料理をしながら洗濯機を回す、食器を洗いながら子どもの様子を見る、
動画を見ながら料理の下ごしらえをする…。
忙しい現代人は、何かをしながら家事を同時進行で行う
「ながら家事」の機会が多いのではないでしょうか。
そこで「ながら家事」の実態を探るべく、アンケートを実施しました。
調査時期 | 2023年10月5日~10月15日 |
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調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 718件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1.「ながら家事」をしていますか?
「ながら家事」を「していない」(21%)、「家事をしていない」(7%)を除いた全体の72%が「ながら家事」をしていると回答しました。最多は「毎日している」(38%)、次に「1週間に3〜4日している」(14%)、「1週間に1〜2日している」(13%)と続きました。
「ながら家事」をしている理由を尋ねると、「まとめてやるほうが効率的だから」「限られた時間の中でできるだけたくさんのことをしなければならないから」といった、効率を重視する意見が目立ちました。一方で、「皿洗いをしながらスポーツ中継を見る。気付くと片付いている」のように、趣味と家事を組み合わせることで家事の負担感を減らしている人もいました。
Q2.どんな「ながら家事」をしていますか?(複数回答)
一言で「ながら家事」といっても、複数の家事を同時進行する他、日常の行動をしながら家事をする、育児や仕事しながら家事をするなど、さまざまなケースがあります。その実態を聞いてみると、最も多かったのが「複数の家事を並行して行う」(48%)でした。
次に多かったのが「日常行動のついでに家事を行う」(36%)、「趣味と家事を並行して行う」(26%)、「育児しながら家事をする」(12%)、「仕事と家事を並行して行う」(10%)と続きました。さまざまなタスクを同時進行でこなす様子が見受けられます。
Q3.「ながら家事」で行っている家事をお選びください。(複数回答)
「ながら」で行っている家事の種類を尋ねてみました。最多は「洗濯」(53%)でした。洗濯機を回す→干す→取り込む→しまうと時間がかかるため、合間、合間で他の家事や他の作業を行うのは当然かもしれません。
次に、「料理」(50%)、「食器洗い」(44%)と、キッチンで行う家事が上位にランクイン。ほぼ毎日行う家事であり、時間もそれなりにかかることから、同時進行でこなす家事の上位に来るのは納得の結果です。
料理、洗濯、掃除といった代表的な家事以外にも、「片付け、郵便物の整理など細かな作業」(25%)、「ゴミの分別・処分」(23%)、「調味料や日用品の補充」(17%)といった、短時間で済むものの、積み重なると負担感が増す「名もなき家事」と呼ばれるものも、「ながら家事」でこなしている様子がアンケート結果から見えてきました。
Q4.実践している「ながら家事」について、
具体的に教えてください。
具体的にどのように「ながら家事」をしているのでしょうか。
- 動画を見ながら料理をし、手を洗うついでに洗面台を掃除し、トイレを済ませた後は簡単な掃除をしている
- 洗濯機を回して、料理(煮物等に火をかける)をしながら、掃除機をかけ、風呂掃除を行うなど、複数を掛け持ちしている
- 1歳の子どもから目を離せないので、料理をしながら子どもをあやしている。また、仕事のメールを返信する合間に料理をすることもある
- 料理を作りながら食器や調理器具を洗ったり、シンクを掃除したりする。料理を煮込みながら、洗濯物を干したり畳んだりする
- 料理をしながら、子どもの学校の話を聞く。寝かしつけをしながら献立アプリを見る。洗濯物を干す・取り込みながら動画を見る、聞く
- 夕飯を作りながら子どもの宿題を見る。子どもと遊びながらカーペットや座布団のホコリ取りをしたり、洗濯物を畳んだりする
- 洗濯機を回している間に料理。食器を洗いながらドラマの録画を見る。歯磨きをしながら洗面室を掃除する
短時間で頭を切り替えながら、さまざまな家事をこなしているようです。掃除に関しては「他の家事の合間に済ませる」人もいれば、入浴時やトイレを済ませたときなどの「ついで掃除」の人も多いようです。日常の行動と掃除をセットにすることは、家事の負担感を減らすアイデアの一つと言えそうです。
Q5.「ながら家事」をしない・できない理由はなんですか?
すべての人がマルチタスクをこなしているわけではありません。集中して1つずつ家事を片付ける人もいれば、「ながら家事」をしたいけれどできないという人もいます。その理由を探ってみましょう。
- 作業効率が落ちたり、雑になったりしてしまうから
- 時間に余裕があるので、同時進行で家事を行う必要性がない
- 一つひとつ集中して終わらせたほうが早く終わり、結局は自由時間を長く取れるから
- 火を使うキッチンでの家事は「ながら家事」ではなく、集中して行いたいから
- 同時にいろいろやると、やり忘れが必ず出てしまう
- 作業動線が悪く、効率よく進められないから
- 家事を行う場所が離れていて、物理的に難しい
「マルチタスクが苦手」「同時に行うと注意散漫になってしまう」といった理由が目立ちましたが、「家事動線が悪いためながら家事をすると非効率になってしまう」という理由も散見されました。
Q6.「ながら家事」を行う上で、家の間取りや設備で不便や不満を感じたことはありますか?
