土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.335
  • 不動産市況を読み解く

世帯の状況から見る、今後の賃貸住宅のニーズ

公開日:2020/08/31

POINT!

・単独世帯は全世帯の約3割をしめ、そのほとんどが高齢者と若者である

・子供がいないか、巣立った夫婦のみの世帯も、1986年以降ずっと増加傾向である

国民生活基礎調査

2020年7月中旬に、厚生労働省から国民生活の基礎的事項(世帯・所得・医療など)を調査する「国民生活基礎調査」2019年分が公表されました。
この調査は毎年行われますが、1986年からはこの年を起点として3年ごとに大規模調査が行われています(その間の各年は簡易な調査を実施。なお、2020年は新型コロナウイルスの影響により中止になっています)。今回発表された2019年分は、12回目の大規模調査に当たります。世帯の調査には、5年ごとに実施の総務省による国勢調査もありますが、今回は「国民生活基礎調査」で、世帯の構成割合の推移を分析し、今後どのような住宅・賃貸住宅ニーズが増えそうかを予測してみます。

単独世帯が多い都道府県の特徴

日本において、単独世帯(1人暮らし)は、増え続けています。今回の調査で最も多い世帯構造は単独世帯で、1490.7万世帯。全世帯の28.8%を占め、過去最高となりました。
都道府県別では、最も単独世帯が多いのは北海道で、高知、鹿児島、東京、大阪といった都府県が多い地域となっています。こうみると、人口減少が進んで高齢者が多くなっている道県と外からの流入の多い大都市圏に単独世帯が多いことが分かります。
単独世帯の多くは、65歳以上の高齢者の層と20代30代の世代です。いうまでもありませんが、世帯と「住まい」は密接に関係しています。高齢者単独世帯は、持ち家(かつて家族で過ごした家)、もしくは「サ高住」などの施設に住み、若年単独世帯の多くは賃貸住宅に暮らしています。

増え続ける高齢者単独世帯

厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によれば、65歳以上の方がいる世帯は2558.4万世帯で、全体の49.4%と約半数を占めています。1986 年の同調査では976.9万世帯(26%)でしたので、この35 年で、実数で約2.6 倍、割合では約1.9 倍にまで高齢世帯が大きく増えたことが分かります。
65歳以上の世帯のうち、単独世帯は736.9万世帯。1986年の128.1万世帯から5.8倍と、驚きの増え方をしています。性別の内訳は、男性単独世帯が35%、女性の単独世帯が65%で、男女の平均寿命の差が如実に表れています。
このように、日本各地において1人で暮らす高齢者は増加する一方であり、今後この流れが加速することは間違いでしょう。あと10年もすれば高齢者単独世帯は、1000万世帯を超すのではないでしょうか。

増える夫婦のみ世帯

それでは、他のタイプの世帯はどう推移しているのでしょうか。
下図は1986年以降の世帯構造別の割合を示したものです。

(図1)世帯構造別にみた世帯数の構成割合の推移

厚生労働省「2019年他国民生活基礎調査」より作成

この図は1986年以降のデータですが、それ以前から一貫して増え続けているのが、「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」です。逆に減少し続けているのが、「3世代世帯」で、1986年は15.3%でしたが、最新値は5.1%です。3世代世帯の方は、1つの大きな住宅に住むか、2世帯住宅に住むことになります。
単独世帯と同様に、「夫婦のみ世帯」(1263.9万世帯、全体の24.4%)が増加しています。「夫婦のみの世帯」ができる要因は2つあります。一つは、一定年齢に達した子ども(たいていは高校卒業時)が親元を離れて、例えば都市部に移動して別世帯になるパターンで、地方都市によく見られます。そしてもう一つが、子供がいない世帯が増えているという要因。こちらは都市部に見られる傾向です。前者は、持ち家世帯も多いようですが、後者は賃貸住宅に暮らす方が多いようです。
また、離婚件数の増加により、「ひとり親と未婚の子のみの世帯」も増え続けています。この「ひとり親世帯」は都市部だけでなく、地方都市でも増えており、賃貸住宅に暮らすことが多いようです。

こうした世帯類型の推移を見ると、今後の住宅需要の予測ができるのではないでしょうか。

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