在宅勤務やフリーランスなど、働き方が多様化した今、
リビングで仕事をしたいと希望する方は多くなりました。
リビングにワークスペースがあれば、家族とのコミュニケーションを取りながら仕事ができ、
子どもの学習スペースとしても使えるなどの魅力もあります。
そこで今回は、リビングに設けたさまざまなスタイルのワークスペースの事例をご紹介。
さらに、レイアウトのコツや家具選びのポイントなど、
インテリアエディターとして活躍する土橋陽子さんに詳しく解説してもらいます。
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Part1
ワークスペースが
リビングにある
メリット・デメリット -
Part2
リビングのワークス
ペースのスタイル例と、
レイアウトのポイント -
Part3
リビングのワークス
ペースの事例。
レイアウト
のポイントを解説 -
Part4
リビングのワーク
スペースを
もっと快適に
するコツ
Part1ワークスペースがリビングにあるメリット・デメリット
リビングに使い勝手のいいワークスペースを実現するには、そのメリットはもちろん、生活音が気になるなどのデメリットもしっかりと把握しておくことが必要です。
メリット
広くて明るいリビングは、家の中で一番いい場所にあります。そんな場所にワークスペースがあれば、ゆったりと気持ちよく仕事ができます。そして、小さな子どもを見守りながら、家事をしながらなど、仕事と子育ての両立も可能に。一つの働き方のカタチとして定着しつつあります。
リビングにデスクを置くだけで立派なワークスペースとなり、ダイニングテーブルを兼用するのも一つの方法です。仕事はもちろん子どもの学習スペースなど、家族みんなで使えるのもいいですね。
デメリット
家族がリビングで一緒に過ごしている場合は、話し声やテレビの音声など、生活音がどうしても気になってしまう可能性があります。仕事や勉強をしている最中に話しかけられたり、背後の視線が気になったりすると、集中が途切れてしまうこともあるでしょう。家族も気を遣う必要があり、音楽を聴くことや楽器の練習、掃除機をかけるなどを我慢し、遠慮して過ごしているかもしれません。
また、仕事道具や書類、子どもの宿題や文房具がデスク周りに出しっぱなしだと、リビングが散らかって見えます。逆にリビングが片付いていないと、オンライン会議などの背景に映り込んでしまうこともあるため、常に整理整頓が求められます。ダイニングテーブルでの仕事の場合は、食事のタイミングでPCなどをその都度片付ける必要があります。
Part2リビングのワークスペースのスタイル例と、
レイアウトのポイント
仕事とプライベートを一つの空間に置くには、ワークスペースのあり方が重要になります。それぞれを両立させるためのスタイル例とともに、レイアウトのポイントをご紹介します。
スタイル例
1. オープンタイプ
リビングの一角など限られたスペースに設置可能で、家事や子育ての隙間時間で働きたい、子どもを見守りながら作業したい方に向いています。家族みんなが気軽に使える場所にあるので、仕事はもちろん趣味のスペースとしても活躍します。
仕事と食事で同じイスを使う場合は、インテリアになじみながら、機能的なものを選ぶことが大切です。ダイニングチェアはゆったり座れるようにつくられているため、作業に集中できる姿勢を保つのが難しいのです。
2. 半個室タイプ
リビングの一部を壁や家具で仕切る、奥まった場所を利用するなど、セミクローズドな空間につくるワークスペースです。階段下などのデッドスペースを活用することも可能です。適度に家族の気配を感じながら、集中しやすい環境が魅力です。仕切りが欲しい場合は、パーティションや遮音カーテンを設けるといいでしょう。
3. 個室タイプ
オンライン会議が多いので生活音が気になる、仕事の話はあまり聞かれたくないといった場合は、リビングの隣にありながらも分離したワークスペースがおすすめです。内窓を設けることで、家族とのコミュニケーションも図れます。普段はオープンに、集中したい時は窓を閉めるように、オンとオフの切り替えがしやすく、作業にも集中しやすい環境をつくれます。
Part3リビングのワークスペースの事例。
レイアウトのポイントを解説
どんな環境なら作業効率が良いのかは、一人ひとり異なります。ここでは、リビングに設けたワークスペースの事例をご紹介します。レイアウトやインテリアを参考にしながら、自分に合ったワークスペースのイメージを膨らませてください。
キッチンから目が届く場所に
配置したワークスペース
キッチンのすぐ隣に設けたワークスペースは、一時的なテレワークや子どもの学習スペース、料理の下準備をする作業台、買い物の荷物を整理する場所など、マルチに活躍する空間です。
リビング付近の階段スペースに
設けたワークスペース
リビングでくつろぐ家族の目線と交わらないように高低差を付けることで、オンとオフが程よく分かれ、オープンスペースでも集中しやすいワークスペース環境をつくれます。壁面に収納棚や本棚を設ければ、ファミリーライブラリー+読書スペースとしても活躍するでしょう。
リビングイン階段の下を有効活用したワークスペース
