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コラム No.22

CREコラム

生産性の向上こそが成長へキーワード

公開日:2017/02/10

国土交通省が取り組む生産性革命プロジェクト

国土交通省は、人口減少や高齢化による労働力減少の中で経済成長を図るために、生産性の向上をテーマに、動き出しています。
すでに企業はこれからの少子高齢化に対応すべく、様々なイノベーションやIoT、AI、ロボット技術などの導入を含めて生産性の向上を目指していますが、これら企業の生産性向上の後方支援のために、また、単独の企業だけの努力では難しい面へのバックアップも含めて、国土交通省は生産性向上に向けて幅広い取り組みを行っています。
この取り組みは、社会のインフラそのものの見直しや、国土交通省の幅広い分野を統合するプロジェクトの推進などによって、サプライチェーン全体の生産性向上に貢献できるものとして、大きく注目されています。

具体的には、都市の渋滞解消や災害リスクの低減などに取り組む「社会のベース」、観光などを含むサービス産業などの「産業別」、そして「未来型」の三つの切り口に分けられ、現在(2017年1月現在)、20のプロジェクトが選定され、具体的に展開されようとしています。

20のプロジェクトの一例ですが、「i-Construction」として、今後懸念される担い手不足を解消するために、建設生産プロセスすべてを対象として、ICTなどの新技術の活用を推進しています。
これは、ドローンなどの無人航空機(Unmannedaerialvehicle,:UAV)を活用した3次元測量やICT建機(建設工事の生産工程において、GPSやインターネットなどの通信技術を活用した高効率・高精度の施工。さらに他行程へもデータを活用し生産性、品質の向上を図るシステム)などの技術革新によってこれまでより少ない人数、少ない工事日数で同じ工事量を実現しようという取り組みです。

また、造船の輸出拡大・海運の効率化を図る「i-Shipping」と海洋開発市場の獲得を目指し、資源の確保にもつながる「j-Ocean」という、2つのプロジェクトからなる「海事生産性革命」を推進しています。
「i-Shipping」とは、船舶の開発・建造から運航に至る全てのフェーズにICTを取り入れ、造船・海運の競争力を向上させ、建造シェアを拡大するという取り組みで、2025年には世界の建造シェア30%、売上6兆円を目指すとしています。
「j-Ocean」とは、海洋開発分野の施設等の設計、建造から操業に至るまで、幅広い分野で海事産業の技術力、生産性等の向上を図るもので、2020年代合計で海洋開発分野の売上目標4.6兆円を目指しています。
その一環として、国は平成28年度第2次補正予算による先進安全船舶・造船技術研究開発費補助事業(革新的造船技術研究開発)において、4件の技術開発に対して補助金交付を決定しました。

さらに、「物流生産性革命」として、効率化で高付加価値なスマート物流の実現を目指しています。
近年、トラックドライバーの高齢化、Eコマースや小口配送貨物の増加なども加わり、トラックの積載率が41%に低下しているともいわれ、このまま進めば、将来深刻な人手不足が生じ、物流産業全体にも大きな影響を及ぼします。
これらの課題を克服するためにも、移動時間や待ち時間のムダ、スペースのムダなどを大幅に効率化し、生産性の向上を目指し、物流関係者同士の連携や先進技術の採用(荷主協調のトラック業務改革、物流システムの国際標準化の推進など)によって、2020年度までに2割程度の生産性向上を目指しています。また、利便性も生産性も向上させる「暮らし向上物流」取り組みも行っています。

改正物流総合効率化法

また、単独の事業者だけではなく、荷主までも含めた関係者が協力し、物流全体の生産性向上、効率化、省力化が図れるように、平成28年10月には、改正物流総合効率化法を一部改正しました。

「物流分野における労働力不足、多頻度小口輸送の進展等を背景として、物流分野における省力化及び環境負荷低減を推進するため、2以上の者が連携した幅広い物流効率化の取組を支援することとしました。」(国土交通省)

これまでの効率化支援方策を「施設整備」によるものから「連携」によるものへ転換し、2以上の者の連携を前提に、支援の裾野を広げ、モーダルシフト(トラックから鉄道・船舶への輸送手段の転換)や共同配送をはじめとした多様な取組みを後押しするための改正となっています。 これによって総合効率化計画の認定申請が増加することへの期待が膨らんでいます。

参考資料:国土交通省生産性革命プロジェクト(平成29年1月発行)

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