～宮城蔵王からこんにちは～ 「　四季の雨・冬　」

　その７６「　四季の雨・冬　」

　みなさま、こんにちは。今年は例年にないほどの雪の多い冬です。冬ですから文句も言えませんけれど。ただ困ったことがひとつありました。昨年春からご紹介していた唱歌「四季の雨」の冬バージョンについて、雪は降れども冬の雨が降らないため取り上げることができず、完結できないままだったということです。個人的に気にするほどみなさまが気にしているとも思えないことですが、どうも落ち着きません。来シーズンまで引きずることは、できれば避けたいと思っておりました。
　そんな２月のある日、雨が降りました。ラストチャンスです。

　「四季の雨・冬」をお届けいたします。

　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　    　♪　聞くだに寒き　冬の雨　♪
　

　聞くだに寒きって、いかにも寒そうな表現ですね。冬の雨は、雪よりも冷たい感じがします。少々の雪降りの中を歩くのはあまり抵抗がありませんが、冬の雨は氷のような冷たいイメージがあります。冬の雨の中を歩いたら凍えてしまいそうです。こちらは温泉街の公衆浴場「神の湯」の足湯。観光客はひとりもおらず、寒々しい光景です。手すりに連なる雨のしずくが、いかにも冷たそうに見えますね。

　　　　　　　
　　　　　　　　♪　窓の小笹に　さやさやと　♪
　

　いつもの大鳥居から、エコーライン方向を眺めてみました。笹を始めとした雨に濡れた木々がうら寂しく、やはり寒々しい雰囲気です。コロナの影響により蔵王を訪れる観光客も激減しました。めったに通る車もないという現実は、寂しさに拍車をかけます。

　　　　　　　　　♪　更け行く夜半を　訪れて　♪

　我が家のウッドデッキ上には、今シーズン約４０センチの雪が積もりました。減ってきたかなと思うとまた雪が降り積もり、ウッドデッキ上から雪が消えることもなく２月を迎えていました。とても冷たく見える冬の雨ですが、それでも静かに雪を溶かしてくれているようです。夜になっても雨は降り続きました。

　　　　　　　　 ♪　聞くだに寒き　冬の雨　♪
　

　雨が降り続いた翌日の朝、外に出てみました。我が家の周囲は、うっすらとではありますが雪化粧しています。雨は、途中雪に変わったようです。
　冬将軍が、「そう簡単にいなくなると思ったら大間違いだよ。」と言ってほくそ笑んでいるようです。

　　　さて、歌詞をまとめてみましょう。
　　　　文部省唱歌「四季の雨」４番
　　　　　　　　　♪　聞くだに寒き　冬の雨
　　　　　　　　　　　窓の小笹に　さやさやと
　　　　　　　　　　　更け行く夜半を　訪れて
　　　　　　　　　　　聞くだに寒き　冬の雨　♪

　
　今回は、我ながらいかにも大急ぎでまとめてしまった感じがします。雑にまとめてしまったかもと反省しております。とにかく冬を題材にするには、２月の下旬はギリギリのタイミングでした。この時期になると、じっくり眺めてみれば寒々しく見える風景の中にも、必ずや春の兆しが見つかるはずですから。もう少しすると、桃の節句を迎えますね。さらに、東日本大震災から１０年の節目となる３．１１もやってきます。自然界はいつも、美しい四季を私達に運び届けてくれます。優しいだけではない、厳しさをも併せ持つ大自然の恵みを、またいろいろな歌に載せて、皆様とともに楽しんでいきたいなと思います。

遠刈田温泉　神の湯：当リゾート地より約１.5km
写真は令和３年２月撮影