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[第18回ダイワハウス コンペティション]審査委員より

「笑う家」

家が笑うと、どんな暮らしが展開し、どんなかたちになるでしょうか。

笑うとひと言でいっても、それは実に多様です。楽しさや嬉しさから声を出して笑うこともあれば、微笑んで親愛の情を示すことや皮肉を込めて笑うこと、緊張から開放された時に笑うこともある。さらには、俳句の春の季語に「山笑う」とあるように、山の草木が一斉に芽吹き動物たちが動き始める、華やかな山の様子を表す言葉でもあります。そして、この感情表現は他者との関わりや、自分の置かれた環境の中で生まれます。自分が笑うだけでなく、誰かを笑わせたいという思いもあるし、共に笑い合う歓びもある。このような感情をもつのは人間しかありません。では、そんな人間特有の感情を家が表現したらどんなものになるか、それが今回のテーマです。

それは、現代の複雑な社会での日々の葛藤や緊張の中で、安らぎや歓びをもたらす家といえるかもしれないし、笑うことの本質であるユーモアを体現する家かもしれません。そして、誰かが笑えばつられて笑うように、家が笑うと、周囲の人びとやそれを取り巻く環境も笑うとも想像できます。しかし、笑うという瞬間を短絡的に設計してしまうと、逆に白けてしまう場合もある。家を設計することは、それを取り囲む状況を丁寧に読み解いてかたちにすることだとすると、ではどうやって家が笑うことを表現できるでしょうか。笑うということの多義的な意味や深さをとらえて、既成概念に囚われない、この先に一歩踏み出せる家を具体的に考えてください。敷地は架空でもリアルでも自由です。戸建て1棟や、戸建ての集合、併用住宅、リノベーションなど、形式やプログラムは問いませんが、ひとつの家として必要な空間を提案してください。想像力を膨らませて、これからの可能性を押し広げる家を考えてください。

触れて触れられる家

座談会:「笑う家」を考える

「笑う家」を考える

  • ・リアリティと概念の両立
  • ・見えないものを感じる人間の可能性
  • ・笑う家
  • ・応募者に期待すること

座談風景。左から、八田氏、小堀氏、堀部氏、青木氏、平田氏。

審査委員プロフィール

審査委員長青木 淳 (あおき じゅん)

建築家 AS
東京藝術大学教授

笑いにはこんなにもいろいろな種類があって多様だということですよね。ニコっと笑うのもあれば、微笑んだり、爆笑したり、ニヒルな笑みなどもありますね。それを職業にして、極めようとしている人も大勢いる。このテーマではまず、いろいろな笑いの中でどんなものがあるのかをよく見回して考えてほしいです。その中で、その笑うことを深く考察して、家というものを重ね合わせてみる。「笑う家」というのは、家が笑っていることにも、そこに住む人が笑えるような家にも、両方の意味に取れますが、どちらかに限定しないで考えてもらいたいと思います。面白い議論が起きる提案を期待しています。

  • 1956年 神奈川県生まれ
  • 1980年 東京大学工学部建築学科卒業
  • 1982年 同大学大学院修士課程修了
  • 1983~90年 磯崎新アトリエ
  • 1991年 青木淳建築計画事務所設立
  • 2016年 東京藝術大学客員教授
  • 2019年~ 東京藝術大学教授

審査委員堀部 安嗣 (ほりべ やすし)

建築家 堀部安嗣建築設計事務所
京都芸術大学大学院教授

俳句の季語の「山笑う」のように、文学的な表現や詩的に表現することもよいですし、笑いの本質であるユーモアや皮肉る提案もあるとよいと思います。その人なりの、笑うとは何かを見せてほしいです。

  • 1967年 神奈川県生まれ
  • 1990年 筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業
  • 1991~94年 益子アトリエ
  • 1994年 堀部安嗣建築設計事務所設立
  • 2007年~ 京都芸術大学大学院教授

審査委員平田 晃久 (ひらた あきひさ)

建築家 平田晃久建築設計事務所
京都大学教授

面白いと感じたから笑う、ということだけではなく、笑いにも多くの種類がありますよね。さらに笑いはひとりではなく、複数の会話の中や、誰かのアクションを見て起こる感情でもある。つまり、ひとりで成立するのはなく、他者との関わりの中で生まれるものです。そして、笑いには哲学や歴史があるように、人間の感情の中で最も深いものではないでしょうか。私たちもこのテーマに応える提案を通して、新たな発見ができる期待があります。多様性があるテーマなので、応募者には固定観念に縛られず、考えてほしいです。

  • 1971年 大阪府生まれ
  • 1994年 京都大学工学部建築学科卒業
  • 1997年 同大学大学院工学研究科修了
  • 1997年 伊東豊雄建築設計事務所
  • 2005年 平田晃久建築設計事務所設立
  • 2015年 京都大学准教授
  • 2018年~ 京都大学教授

審査委員小堀 哲夫 (こぼり てつお)

建築家 小堀哲夫建築設計事務所
法政大学教授

私はこの議論を通して、その固定観念に囚われていたと気がついたところです(笑)。笑いには、泣き笑いや怒りの時の笑いまであります。文化や思想が違うことによっても異なることと、誰にでも通じるところがあるので、海外からの応募や西と東でどう提案が変わるのかも楽しみです。また誰しも、自分が笑って得る喜びだけでなく、皆を笑わせたいという欲もあるものです。それは先ほど挙げた「自分と自分も含めた他人」がいることを意識させます。家が笑うということは、中にいる自分も笑いたいし、家の回りの人たちも笑わせたい、というような発想も期待します。

  • 1971年 岐阜県生まれ
  • 1997年 法政大学大学院工学研究科修士課程修了
  • 1997年 久米設計
  • 2008年 小堀哲夫建築設計事務所設立
  • 2014年 法政大学デザイン工学部建築学科兼任講師
  • 2018年 名古屋工業大学非常勤講師
  • 2020年〜 法政大学デザイン工学部建築学科教授

審査委員八田 哲男 (はった てつお)

大和ハウス工業 執行役員

僕自身、笑いは生きるためのビタミン剤だと思っているので、私たち関西人としては、うってつけの考えが広がるテーマです(笑)。多様な考えを示してほしいと思います。

  • 1965年 三重県生まれ
  • 1990年 日本大学生産工学部建築工学科卒業
  • 1990年 大和ハウス工業入社
  • 現在、大和ハウス工業 執行役員 建築系商品開発担当、建築系企画開発設計部長、建築系設計推進部長、建設DX推進担当

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東京本社 技術統括本部 技術部
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ダイワハウスコンペティション事務局

TEL:03-6205-4382

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9時30分~17時30分(⽉~⾦、祝⽇は除く)


第18回ダイワハウス コンペティション