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コラム vol.239-1
  • 賃貸住宅経営のポイント

特集:旧耐震賃貸住宅物件のこれから第1回 日本にはどれくらいの旧耐震賃貸住宅があるのか?

公開日:2018/04/27

今月から6回にわたり、「旧耐震賃貸住宅のこれからと対処法」というテーマで、旧耐震建築基準法下で建築された賃貸住宅の実態と、その対処法について検討してみたいと思います。

旧耐震基準とは何か?

まず、旧耐震基準とはどんなものでしょうか?
現行の建築基準法は1981年に改正されて、より耐震レベルの高い基準をクリアすることがそれ以降の建築物に求められるようになりました。この改正により震度6強以上の地震に耐えうる建物が求められるようになりました。これ以前の規準により建てられたものは旧耐震物件といわれています。改正のきっかけとなったのは、1978年に起こった宮城県沖地震等、複数の大きな地震が起こったことです。

旧耐震賃貸住宅はどれくらいあるのか?

では、旧耐震基準下に建てられた賃貸住宅は、どのくらいあるのでしょうか?
賃貸用に建てられた住宅は全国に約1851万戸あるとされており、その内1980年以前に建てられたものが約386万戸(不詳を含める)、約21%が旧耐震建築基準法時代に建てられたものです(総務省統計局、住宅・土地統計調査 平成25年)。
行政機関は、こうした現状を踏まえて、耐震補強工事の促進のために、一部補助金を支給したり、喚起を促したりしています。しかし、一般的な賃貸住宅では、こうした動きはまだまだ少ないようです。

旧耐震賃貸住宅が多いのはどの県か?

では、都道府県別でみると、どの県が多いのでしょうか?
以前の連載でこの事は書きましたが、賃貸住宅全体に占める旧耐震賃貸住宅の割合が高いエリアは、圧倒的に西日本エリアとなっており、上位は1位和歌山県、2位奈良県、3位徳島県、4位大阪府・・以下17位に青森県が登場しますが、16位までは西日本エリアです。
旧耐震賃貸住宅の占める割合の全国平均は20.9%、つまり5棟に1棟は、旧耐震基準下の物件となっています。最も多い和歌山県では30%もの賃貸住宅が旧耐震基準時代に建てられたものとなっています。ちなみに、最も少ないのは栃木県で13%とかなり低い数字です。

街の整理整頓が進む 大都市部

近年、東京・大阪・名古屋・福岡といった大都市部では、再開発が進んでいます。その勢いは、ここに来て地方大都市にも広がっています。駅前がどんどんきれいになって、オフィスビルと商業施設などが入る複合施設が増えました。また、地方都市の主要駅前の開発では、タワーマンションが、一気に増えました。このように、主要駅周辺の整備は進んでいます。
また、東京の中心部~郊外では、古い住宅、古い賃貸住宅がどんどん高値で売却されて、周辺との一体開発が行われたり、新しいマンションに生まれ変わったりしており、現在空前の「街の整理整頓」が進んでいます。このような背景により、かつては古い賃貸住宅が多かった東京では、今や全国平均をやや下回わる割合になりました。先ほど示した、2013年のものですが、この総務省データは、5年に1度の頻度でしか公表されません、ので、最新のデータとなります。次回は今年(2018年)ですが、おそらくこの5年で東京都下の古い賃貸住宅は相当数売却された、もしくは建て替えられたと思いますので、この割合は大きく減ると思います。

建て替えすべきか?悩ましい問題

しかし、都市の郊外や地方都市では、こうした動きはあまりないようです。
賃貸住宅の家賃は築年数が経過すると、徐々に落ち込みます。また、空室の確率も上がっていきます。
都心の超一等地なら別ですが、築40年を超える物件の競争力はかなり低いと思われます。
旧耐震賃貸住宅の場合、例え、リフォームや大規模なリノベーションを行っても、入居者募集の際には築年数は公表していますので、競争力の大きな回復にはつながりません。

こうした物件を所有する場合、建て替えるべきか、あるいは現在のように大都市はもちろん地方都市でも市況の良い時期に高値で売却するか?など悩ましい問題です。
残債があるか?どれくらいの賃料貯蓄があるか?何歳か?など、オーナーの方々の置かれている状況は異なるため、解答は1つではありません。まずは、賃貸住宅の建築企業、あるいは管理会社の方に相談されるといいと思います。

次回は、「なぜ、建て替えが進まないのか」 を賃貸住宅経営の観点から考えてみたいと思います。

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