大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

環境配慮型商品/事例

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大和ハウス工業 三重工場(三重県三重郡菰野町)地域の方と行う生物多様性保全活動

地域の方と行う生物多様性保全活動

大和ハウス工業三重工場では、敷地内にある調整池において2012年から年に2回、地域の皆さまとともに生き物の生態調査や、池干しなどを行っています。

1. 経緯

大和ハウス工業三重工場の敷地内には、雨水を貯めておく大きな調整池があります(約6000㎡)。調整池の水質は毎年調査しているのですが、2011年の水質調査で、水質が悪化していることが判明しました。工場の排水が流入している訳ではないので、どのようにしたら根本的な解決になるのかと考えあぐね、三重工場の浄化槽のお取引先である東産業に相談したところ、生物の保全活動に取り組まれている方がおられ、池干し(池の水を全部抜いて池底を天日で乾かす手法)を提案頂きました。そこで翌2012年に、社員60人が参加し、初の池干しを実施。このことがきっかけとなり、三重県と当社、東産業、NPOちょっと自然の4者で「みえ生物多様性パートナーシップ協定」を締結、地域の方々にもご参加いただく恒例のいきもの観察会に発展しました。

大和ハウス 三重工場/調整池

大和ハウス工業 三重工場/調整池

■大和ハウス工業 三重工場

生産商品
戸建住宅、賃貸住宅の部材製造
所在地
三重県三重郡菰野町大字竹成字高原3997番地の1
認証
ISO9001、ISO14001の認証を取得。
工場見学
「TRY家Chubu(トライエ・中部)」(予約制
ブログ
生物多様性保全活動紹介

2. 生物多様性調査(2012~)

魚道
調整池と下流の水域の間に設置された魚のための階段状の道。小さい魚でも上っていける。

2012年に初めて行った池干しでは、外来種であるフナやコイ、アメリカザリガニなどが約1000匹も見つかり、ヘドロも膝の高さまで溜まっていました。これらを除去し、池底も天日で乾かすことで水質が改善。その後の活動では魚道を設置し、年に2回、調整池とその周辺に生息する生物の調査を行い、生態系のモニタリングを実施しています。また、池干しも継続し、水質維持を図っています。

■2012年に実施した池干しの様子

ヘドロが膝までたまっていた。

外来種を大量に捕獲。

貴重種の「イシガイ」も同時に発見。

■2019年に実施したいきもの観察会の様子

NPOちょっと自然の榊枝さんと植村さんを中心に、いきもの観察会をスタート。いろんな生き物を見つけては嬉しそうにバケツに入れる子どもたち。大人も童心に返り、一生懸命生き物を探しました。「あと10分で終了です」の声に「えー!!」と残念そうな声を上げる姿に、本当に楽しんでいる様子がうかがえました。
捕まえた生き物は種類ごとに分類され、植村さんが丁寧に解説してくれました。在来種や外来種といった難しい言葉や、生態系についても学習しました。普段は虫や魚などと触れ合わない子どもたちも興味津々で聞き入っていました。

開催日
2019年10月
参加人数
大人16名/子ども16名
スケジュール
  9:30  事前説明
10:00  魚とり開始
11:00  捕獲した生き物の解説
12:00  ビオトープで虫捕り(希望者のみ)
13:00  解散

1. いきもの観察会へ出発!

2. 捕まえた生き物についてその場で質問

3. 捕獲した生き物を分類

4. 生き物の説明を熱心に聞く子どもたち

5. 生き物クイズに挑戦

6. 工場のビオトープで虫捕りも

7. 調査終了後は生き物を元の住処へ放流

いきもの観察会結果>
見つかった生き物のほとんどが在来種で、外来種はアメリカザリガニ2匹とタイワンシジミのみという結果となりました。工場の敷地内は、外来種が持ち込まれにくく、生態系が維持しやすい貴重な環境となっています。
捕まえた生き物の一部をご紹介します。

