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生活を考える

食から生きる力を育む
食育キッチン【後編】vol.2 食育研究家×設計士対談
「五感を働かせる食育」ができる間取りとは?

食育・食文化 料理研究家の坂本佳奈さんに、食育とキッチンとの関係についてお伺いする本企画。
後編では、前編の坂本さんのお話をふまえて、大和ハウス工業で長年住宅設計に携わってきた堀野健一が、
「五感を働かせる食育」ができる家を本企画のために設計。図面を見ながら坂本さんと意見を交わし、
「意識せずとも自然に食育が進む住まい」についてヒントを探っていきます。

Profile

食育・食文化 料理研究家
サカモトキッチンスタジオ主宰

坂本 佳奈さん

食育・料理研究家、坂本廣子さんの長女として生まれ、家庭においての台所育児で育つ。子どもを対象とした食育料理教室を開催し、ハンズオン(体感)教育を食育の分野で実践する。兵庫県立姫路工業大学(現・兵庫県立大学)工学部卒業(工学士)、大阪市立大学生活科学部大学院食・健康コース前期博士課程修了、学術修士。一般社団法人キッズキッチン協会副会長、近畿米粉食品普及推進協議会副会長、高島市食育推進協議会委員長、テンペ研究会理事、食と農の応援団団員、伝統食品研究会会員。

大和ハウス工業株式会社 東京本社 住宅事業本部 設計推進部
設計室デザイングループ チーフデザイナー

堀野 健一

一級建築士、インテリアコーディネーター、一級エクステリアプランナー、
ダイワハウス ハウジングマイスター(社内認定)

1983年神奈川県横浜市生まれ。物心ついた頃から建築を仕事にすると心に決め、大学に進むと寝食の時間も惜しんで設計の勉強に没頭する。卒業後は6年間、住宅営業の経験を経て、設計士となる。楽しんで生きることを信条とする。家族は画家である妻と息子が1人。

ハウジングマイスター紹介

「食」に興味が湧く仕掛けを屋内外にちりばめた家

堀野:坂本さんの前編の記事を読んで、「五感を刺激する体験型の食育」に感銘を受けました。私の子どももそうですが、今の子どもはデジタル機器に依存して、どうしても実体験が不足しがちなことを設計士として、親として寂しく思っています。先生のおっしゃる「食育には、実体験をどれだけ積み上げられるかが大切」という視点で、「食」に自然と興味が湧くような仕掛けを設計に盛り込んでみました。ぜひ、ご意見を伺いたいです。

食育が楽しくなる間取り

敷地面積 161m2(48.7坪) 延床面積123.54m2(37.3坪)

1階 床面積65.25m2(19.7坪)

2階 床面積58.29m2(17.6坪)

坂本さん:キッチンが家の中心ですね。

堀野:はい。そこを起点にこの間取りを考えました。よく、子育て世代のお客さまから「キッチンに立っていても、子どもの様子が見える間取りがいい」というオーダーをいただくのですが、今回はその逆の発想で「家のどこからでもキッチンが見える」がコンセプトです。実はキッチンの上が吹き抜けになっていて、2階のスタディコーナーから階下のキッチンが見える仕掛けになっています。

坂本さん:家族が別々の場所で違うことをしていても、家族がキッチンに立っている気配を感じられるのは、食育としてとても大切なことだと思います。宿題をしている子どもに「もうすぐご飯だよ〜」「あ!今日はハンバーグだ!」といったやりとりも生まれそうですね。実は私も以前、キッチンが吹き抜けの家に住んだことがありますが、窓を開けるなど換気をしっかり行えば、ニオイが2階に回ることはなかったです。ただ、子どものはしゃぎ声は結構響きましたね(笑)

堀野:音やニオイの感じ方は個人差があるかもしれませんが、実際にこのような間取りを採用されるお客さまもいらっしゃいます。家のどこにいてもキッチンが感じられる設計アイデアの一つとして今回はご提案させていただきました。

坂本さん:キッチンで何をしているのかが分かると、子どもは食に興味を持ち、恐怖感や不信感が消えるんです。キッチンの上に吹き抜けがあるこの家は、すごく素敵だなと思います。