「(不満が)ない」(74%)が多数で、「(不満が)ある」の回答は26%にとどまりました。ここでは特に、不満がある人の詳細について見ていきましょう。
- キッチンとリビングが離れていて何度も往復するのが面倒
- 洗面室とキッチンが離れているので、調理をしながらの「ながら家事」がしにくい
- キッチンが狭く、調理以外のことができない
- 動き回る上で、動線がうまくいっていないと感じることがある。例えば、ドアの扉を開ける方向一つにしても、反対だったらなと思うことがある
- 洗濯物を干す場所、畳む場所、しまう場所がバラバラでやりにくい
- キッチンで作業中にテレビの音が聞こえない。スマホやタブレットを安全に置けるスペースがない
- リビングが2階、洗面室が1階と分かれているのが不便
- キッチンから浴室に行くのに、ドアを3カ所も開け閉めするのが面倒
- 平屋だったら「ながら家事」がはかどっただろうなと思う
こうした不満の声を見てみると「言われてみれば、わが家にも当てはまるかも…」と感じる部分があるのではないでしょうか。そこを改善することで「ながら家事」がもっとはかどり、家事時間の短縮につながる可能性もあります。
Q7.「ながら家事」をしやすくするために、過去に行った・現在行っている工夫を教えてください。
「ながら家事」がはかどるために行っている工夫について聞きました。以下、カテゴリ別にご紹介します。
物の置き場所の工夫
- 掃除道具をすぐ使える場所に置き、汚れが目についたときにサッと掃除できるようにした
- キッチンのシンク前にタブレット置き場と充電スペースを作り、家事をしながら動画鑑賞ができるようにした
- 洗濯機の横に掃除機を置き、キッチンに床拭きワイパーを設置している
ルールづくり
- 作業しやすいように片付ける、物を置かない、捨てることを心掛ける
- あれもこれも手をつけるとどの家事も中途半端になるので、ながら家事は「一度に2つまで」と決めている
- ながら家事をするときは、火の止め忘れがないよう、必ずタイマーをかけるようにしている
家事動線の工夫
- キッチン、洋室、洗面室、玄関、リビングをぐるりと一周回れる動線にした
- キッチンの出入り口が2 カ所あるので、家族が複数出入りしても動線がスムーズ
- 対面式キッチンにしたので、子どもの宿題を見るなど家族との関わりを大切にしながら家事を進められる
Q8.仮にあなたが新築戸建の家を購入するとしたら、「ながら家事」がはかどる仕組みを導入してみたいと思いますか?
「思う」(45%)、「やや思う」(25%)を合わせた70%が「ながら家事」がはかどる仕組みを導入してみたいと回答しました。特に重視する点について、次の設問を聞いてみました。
Q9.「ながら家事」がはかどる仕組みについて重視する点を3つまでお選びください(複数回答)
「家事動線が良い」(69%)が、全体の約70%を占めました。「作業スペースが広い」(39%)、「収納が必要な場所にある」(35%)、「設備の手入れがしやすい」、「収納スペースが豊富にある」(ともに32%)も票を集めました。以下は、「ながら家事」がはかどる仕組みについて寄せられた詳細コメントです。
家事動線が良い
- キッチン⇔洗面室、洗面室⇔物干し場の動線が短いと、効率的に作業ができる
- 玄関→洗面室で手を洗う→キッチンに食材をしまうといった動線がスムーズだと部屋が散らからないと思う
- 洗濯機を回す、干す、畳む、収納するといった一連の作業を短い動線で完結させたい
- キッチンから部屋全体が見渡せること。小さい子どもを見守りながら家事ができる配置がいい
作業スペースが広い
- 作業スペースが広いと、ストレスなくいろんな家事を並行して行えると思う
- 炊事はどうしても時間がかかるので、動画鑑賞などもできるようなスペースを設けて楽しみな時間に変えたい
- 家事スペースが広いと、家族と一緒にコミュニケーションを取りながら家事を済ませられそう
その他
- 料理を作りながら片付けも進めたいので、清掃のしやすさは大切。収納スペースはしまう物のサイズを計測した上で考えたい
- キッチン内に掃除機やモップなどが収納できると、炊事と掃除の同時進行がラク
- 設備の手入れがしやすいと、スムーズに「ながら作業」ができると思う
「家事動線」については、キッチンを中心とした動線の良さを求める人が目立ちました。「キッチンで料理をしながらお風呂場を洗う」、「キッチンで作業しながら子どもの宿題を見る」、「キッチンで片付けをしながら洗濯をする」のように、実際の状況をイメージしてみると、使いやすい間取りが見えてきそうです。その際に、「動線が長過ぎないか」、「通路の幅は十分か」、「ドアの配置にストレスはないか」といった視点も加えてみてはいかがでしょうか。
また、家族がコミュニケーションを取りながら自然に家事シェアができれば「ながら家事」の負担感は減らせるはず。複数人で作業できるスペースを検討しておくのも一つのアイデアかもしれません。
まとめ
忙しい毎日の中で、家事をいかに効率よく済ませるかは永遠のテーマです。家事におけるストレスを一つひとつ解消して「ながら家事」の効率化を図ってみませんか。