ドジョウ
口のまわりに生えたヒゲを使って泥の中から餌を探す。魚では珍しくオナラをする。

スジエビ
肉食性が強く、仲間をも襲うが、外来種の卵や生物の死骸を食べるため「水の中のお掃除屋さん」の役割もある。

コオニヤンマ(ヤゴ)
トンボの幼虫。下あごを伸ばし、離れた場所にいる虫を捕食する。

アサギマダラ
幼虫時代に毒性のある葉を食べて育ち、成虫になっても毒を体内に保有。捕食されると毒で攻撃し、吐き出させる。

3. 地域の方との協働

生物多様性調査報告書

みえ生物多様性パートナーシップ協定締結式
左から、
三重県知事 鈴木 英敬様
(株)東産業 代表取締役社長 木室 浩一様
大和ハウス工業(株)三重工場 工場長 大場 善浩
NPOちょっと自然 理事長 榊󠄀枝 正史様

当初、いきもの観察会は社員とその家族を対象に実施していましたが、地域の子どもたちにも見てもらいたいとの思いから、2015年からは近隣の小学生とその保護者の方も一緒に観察を行っています。今では募集開始から30分で定員の20組に達するほどの人気イベントになっています。
活動の記録は「生物多様性調査報告書」やパネルとしてまとめ、三重県や菰野町、三重県環境学習情報センターなどに提供し、展示していただいています。
これらの活動を続けるうちに、多様なステークホルダーの方々とつながりを持つようになり、2017年に「みえ生物多様性パートナーシップ協定」を締結し、このパートナーシップ協定の締結をきっかけに、活動拠点も広がっています。今後は工場の外にも目を向け、三重県全土の生物多様性の保全と、さらなるイベントの充実を考えています。

4. 参加者の声

子どもたちの声

  • ・魚を捕ったりしたのは初めてだったけど、たくさん捕まえたり触ったりできたのが面白かった。(小3男の子)
  • ・楽しかった、エビに触れた!(小1女の子)
  • ・カニ、ザリガニがデカかった。またやってみたい!(小3男の子)

保護者の声

  • ・いつもは怖がって逃げ回っている子どもが、自分から魚を捕まえに行っている姿に驚きました。(女性)
  • ・我が家の近所でもこういった遊びをしますが、シマエビがこんなにたくさんいることに驚きました。とてもいい経験になりました。(女性)

5. 関係者の声

ダイワハウスのような企業にこのような取り組みをしてもらえるのはとても有り難いです。生物多様性を保全するには人手も資金も必要です。三重県では生物多様性に取り組む活動団体と企業をマッチングさせ、社会全体で三重県の自然を守ることを目的に「みえ生物多様性パートナーシップ協定」を推進しています。
将来的には、パートナーシップを結んでいる団体同士で連携できないかと考えています。ダイワハウスさんには、ぜひ持続的に活動していただきたいと思っています。

三重県 農林水産部 力久 秀夫様

三重県 農林水産部
力久 秀夫様

この調整池は冬鳥が越冬する貴重な場所です。多い時には50羽ほどが越冬し、それを狙いオオタカも飛来します。活動を開始して以降は、小魚もたくさん増え、それを目当てにカワセミも見られます。
ただ、これまでは見られなかったカワウも小魚を狙ってたくさん来るようになりました。カワウは一度に食べる量がとても多いので、調整池の小魚を全部食べられてしまわないように対策を考えているところです。課題は尽きませんが、これも活動の成果だと思っています。
第三者が入りにくく自然を管理しやすいこの場所を、生物多様性保全のモデルケースにして、生物多様性保全の活動が広がればいいなと思っています。

東産業 CSV課 兼 NPOちょっと自然 理事長 榊󠄀枝 正史様

東産業 CSV課 兼 NPOちょっと自然 理事長
榊󠄀枝 正史様

以前は調整池の水質にしか関心がなく、生き物がいることすら認識がなかったのですが、水質の悪化をきっかけに、人との出会いにも恵まれ、生物多様性保全に舵を切ることになりました。今では調整池を上から「あ、○○がいるな、○○もいるな」と興味を持って見るようになりました。
この活動はリピートで来てくださる地域の方も多いので、もう一歩踏み込んだ活動にできないかと検討しています。また、相当なお金もかかるので、事業へのメリットも出るような仕組みを考え、社員が積極的に取り組む持続的な活動にしていきたいと考えています。

大和ハウス工業 三重工場品質・環境管理課 森部 剛次

大和ハウス工業 三重工場
品質・環境管理課
森部 剛次

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