階段下のデッドスペースを有効活用することで、コンパクトな間取りでもワークスペースを実現できます。リビングとのつながりを意識しながら、適度な広さの空間がおこもり感を演出します。
LDKの奥に設けたワークスペース
リビングやキッチンの奥に設けることで、リビング・ダイニングに仕事や勉強の道具を持ち込まず、すっきりと暮らしたいという方に合ったレイアウトです。PC作業が主流のワークスタイルでは、奥行きのあるデスクが必要ないため、省スペースで設置できます。上部に棚を造作すれば収納スペースとしても使えます。
LDKの一角に設けたワークスペース
テレワークはもちろん、子どものリビング学習、趣味を楽しむスペースなど、家族みんなで共有できるワークスペースです。横長のデスクを設ければ、並んで仕事をしたり、子どもの隣に座って勉強を教えたりと、夫婦や親子が一緒に過ごす時間を増やしてくれるでしょう。
デスクの配置で、つながりを調整できる半個室のワークスペース
同じ半個室の空間でも、デスクを内窓に向ければリビングで過ごす家族とのつながりを意識でき、壁側に向けることで仕事や勉強に集中しやすくなります。座った時に目の前に見える景色を変えることで、ワークスタイルに合わせられます。
和モダンリビングなら座椅子を使ったワークスペースも
木を生かしたシンプルなローデスクが、落ち着きのある和の空間になじみます。気分転換したくなれば横になってリラックスできるのが魅力です。長い時間座って仕事をしても疲れにくい、低座椅子を取り入れるのもおすすめです。
リビングの一角に
個室タイプのワークスペースを
書斎スペースの四方を壁で仕切ってしまうと、閉塞感が生まれます。そこで、全面ガラス戸を設けることで、リビングの気配を感じながら、仕事に集中できる空間がつくれます。室内を防音仕様にすれば、オンライン会議の声が外に漏れるのを気にする必要がなく、外からの生活音もシャットアウトできるので、集中して仕事に取り組めます。
Part4リビングのワークスペースをもっと快適にするコツ
ライフスタイルに応じたワークスタイルを選ぶ
自宅で仕事をするさまざまなニーズに合わせて、ワークスペースのあり方も広がっています。ダイワハウスはこれからのライフスタイルにフィットする3つのテレワークスタイルを提案しています。家族と程よい距離感が保てる「つながりワークピット」、仕事も趣味も両方使える「マルチユーススペース」、そして、静かな空間で仕事に向き合える「快適ワークプレイス」。きっと、理想のライフスタイルに合うワークスタイルが見つかるはずです。
ワークスペースの防音性能を高める
家族が近くにいる気配を感じながら、仕事や勉強ができる空間は安心できます。適度に雑音がある方が集中できるという方もいるでしょう。しかし、最近ではテレワークが働き方の一つとして当たり前になっており、ワークスペースでは仕事や勉強に集中するだけでなく、会議や授業などオンラインでやりとりをする機会が増えています。そうなると、家で発生する生活音などがますます気になってくるのではないでしょうか。
例えば、普通の個室であれば、オンライン会議をしている横で掃除機をかけることはうるさくてできません。どちらかが我慢をする必要がありストレスの原因になることも。そんな生活音を、図書館並みの静けさにまで減音できるのが、ダイワハウスの快適静音室「やすらぐ家」です。この「やすらぐ家」なら、室外で発する90dBA相当の音(電車のガード下の音よりは少し小さい音)が、図書館並みの静けさの45dBAまで減音されます。※
※数値は、弊社で測定した数値(JISA1417:2000 建築物の空気音遮断性能の測定方法に基づく)ですが、性能値として保証するものではなく、使用状況や周辺の環境、間取りなどにより異なる場合があります。
個室タイプの快適ワークスペースは、外から入る音はもちろん、子どもの遊ぶ声や掃除機をかける音も軽減します。仕事の取引先との大事なプレゼンがある時や試験勉強に集中したい時に、音の問題を解決してくれるのです。同時に、ワークスペースの外にいる家族も、会話や音楽を楽しむなど気兼ねなく過ごせます。
また、この「やすらぐ家」は、ただ個室にこもるだけではなく、下記の写真のように、遮音性を高めた静音ガラス引き戸「静音スクリーン」をリビングとの仕切りに用いることで、家族の様子を見ながら仕事や勉強に取り組めます。
仕事も暮らしも、多様化するスタイルを受け止める空間づくり
リビングは家族みんなが、自分の時間を過ごせる大切な場所です。仕事や勉強に集中するあまり、他の家族がリラックスできないということがないように、オンとオフを切り替えられることが大切です。それぞれのライフスタイルが無理なく両立できるのか、ベストなバランスを考えてみましょう。
これから始めようと考えている家づくりやリフォームで、ワークスペースをつくりたいと希望する方は、他にも参考になる記事やカタログをご用意しています。もっと事例を見たい場合は建築事例・建築実例や住宅展示場、Instagramもぜひチェックしてみてください!
お話を伺った方
土橋 陽子さん
「暮らしを楽しみたい生活者と、ライフスタイルを提案する企業・メーカーとの通訳」として、デザイン、執筆、コーディネートの仕事を行う。有名インテリアショップでの定番家具開発を通じて得た知識と、母親の視点、一人のインテリア好きの女性の立場から、家具選びのポイントやブランドストーリーを丁寧に解説。