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前回は、子どもの食事リズムや食との関わり方、親子での食事の時間の過ごし方についてお伝えしました。では、実際に子どもが食事を始めたときには、どんなことに悩む親御さんが多いのでしょうか。その解決方法について、上田玲子先生にお伺いしました。

子どもの「好き嫌い」じつは本能的な行動のことも

子どもの食事の困りごとで多く聞かれることの一つが、食べ物の「好き嫌い」です。
一概に好き嫌いと言っても、じつは子どもの場合、本能的な理由であることも少なくありません。例えば、腐った食べ物は、酸っぱい味や刺激臭がしますよね。大人に比べて食べ物に対する経験が少ない子どもは、酸っぱい味や臭いがする食べ物を「危険な食べ物かもしれない」と本能的に感じ、口にしたがらない傾向があります。

反対に、糖が含まれる食べ物はすぐにエネルギー源になるので、炭水化物や甘いものを好んで食べるのです。これらの好き嫌いは、成長するにつれてなくなっていくことがほとんどなので、無理強いはせず、食べなくても食卓に並べ、子どもが自然と口にするタイミングを見守りましょう。

また、歯や顎が未発達な子どもは、固く食べにくいものを嫌がりやすいものです。ゴボウやニンジンなど繊維質が多く固い野菜は、細かく刻んだり、柔らかく煮込んで。肉には隠し包丁を入れて噛みやすくするなどの工夫で、子どもが食べやすいようにすると良いですね。

咀嚼や嚥下を覚えさせるポイントは、一口の量とタイミング

食べ物をなかなか飲み込まない子どもは、そもそもどのくらいの量を口に入れ、どれくらい噛んだら飲み込むのか分からないケースが多いようです。

子どもによく噛む習慣をつけさせるには、バナナや柔らかく煮たニンジン、柔らかいパンなどを噛ませて、自分にとっての一口がどれくらいの量なのか、まずは子どもに覚えさせましょう。スプーンにのせた食べ物は、親が口の中に入れてあげるのではなく、自ら上唇でこすり取らせるようにして食べさせます。さらに、一口量を知るためには、手づかみ食べを充分にさせることも大切です。

そして、子どもが食べ物を20~30回ほど噛んだら、「ゴックンしてごらん?」と促してみてください。そのまま飲み込んだら、「お口の中を見せ合いっこしようか?」などと言いながら、一回で飲み込む食べ物の量やタイミングなど、子どもと楽しみながら自然と覚えさせると良いですね。

また、口の中に食べ物が入った状態のまま子どもに水やお茶などを飲ませると、食べ物を噛まずに流し込むクセがついてしまいます。飲み物は、口の中の食べ物を飲み込んでから与えるようにしましょう。

空いている時間を利用して、野菜のストックを

子どもの健やかな発育のためには、野菜や肉、魚、ご飯をバランス良く食べることが大切ですが、最近は野菜不足の子どもも多いようです。

確かに、皮を剥いたり、調理しづらかったりと、ひと手間掛かる野菜は、すぐに子どもに食事をさせたいときなど、調理するのが億劫になりがち。それなら、休日に野菜をまとめて刻んで冷凍しておき、平日は味噌汁やスープなどの汁物にサッと加えるのがおすすめです。とくに子どもは汁物が好きですから、刻んで入れることで、苦手な野菜でも食べやすくなります。

そのほか、クッキーやチョコレートなどの代わりに、サツマイモをおやつに食べさせるのも良いですね。サツマイモには食物繊維やビタミンが豊富に含まれているので、甘いお菓子を与えるよりずっと栄養があります。

野菜に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素は、抵抗力のある強い体を作るために必要不可欠なもの。普段から調理方法や食べさせ方を工夫して、子どもの健やかな成長に繋げたいですね。

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