堀野:ありがとうございます。また、キッチンを起点に土間から玄関、玄関から庭、庭からデッキを通ってダイニングへと続く大きな回遊動線も特徴です。出入り口が2カ所ある3帖ほどの土間収納は、玄関側の下半分にガーデニングで使うグッズなどを置き、上半分は冷暗所として、手づくり味噌などの発酵食品や梅干しの保管場所となる想定で設計しました。

坂本さん:梅干しや味噌は買った方が安くて手軽ですが、作り方は意外と簡単なので、親子で取り組んでみたら貴重な経験になると思います。発酵食品の保管場所は、夏は暑く冬は寒い場所が適しているので、外気ほどではないけれど、しっかりと気温差がある土間は最適ですね。発酵食品は過発酵で容器が壊れることがあり、そんな時でも床材がタイルなのもお手入れがしやすくていいと思います。

育てる・食べる楽しみを味わう「エディブルガーデン」

堀野:もう一つのポイントが、従来の「見て楽しむ」庭に、「自分で育てる楽しみ」を加えた「エディブルガーデン(食べられる庭)」です。野菜やハーブ、果樹を育てて、食べる楽しみを体感してもらいたいと考えました。

玄関からガーデニンググッズを持って庭に出て、収穫した野菜やハーブを庭に設けたガーデンキッチンで調理して外のテラスで食べたり、デッキから上がってキッチンにアクセスしたりと、建物の内外で「育てる」「収穫する」「食べる」の動線が生まれます。

坂本さん:食べ物がどのように育ち、どのように食卓にのぼるかを知ることは何よりの食育ですね。ただ、一つ気になるのが、果樹にはどうしても虫がついてしまうということ。虫が苦手な方は、果樹は避けた方がいいかもしれません。

堀野:樹種は慎重に選定する必要がありますね。料理に使えるハーブや野菜で、先生のおすすめがあればぜひ聞かせてください。

坂本さん:香りが良くて手入れも簡単なローリエ、ローズマリー、ラベンダー、ミント、チェリーセージなどでしょうか。日陰でよく育つのはミョウガ、ミツバ。四季なりイチゴも初心者におすすめです。ナス科、ウリ科、マメ科などの野菜は連作障害が起きやすく、地植えだとローテーションの必要があり管理が複雑です。野菜はプランターで楽しむのがおすすめです。プランターの土を捨てる場所として、樹木がそばにあるといいですね。

堀野:果実ではない樹木をいくつか植えて、その合間にプランターや鉢が置けるスペースを作ってあげると使い勝手のいいエディブルガーデンになりそうです。とてもいいアドバイスをお聞きできました。

坂本さん:少し虫がつきやすいですが、ツボミを食用として楽しめるキンモクセイ、葉っぱが料理やお菓子の飾りに使えるカキ、モミジ、ナンテン、ツバキなども庭にあると季節感が演出できて素敵です。笹も料理の飾りとして使えますが、竹は根が張り出すので庭には不向きでしょうか?

堀野:地中でコンクリートの箱のようなもので囲えば問題なく植えることができます。実際、和風建築に合わせて黒竹を採用するお客さまもいらっしゃいます。他に人気が高いのは、アオダモ、ヤマボウシ、イロハモミジですね。落葉樹は季節によってさまざまな表情を見せてくれるので、五感を刺激するという意味では食育にも通じるものがありそうです。

坂本さん:そうですね。庭には落葉樹を植えて、野菜はプランターで手軽に楽しみ、地植えをするなら手をかけなくても育つ多年草のハーブにすると管理がしやすそうです。ある程度慣れてきたら果樹に挑戦するのもいいかもしれませんね。

内と外をつなぐ中間領域としてデッキを活用する

坂本さん:他にも素敵だなと思ったのが、庭のテラススペースです。天気がいい日にはエディブルガーデンでとれた野菜を親子で調理して、青空の下で食事をするのも気持ち良さそうです。

堀野:屋外で使えるガーデンキッチンも備えたので、収穫した野菜を洗うなど簡単な調理が可能です。タイルデッキの部分にテントを張れば、おうちキャンプも楽しめそうですね。また、ダイニングスペースに通じるウッドデッキには深い軒を設けて、屋外でありながら屋内のように使える、内と外の「中間領域」に。日本家屋の縁側のような使い方をイメージしています。

