せっかく長い時間を過ごすわが家。家族の思い出の品や趣味のアイテム、
観葉植物、絵画など好きなモノを飾り、自分ならではの空間づくりを楽しむのも良いものです。
そこで、屋内にディスプレイをされている人を中心にアンケートを実施。
住まいの統一感を維持しつつ、魅力的なディスプレイを実現する方法を伺いました。
調査時期 | 2024年1月11日~1月20日 |
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調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 512件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1.インテリアや雑貨、写真、観葉植物、
絵画などをディスプレイしていますか?
まず、ディスプレイの実態を探るべくQ1の質問を伺うと、「ディスプレイしている」(55%)と回答した人は半数以上でした。「ディスプレイしたいが、していない」(34%)も合わせると、9割近くが屋内にディスプレイを「したい」と考えていることが分かりました。
その理由を聞いてみると、「居心地の良い空間にしたいから」が最も多く、「思い出を残したいから」「気分が上がるから」「季節を感じたいから」と続きました。その他、「壁の面積が大きくて寂しいので、カラーコーディネートとして飾っている」「美術館気分を味わいたいから」といった意見もありました。
一方で、「ディスプレイしたいが、していない」を選んだ人の理由を聞いてみると、「飾る場所がないから」「ディスプレイする・考える時間を取れない」「玄関に飾りたいが電源がないし、コードで見栄えが悪くなるのも嫌だから」「センス良く飾る自信がないから」など、場所や時間の制約に加え、ディスプレイすることによってかえってまとまりのない空間になってしまうのを懸念している人が多い印象でした。
「ディスプレイしたくないので、していない」を選んだ人の理由も見てみると「掃除が大変だから」や「壁や天井を傷つけたくないから」等の理由が目立つ結果に。「モノは少なくしたい」という意見があったことからも、ディスプレイすることによって発生してしまう掃除や修繕などのメンテナンス要因を避けたい・できるだけ少なくしたいという考えから、「ディスプレイしない」人もいるようです。
Q2.何を飾っていますか?(複数回答)
自宅をディスプレイしている方に伺うと、最も多かったのが「写真」(61%)で全体の3割近くを占める結果に。子どもやペット、孫の写真や、風景写真を飾っているという回答が寄せられました。
次に多かったのが「観葉植物・一輪挿しなどの花き」(39%)、「絵画」(37%)、「季節の小物(ひな人形や掛け軸、クリスマスツリーなど)」(27%)、「趣味のコレクション(マグカップやフィギュア、レコード、お酒など)」(25%)と続きました。自然や季節を感じさせるもの、アート作品、コレクション品など、飾るものは多岐に渡るようです。
Q3.家のどこにディスプレイしていますか? (複数回答)
それでは皆さんは、どこにディスプレイしているのでしょうか。ディスプレイしている場所として最も多かったのは「リビング」(80%)でした。長い時間を過ごす場所だからこそ、お気に入りのモノをセンス良く飾りたいものですよね。 次に多かったのが「玄関」(47%)。家の顔である玄関は、住まいの印象を左右する場所。来客時や宅配便の受け取り時でも目に触れる場所なので、ディスプレイして素敵な空間にしたいと考えるのもうなずけます。
他にも、「寝室」(25%)、「トイレ」(21%)、「廊下」(14%)、「ダイニング」(13%)と続きました。その他、「階段途中の壁」「和室」という回答も寄せられ、さまざまな場所を飾ってお部屋の雰囲気づくりをしているのが伝わります。
Q4.家のどこにディスプレイしていますか? (複数回答)
続いて、具体的にどのような方法でディスプレイしているのかも伺いました。最も多いのが「カウンター」(31%)でした。キッチンや玄関などに設けることが多いカウンターですが、作業台として使う以外にも、飾るスペースとして重宝している様子です。
次に、収納スペースも兼ねた「キャビネット」(28%)、観葉植物や絵画を省スペースに飾ることができる「ハンギング(天井から吊り下げたり、壁に掛けたりすること)」(26%)、「テレビボード」(23%)、「ウォールシェルフ」(17%)と続きます。
