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Daiwa House presents デザイナーズトーク
建築家 中村拓志 ×
ダイワハウス ハウジングマイスター 菊川人周
“人のふるまいに寄りそう住まい”
のつくり方とは?(後編)

ダイワハウスの設計士が、
さまざまな分野で活躍するデザイナーをお招きして語り合う「デザイナーズトーク」。
建築家、プロダクトデザイナー、職人など職種を越えた方々と一緒に、
「これからの理想な住まい」のヒントを探っていきます。

記念すべき第1回目のゲストは建築家の中村拓志さんです。
中村さんは地域の風土や産業、敷地の地形や自然、
そこで活動する人々のふるまいや気持ちに寄り添う設計を大切にされ、
風や光、緑といった自然を生かした建築でいま大変注目を浴びている方です。

お迎えするのは、中村さんの大ファンであり、
建築手法や建築に対する姿勢に多いに刺激を受けているという、
ダイワハウス ハウジングマイスターで一級建築士の菊川人周。
前編では、中村さんの建築思想や設計の進め方について詳しくお聞きしました。
後編では、これからの住まいのあり方についてお伺いしていきます。

Profile

中村拓志(なかむらひろし)

建築家

1974年東京生まれ。鎌倉と金沢で少年時代を過ごす。1999年明治大学大学院理工学研究科建築学専攻博士前期課程修了。同年隈研吾建築都市設計事務所入所。2002年にNAP建築設計事務所を設立し、現在に至る。地域の風土や産業、敷地の地形や自然、そこで活動する人々のふるまいや気持ちに寄り添う設計をモットーとしている。

菊川人周(きくかわひとのり)

大和ハウス工業株式会社 奈良支社 住宅事業部
設計課 主任技術者

1974年大阪生まれ。1997年大和ハウス工業入社後、奈良県を中心に展示場や個人宅を数多く手掛ける。社内コンペにて受賞歴多数。家の話なら時間を忘れるという無類の家好き。住む人に寄り添い、時代にふさわしい住まい方の本質を追及している。
一級建築士、インテリアコーディネーター。

ダイワハウス ハウジングマイスター(社内認定)

自分にとっての「居心地のいい家」を知るためにできることとは?

  • 菊川:中村さんが手掛ける家のような心地良さを作るために、私たちハウスメーカーが取り入れられる点はないでしょうか。
  • 中村:私が設計をするときに大事にするのが風景です。家のなかでずっと眺めていたくなる風景はどこなのかを考え、そこから空間を作りあげていきます。家を建てる人も設計者も、まず敷地内のお気に入りの風景を決める。そしてそこと庭をつなげ、いつも自分がいる空間を結んでいくとよいと思います。
    その他には居心地の良さを体で感じることです。設計を頭だけで考えると、ロクなことになりません。例えば、今住んでいる家の中で、通過動線や気にも留めていない場所に椅子を置いて座ってみることをおすすめします。目線が変わると見える風景も変わります。
    「ここにはこんな風が吹くんだな」、「こんなふうに光が射すんだな」と、猫のような感性で家のいろんな場所を自由に感じてみるんです。
  • 菊川:なるほど、自分が感じる居心地の良さとはなにかを知るいい機会になりますね。僕が居心地のいい場所を設計する時に心掛けているのは、そこが毎日の生活に使われる場所かどうか?という事です。よく考えたら、一年に数回しか行かないみたいな場所では愛着は湧かないです。日々の生活にそっと寄り添う場所になってほしいと考えています。
  • 中村:そうですね。例えば、一般的にリビングは南側に設けることが多いですが、そのセオリーを遵守したばかりに、建物が迫っていたり、車道にリビングを向けることになったりと、居心地が悪くなっているケースがあるかもしれません。
    その結果たとえリビングが西向きになってしまったとしても、木陰を作って強い日差しをやわらげたり、西陽を逆手に取った建築的な仕掛けをしたりと、解決策はいくらでもあります。まずは居心地や風景ファーストで設計を考えてほしいです。そうすると、おのずと外の自然や庭、さらには街を良くしようという風に意識が広がっていくはずです。
  • 菊川:あらゆる部材で家の性能は格段に上がっていて、従来の常識に縛られない間取りが可能になりました。僕ら設計士がその可能性を伝えることはすごく重要だと思います。
    ただ、住宅性能の向上の一方でハウスメーカーの家はローカリティー(地域性)に欠けるというのは事実で、その点についてはどう思われますか?
  • 中村:住宅メーカーは、全国どこでも同じクオリティで家を建てることができるのが強みだと思いますが、そこに地域性を出してみるとさらに面白くなるのではと思います。某コーヒーチェーンでは、出店する地域の木材を使用して、施工も地域の業者が行います。地域とのつながりと、地域の一部であるという誇りが生まれ、地域にもお金が落ちる仕組みです。
    これからはチェーン店であってもそういう時代です。まずは、外構の石やシンボル的な壁だけでも、その土地の建材を使用してみるのはどうでしょうか?
  • 菊川:すごくいいアイデアだと思います。住む人がその地域とつながりを感じることができる、いいきっかけになりそうですね。

