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前号:子どもの個性① 心理学から見ると明解!子どもの個性とは?
前号でお伝えした「子どもの個性の9つの側面」。それにより、「個性とは何か?」についてはお分かりいただけたと思います。しかし、「何か」は分かっても、「どう向き合うか」は、また別の話。その難しさに頭を抱えてしまいます。今号では、その悩みを解消するために、子どもの個性を客観視するためのツールを使いながら、接する際の注意点などを具体化していきます。

親が子どもの個性にうまく向き合えない理由

「子どもの個性と向き合う」実際にやろうとするとなかなかうまくいきません。何がそれを難しくしているのでしょうか?

それは「親の個性」です。子どもに個性があるように、親にも親の個性があります。それが、時に邪魔をし、子どものありのままを受け止めようとする気持ちを阻みます。
例えば、

● 粘り強さが持ち前のパパは、すぐ諦めてしまう我が子に「どうしてこれくらいで諦めるんだ!」
● アクティブで積極的なママは、引っ込み思案な我が子に「なぜすんなり教室に入っていけないの?」

こういう見方、うっかりしてしまうことはありませんか? 親自身の主観を捨て切れず、自らのレンズで子どもを見てしまうと、我が子の行動が不可解で、頭の中には「???」ばかりが並んでしまうことに……。

「その子らしさチェックシート」にトライ!

このようなときに役立つのが、次にご紹介する「その子らしさチェックシート」です。前回お伝えした「個性のもとになる9つの側面」を親子で比較できるようになっています。ぜひ実際に記入してみてください。

チェックしたら、1項目ごとに、親子比較をしてみましょう。親子とも「強い」もしくは「弱い」のように答えが同じ項目は、すんなりと子どもに共感することができます。親から見てもそれが「もっともだ」と思えるからです。しかし、もし親子で対極的な場合、例えば集中力が「ママは”続く“」のに、「子どもは”続かない“」という場合、集中力を伴う行動に出会うたびに、イライラを感じやすくなります。

これで分かるように、子どもの個性と向き合うときに、親がもっとも注意を払うべきなのは、「対極的な項目」です。「自分のレンズで子どもを見ていないか」に気を配りながら、子どもをサポートしていくことが個性と向き合うことにつながっていきます。

頑固で意地っ張りな性格も、接し方次第で強みになる!

もう1つ大事なのは、この9つの側面は、ポジティブにもネガティブにも転びうるということです。例えば、「粘り強さ」。「あきらめずに頑張れる」のはプラスの粘り強さですが、「頑固に意地を張る」のはマイナスの粘り強さです。このように、同じ項目でも、出方によって強みにも弱みにもなるのですね。

その出方の違いに関わってくるのが、親の接し方です。もし、親が、子どもの頑固さを威圧的に抑え込んでしまうと、それは「個性をつぶす」ことになってしまいます。抑圧された個性がいつか大爆発を起こすことも考えられます。

逆に、その性格に付き合って、粘り強さの良い側面を引き出してあげれば、その子の個性はポジティブな形で実っていきます。具体的には、「辛抱強くできたとき」「へこたれずにやり遂げたとき」などに、「頑張ったね。ここが○○ちゃんのすごいところだね」としっかりとほめていきます。このような形で、「頑固な性格」も親が正しい方へ引っ張っていってあげると、それはその子の強みになっていくのです。

「喜怒哀楽」も同様です。小さい頃、すぐに泣いてしまう子がいますが、それは感情表現が豊かな証拠です。子育てが大変な時期はどうしてもネガティブな場面に目が行きがちですが、喜怒哀楽は、泣くばかりではありません。笑うこともそうなのです。よく泣く子は、概して、よく笑う子だったりします。だから、その笑顔もしっかりとキャッチしてあげてください。思春期になると、「うちの子、いったい何を考えているのか……」と悩む親は多いですが、喜怒哀楽が激しい子は、表に出やすいので、親にとって分かりやすい子。いずれその気性をありがたく感じる日がやって来ます。

その子のレンズを通せば行動の理由が見えてくる!

その時は「大変だな」と思う個性も、意味があってそこに存在します。理解しがたい個性に出会ったら、意識的に親のレンズを外すようにしましょう。メガネをかけ直すシーンをイメージしてもいいと思います。子どもにいくら「パパ(ママ)は○○だった」と言っても、それはその子の心には響きません。それよりも、「この子には、こう見えるのだ」と、その子のレンズで感じてあげてください。そうすることで、行動の理由も理解しやすくなり、その子に合った対処を思いつきやすくなります。個性に上手に付き合っていけると、いつか、「あってよかった」と思える日が必ずやって来ます。

次号は、多くの親御さんを悩ませる「兄弟間の個性の違い」について。「お兄ちゃんのときは、上手くいったのに……」と悩まないためのノウハウについてお伝えしていきます。

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