坂本さん:こうしたスペースは本当に必要だと思います。野菜を天日干しにするときにも、これだけ軒が深いと雨を気にせず干せますし、泥のついた野菜を取り分けたり、野菜の下ごしらえをしたり、子どもが学校から持ち帰った植木鉢の一時置き場として使ったりなど、活用度が高そうです。深い軒は夏の日差しを遮り、冬は暖かな日差しを室内の奥まで取り入れてくれます。昔ながらの日本家屋の良さを取り入れた設計だなと思います。

子どもとのコミュニケーションが生まれるキッチンの工夫

堀野:前編の記事で「子どもが自然とお手伝いしたくなるようなキッチン環境を整える」という先生のお話をもとに、ダイニングテーブルを横並びにしたキッチンレイアウトで、キッチンとダイニングに一体感をもたせました。
ダイニングテーブルの高さはキッチンのワークトップより15cmほど低いので子どもがお手伝いするのにぴったりな高さ。最近では、キッチンのワークトップと同素材のセラミック天板がついた、傷や熱に強いダイニングテーブルも販売されているので、傷がつくのを気にせずお手伝いをお願いできそうです。

坂本さん:自然とお手伝いに巻き込んでいく仕掛けがいいですね。こうしたダイニングテーブルがあることを知りませんでしたが、パンづくりにも重宝しそうです。キッチンでもお手伝いができるよう、踏み台を用意しておくのもおすすめです。

堀野:こちらはキッチンの一角に作ったワークスペースです。子どもが自由にお絵描きできるホワイトボードを設置してみました。

坂本さん:私も食育料理教室ではホワイトボードを活用しています。自宅でも子どもが自由に落書きできるスペースは、子どもの創造力を育みます。小さい頃はお絵描きに使い、中高生になったらちょっとした計算をしたり、大人は買い物メモに活用したり。いろんな使い方ができますね。

デジタル機器は食育の弊害になる?

坂本さん:対談の冒頭に「今の子どもはデジタル機器に依存している」というお話がありましたが、「五感を使った食育」を感じてもらうためにも、物理的にデジタルから引き離すような住まいの工夫があるといいなと常々感じていました。テレビはそこにあるからつけて見てしまう部分も大きいと思うので、思い切ってテレビを隠す収納にしてみるのはどうでしょうか。

堀野:そのご提案をいただき、上の建築パースの右側の壁面収納にテレビを隠し、テレビを見るときだけ開く仕組みにしてみました。当初は右側にソファ、左側の構造壁の前にテレビを置き、ソファに座ったときの視線の先にデッキと庭が見えるようにしていましたが、壁側にテレビを置いたことで今度はソファの置き場に困ってしまいました。そこで、思い切ってソファを撤去し、ちゃぶ台を囲む家族団らんの形をご提案したいと思います。

坂本さん:私はこの形が好きですね。ソファに座って同じ方向を見るよりも、ちゃぶ台を囲む形の方が家族の会話が増える気がしませんか?

堀野:同感です。食育から少しそれるかもしれませんが、「ソファ+テレビボード+センターテーブル」という従来のリビングセットは今の時代にそぐわないのかもしれないなとお話を聞いていて感じました。ちゃぶ台+ビーズクッションをいくつか置いて、方向性を決めない家族団らんの方が会話が弾みやすいですし、家具レイアウトもしっくりきそうです。

坂本さん:そう思います。ただ、テレビを隠したところで、各自がスマホやタブレットを触ってしまったら意味がないんですよね…(笑)五感を働かせる体験型食育のためには、デジタルとの付き合い方を考える必要があると日頃から感じていたので、今日はさまざまなヒントをいただけた思いです。

堀野:こちらこそ、貴重なご意見をいただきありがとうございました。

まとめ

さまざまな設計アイデアを盛り込んだ「食育が楽しくなる間取り」はいかがでしたか?これからの食育の課題なども垣間見えた有意義な対談となりました。これから家を建てる方は、こうした食育の視点も加えて設計を考えてみてはいかがでしょうか。

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