矛盾するような希望は、設計士の腕の見せどころ。「矛盾こそ創造の種」

  • 菊川:中村さんの作品は一つ一つ個性的で一貫した作風というのは無いように思うのですが、それでいて中村さんの作品とわかるアイデンティティーを僕は凄く感じるんです。「中村拓志」という建築家の個性と、オーナー様の希望、その土地の個性をどのようなバランスで設計しているのか、ぜひお聞かせいただきたいです。
  • 中村:そこはもちろん住み手ファーストです。前提として住み手の希望があり、そこに土地の個性が加わるイメージです。結果的に僕の個性が出ることはあっても、建築家の論理で物事を決めることはしません。
    ただ、自分の設計は今だけでなく10年、20年後も見据えて理想的な住まいであることを前提としています。仮にオーナー様と意見が分かれても、それはきちんと伝えていきたいですね。オーナー様に喜んでもらうことが設計のゴールです。そのために自分の設計思想があると思っています。
  • 菊川:そうなんですね!正直驚きです。もっと中村さんの個性の割合が大きいと思っていました。中村さんの著書『微視的設計論』の本当の意味が分かった気がしました。今日はいろいろ考えて眠れないかもしれません……。
    ところで、オーナー様とのやり取りの中で「開放的だけどプライバシーは守りたい」「明るすぎず暗すぎず」など、相反する要望が出てくることも少なくないですが、その場合はどうしていますか?中村さんの作品を例にあげると、「Half Cave House」は、開放感がありながら、洞窟にいるかのように包まれている印象も同時に感じられます。
  • 中村:矛盾する要望というものは、家に対する思いが強いからこそ生まれます。矛盾こそ創造の種だと思っています。だからむしろ矛盾は大歓迎ですね(笑)。
    「Half Cave House」のオーナー様の希望は、パーティを開いてゲストをもてなせる大きな空間が欲しいとのことでしたが、人がいないときはその広さが逆に寂しく感じられるのでは、という相談を受けました。そこで、中世の建築様式に見られる「ヴォールト屋根」をモチーフにした独特の形状の屋根を提案しました。

@Koji Fujii / Nacasa & Partners Inc.

  • 中村:矛盾する意見でも構わないので、オーナー様はどんどん設計士に要望を伝えて欲しいと思います。決して受け身になるのではなく、設計士と意見を交わして一緒に作りあげた家の方が「自分が建てた家」という誇りと愛着が生まれ、みんなに自慢したくなる家になると思うんです。
  • 菊川:「矛盾こそ創造の種」ってすごく分かります。中村さんの作品の大きな魅力ですよね!

団らんの中心はテレビから風景へ。テレビとの共存は工夫を凝らして

  • 菊川:わたしたちが設計において悩むのがテレビの存在です。テレビが団らんの中心という家はまだまだ多いものの、これからの時代はテレビが必ずしも家族の中心にあるとは限りません。今後、テレビにかわる家の主役として何を提示したらいいのか、中村さんの意見をお聞かせいただきたいです。
  • 中村:やはり風景が主役になるのではないかと思います。密集した市街地であっても、隣の家の緑や小さな一坪庭など、どこかに風景は存在するはずです。風景が作り出す豊かさを主役にしつつ、現代の生活に必要なテレビとどう共存させるかは私もいつも頭を悩ませるところですね
    アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトは暖炉が家の中心にあるべきだと提唱し、近代住宅において暖炉がテレビに置き換わったことを嘆いている一節が残されています。
    私の場合は、テレビを見ない時には隠せるような設計を用いることが多いです。あるいは、テレビを役割によって使い分けるのもいいでしょう。情報を得ることを目的としたテレビ視聴はポータブルタイプのテレビで、映画鑑賞のときにはリビングの天井から降りてくるスクリーンやシアタールームで、と役割を分担するのです。風景の豊かさや家族のだんらんといった大切な空間に、無機質で存在感のあるテレビが鎮座するのを避けられると思います。
  • 菊川:非常に勉強になります。最後に、中村さんの考えるこれからの「家」の理想像をお聞かせください。
  • 中村:これまでの住まいは小さな核家族が主役で、プライバシーは守られているものの、地域から隔絶された家が多かったと思います。東日本大震災以降は特にコミュニティの重要性が叫ばれていますが、これからの家は、たくさんの人が外から訪れ、会話を交わしてコミュニティが生まれるような開かれた存在であって欲しいと願っています。
    今の時代に合う、ほどよいプライバシー感を大切にしながらも、地域や友人と関わりあえるような仕掛けのある建築を提案したいですね。例えば、家の敷地の外側に通りがかりの人が滞在できるようなベンチを置く、といったアイデアです。
    通過点だった場所がベンチを置くことで滞在空間に変わり、そこから眺める景色が生まれます。ダイワハウスさんのような大手のハウスメーカーさんが、コミュニティが生まれるような仕掛けを設計に取り入れたら、町が変わるくらいの大きな影響をもたらすのではないかと期待しています。
  • 菊川:今日はいろんなお話しを聞けて本当に感無量です……これからの家づくりはますます個性的で多様性に富んだ面白いものになっていくと思います。そんな中で私たちハウスメーカーは中村さんのような建築家の思想をもっと理解して取り入れていく必要があると感じました。住宅設計の奥深さをさらに知る事ができ、ますます楽しくなりそうです!本当にありがとうございました。
  • 中村:一緒に切磋琢磨していきましょう。

まとめ

中村拓志さんの手掛ける建築では、風や光、風景といったそこにいる人にしか感じることのできない自然の豊かさが住み手のふるまいと調和しています。それは図面には現れない、居心地の良さにつながるものです。
「自分が心地よいと感じる家とは何か」。それを自問自答することから、理想の住まいの形が見えてくるはずです。

人のふるまいに寄りそう住まい”のつくり方とは?

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