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エシカルとは?〜エシカル消費の押さえておきたい4つのポイント!〜

エシカル、エシカル消費の基本的な考え方とは?

「エシカル」(ethical)とは、「倫理的な」という意味を持つ形容詞です。「倫理」と聞くと少々難解な印象があるかもしれませんが、こう言い換えてみたらどうでしょうか。エシカルとは、「法律で決まっているわけではないけれど、良識的に考えるとこうだよね?」と多くの人が考える「社会的な模範」のこと。

特に最近は、環境保全や地域・社会への考慮といったニュアンスで捉えられることが多い概念です。それを実践できる身近な行動の1つが「エシカル消費」だと言えるでしょう。

では、エシカル消費はどう定義づけできるのでしょうか。一般社団法人エシカル協会 代表理事の末吉里花さんによると「『人と社会、地球環境、地域のことを考慮して作られたモノ』を購入・消費する」ことがエシカル消費だといいます。もう一歩踏み込んで説明すると下の図のようになります。

エシカル消費の理念 人・社会 社会の悪(児童労働や労働搾取など)を助長しない 社会の善(助けを必要とする人々を支援するなど)を促進する 環境 自然環境を損なわない 自然環境が良くなる 地域 地域社会、地域経済を損なわない 地域社会、地域経済を応援する

消費者は日々の買い物を通じ、世界に影響を与えることができます。世界で起きている、さまざまな深刻な問題を「消費者として解決する」うえで、自分が与え得る影響について、しっかり考える必要があります。

エシカル消費はどんな社会問題の解決に貢献できるの?

人間は生きていくうえで、消費から逃れることはできません。衣食住という生活に不可欠な3要素だけでも、そこで消費する洋服や食料、エネルギーは決して少なくないのです。これらはいつ、どこで、誰がどうやって作ったのか――。それは、意識的に調べない限り、知らないまま日々が過ぎてしまいます。

実はこの「いつ、どこで、誰が、どうやって」を知ることが、社会問題解決の第一歩となるのです。

貧困や人権問題、気候変動といった問題が世界中で「喫緊の課題」となっています。これらは主として、先進国による大量生産、大量消費に端を発する問題なのです。先進国に暮らす人々の欲望を満たすために、途上国の社会的に立場の弱い生産者が搾取されたり、地球の再生能力よりもはるかに早く資源を使い、環境が破壊されたりしているのが現実です。

私たちが消費しているものやサービスの生産背景を知り、生産者の搾取を助長しないものを買ったり、環境負荷の低いものを買ったりするという行動を取ることは、それ自体が社会問題の解決への貢献なのです。

国連が掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)の12番目に、「つくる責任、つかう責任」があります。エシカル消費を実行に移すことは、少なくともこの半分を果たすことでもあると言えるでしょう。それだけでなく目標1(貧困をなくそう)や目標10(人や国の不平等をなくそう)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさも守ろう)といった目標をも同時にカバーできるのが、エシカル消費なのです。

持続可能な開発目標(SDGs)※一部

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大和ハウスグループのSDGs

エシカル消費の具体例は?

「フェアトレード」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。「例えば発展途上国の小規模農家が、コットンを育てているとします。それを買い手が適正で公正な値段で購入することで、農家の生活改善と自立が支援されます。

フェアトレードは農家の有機栽培移行も推奨しているので、オーガニックに切り替えることで農薬による農地のダメージや農家の健康被害も防ぐことができます」(エシカル協会)。フェアトレードとはこの「仕組み」「枠組み」を指します。

フェアトレードで生産されたオーガニックコットン製品を消費者が選ぶことがエシカル消費になるのは、消費を通じてこうした枠組みを支援することになるからです。

エシカル消費は、フェアトレードに限りません。エシカル協会では、エシカル消費を「環境消費(環境に配慮された消費)」「社会消費(人・社会に配慮された消費)」「地域消費(地域に配慮された消費)」の3つに分類しています。

環境消費とは、日頃から「人間は自然環境に頼って生きている存在だ」という意識を持ち、環境を思いやって消費することです。「グリーン購入」と呼ばれる環境に配慮した製品の購入などがその代表例と言えます。

社会消費は、フェアトレードやエシカルファッションなど、途上国などにおける児童労働などの社会問題や環境問題を引き起こすことなく生産されたモノやサービスの購入が代表的です。

地域消費は、2011年の東日本大震災以降、活発になっている「応援消費」に代表される消費の形で、「地産地消」もこのカテゴリーに入ります。それぞれの具体的な消費例は下図を参照してください。

エシカル消費の例 環境に配慮された消費 グリーン購入 自然エネルギー利用 エコマーク付き製品 オーガニック製品 車のレンタル・シェア エコホテル 省エネ、低炭素製品 動物福祉製品 国産材使用 持続可能な森林認証 持続可能な漁業認証 持続可能な鉱山から採掘された鉱物使用 人・社会に配慮された消費 フェアトレード製品 障がい者の作った製品寄付付き製品 社会的責任投資(フェアファイナンス) エシカル金融 地域に配慮された消費 地産地消(自然エネルギー等も含まれる) 地元商店での買い物 応援消費 伝統工芸

エシカル消費で変わる未来

日本のGDPのうち、個人消費は約6割を占めます(平成26年版消費者白書)。仮に、消費者が一気にエシカル消費を実行するとします。そうなったときに社会や経済に与える影響は、とても大きいものになるはずです。一人ひとりの消費者が自分たちの力の大きさを認識し、「お金を払うことを通じて、社会問題の解決に貢献しよう!」と考えて消費すれば、私たちの日常が「エシカルそのもの」になっていきます。

実際、環境保護や社会貢献機運の高まりで、世界のエシカル消費市場は拡大していると言われています。

日々の生活を振り返ってみてください。電球を替えるときに、長寿命でエネルギー効率の良いLED電球を選ぶことが増えていませんか。20年前と比べると、日本の道路にはエコカーが増えたと思いませんか。地元の農家で直接、オーガニック野菜を購入したことはありませんか。今、着ている洋服はオーガニックコットンで作られているのではありませんか――。どれも既に、「エシカルな消費行動の結果」なのです。

協力:一般社団法人エシカル協会

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