土地で61,108万m²という膨大な土地が未利用のままです。これは法人が所有する土地の約6%にあたります。
地方都市や郊外には広大な土地を持つ企業は多いです。また地方都市では売上規模の大きくない中小企業等も土地単価が安いことから土地を持つことも多いため、こうした地方都市にある土地が使われていないのではないかと思われる方も多いと思います。もちろん、法人が所有する土地の総面積では、圧倒的に地方圏(三大都市圏以外)が多く(約85%)、未利用地の総面積の83%は地方圏にあります。

しかし、大都市圏内においても、企業の所有する未利用の土地は全国平均に近い割合で存在します。
東京・大阪・名古屋の三大都市圏合計では6.3%。最も地価が高く、不動産ニーズの高い東京でさえも、5.9%が使われていません。なんと、3,772万m²にも及ぶ土地が使われていないのです。これは、東京ドームに換算すると、807個分に相当する膨大な広さになります。

三大都市圏における法人の未利用地の多さは、高度利用が求められている都市部においては大きな問題と言えるでしょう。この問題は、かねてから指摘されており、冒頭に述べたオフバランス化がもてはやされた時代にだいぶん改善されましたが、それでもまだ6%前後の未利用地があるのです。

大都市にある法人が所有する土地を活かして使うことは、企業の収益性の観点だけでなく、土地(不動産)は社会資本ですから、社会貢献につながるとも言えます。現在、徐々にこうした視点が広まってきていますが、一層の変革が求められることと思います。

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