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コラム vol.329
  • 不動産市況を読み解く

コロナ禍において賃貸住宅ローン金利はどう変化したか、またこれからどうなりそうか?

公開日:2020/06/25

POINT!

・新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ日経平均株価やJ-REIT指数は、2020年6月現在、以前の水準まで回復している

・住宅・賃貸住宅ローン金利が大きく上昇する可能性はほぼない

(このコラムは、2020年6月10日に執筆されたものです)
日本では2月下旬から新型コロナウイルス感染症による経済への影響が本格的に表れてきましたが、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

金融市場はコロナウイルスショック以前の水準に

株価は、2020年2月20日ごろから値下がりはじめ、3月18日に日経平均が16,000円台になりました。3月19日に16,552円で底を打ち、その後回復して6月10日現在では23,000円台と1月~2月の水準にまで回復しました。また、米国株式では、NASDAQ総合指数が史上最高水準となっています。
不動産証券化商品であるJ-REITは、2月25日ごろをピークに下落しはじめ、J-REIT指数は日経平均と同じく3月19日にピーク時の約半分になりました。その後回復し、6月10日現在では、ピーク時の約8割まで戻しています。また、アメリカの代表的な住宅価格指数であるケースシラー指数の直近の数字を見ても、数か月前の水準に回復しています。

このように、金融市場は、おおむねコロナウイルスショック以前の水準に戻っているようです。企業業績の回復にはもう少し時間がかかりそうですが、大手企業を含め多くの会社で営業活動を再開し始めていますので、徐々に業績も回復してくるものと思われます。

賃貸住宅ローンの状況

個人住宅や賃貸住宅の借入金利の動きの目安となる、10年物日本国債の動きを見てみると、2019年9月ごろに-0.25~-0.3%とかなりの低水準でした。その後日本国債10年物の金利は上昇し、年末年始頃は0%前後で推移しました。そして2020年3月ころからコロナウイルスの影響が出始めると、一時-0.2%に再び大きく下げ、4月には+0.1%と大きく乱高下しました。そして、以降マイナス金利状態ではなく、プラス圏で推移しています。
そのため、賃貸住宅ローン・住宅ローン金利は、依然史上最低水準の低さですが、数か月前に比べて上昇しています。

図1:賃貸住宅融資金利の推移:繰上返済制限制度無、35年固定

住宅金融支援機構ホームページ資料より作成

図1は、2019年7月から2020年6月までの1年間の住宅金融支援機構の賃貸住宅融資金利の推移を示しています。2019年から1.5%前後が続いていたローン金利は、2020年4月以降は少し上昇し、1.75%前後の水準になっています。

2016年初めに打ち出したマイナス金利政策以降、日銀は日本国債の買い入れを強化しました。そのため、2016年2月以降の日本国債10年物の金利は、高くてもプラス0.15%前後であり、ここ最近も0.00%~0.05%の範囲内で推移しています。国債専門のエコノミストの見解では多くの方が、2020年は高くても0.05%としています。日銀は、コロナショック後の経済立て直しに向けて、株式(ETFやREIT)の買い入れにより下支えを行うことと、さらなる金融緩和政策を行うと発表しています。こうした日銀の金融政策を考えると、直近のローン金利の大きな上昇はないと思われます。

住宅ローン金利・賃貸住宅ローン金利の上昇の可能性

2020年に住宅・賃貸住宅ローン金利は大きな変化はなさそうですが、どのような時に金利上昇の可能性があるのでしょうか。国債金利の上昇には以下のような要因が考えられます。まずは、米国など主要国の金利上昇です。いま、米国債の金利も低くなっています。次に、国内景気の大幅回復ですが、2020年度中は、それほど大きな期待はできません。最後に、先に述べた日銀のオペレーションです。こうしてみると、しばらくローン金利が大きく上昇する可能性は、ほぼないと言っていいでしょう。

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