ディスプレイすることを前提とした「ニッチ(壁の一部をへこませて設けた棚)」(11%)や、「床」(8%)、「ピアノの上」「出窓の上」という意見もありました。カウンターやニッチのようにあらかじめ造作でつくられたものは、後付けの家具を置く必要がなく、スペースを有効活用できるのもうれしいところです。
Q5.飾り方のアイデアやこだわりがあれば教えてください。
居心地の良い空間を演出するためのディスプレイのアイデアや工夫をジャンル別にまとめます。
余白を設ける
- ごちゃごちゃしないよう、ポイントを絞って飾る
- テレビボードに写真を飾っているが、数を絞り、写真を定期的に更新している
テーマを決める
- 夫婦でコーヒーが好きなので、カフェのようなディスプレイを心がけている
- パリのアパルトマン風を意識している
色や飾るモノで統一感を演出する
- 「ナチュラル系でくすみ系のカラーでそろえる」など色彩を統一する
- 飾る写真の色は、部屋になじむものを選ぶ。花はドライフラワーでシンプルなものを選ぶ
- 写真はできるだけ同じフレームでそろえる
- マグカップは上の段、ワイングラスは下の段など1つの場所に飾るモノを合わせる
定期的な模様替えで季節を感じられるようにする
- お正月飾りや3月節句飾り、5月節句飾り、お月見飾り、クリスマスツリー、古布のちりめん細工の飾りなど、季節の行事に合わせた「しつらい」をする
- イベントごとに孫の写真や小物をリビングの壁に飾り変える
おしゃれさと安全性を担保する
- 小さな子どもがいるので手の届かない高さに飾っている
- 地震で落下しても支障のない場所に飾っている
いつもの掃除の負担にならない工夫
- いつもの掃除の負担にならない工夫
- ほこり取りや濡れ雑巾で掃除がしやすい配置にしている
- 日焼けしない場所に飾るようにしている
- 観葉植物は、子どもでも水やりできるよう低い位置にセッティングしている
センス良く飾るアイデアや色使いのルールは今すぐ取り入れたいものばかりです。一方で、掃除のしやすさの工夫、安全対策などを考慮している人もいました。中でも、ほこりがたまるという意見は散見され、次の設問でも課題として浮かび上がってきました。
Q6.現状のディスプレイで、
不満や困っていることはありますか?(複数回答)
「特にない」(25%)の回答を除いた、全体の7割超が不満や困りごとを抱えていることが分かりました。最も多かったのが「掃除が大変」(35%)の声。前問でも、雑巾で拭けるものを飾る、ほこりがつかないようにボックスに入れるといった対策が寄せられたように、ほこり問題は課題の一つのようです。「掃除が大変だから飾らない」という人もいるほどでした。
他に多かったのが、「ディスプレイが整理されていない(統一感がない)」(20%)、「センス良く飾れない」(19%)といった「センスに自信がない」といった悩み、「壁や天井に傷がつく」(13%)といった声も寄せられました。
自由回答では「飾るものがどんどん増えて飾る場所がなくなってきた」という声も少なくありません。家族の思い出やコレクションアイテムは年月とともに増えるもの。飾るスペースは余裕を持って計画するのが良さそうです。
また、「壁が硬い材質で釘や画びょうが刺せない。テレビボードの上ぐらいしか飾れず、スペースが限られている上、自分好みに飾れていない」という悩みもありました。住まいづくり・選びをする際は、ディスプレイすることを想定した壁材の選定や、飾る場所の確保といった対策も必要になりそうです。
Q7.新築住宅を建てるとしたら、どのようなディスプレイ家具・アイデアを導入したいですか?(複数回答)
現状のディスプレイへの不満や、ディスプレイしたくてもできない理由が顕在化したところで、仮に新築住宅を建てる場合の、理想のディスプレイ家具やアイデアについても伺ってみました。
回答を見ると「リビングに家族全員の思い出の写真やモノを置くシェルフ」(34%)、「玄関や廊下に絵画やポスターなどを飾るピクチャーレール」(33%)を筆頭に、「リビングの壁一面に、観賞用の本や小物を飾るウォールシェルフ」(24%)、「寝室に趣味のコレクションを飾るシェルフやショーケース」(23%)と続きました。
その他、好みのディスプレイをかなえるための設備や家具にまつわる自由回答も多数寄せられました。中には、住まいの設計時にしかできないものもあるため、今すぐ取り入れられる・設計時別にチェックしたい要望・アイデアをご紹介します。
DIYや家具の購入等で「今すぐ取り入れられる」要望・アイデア
- 複数の絵画が飾れるピクチャーレール、フック、ワイヤーを備えた壁面をつくりたい
- キッチンの調味料スペースを使いやすく、見せる収納にしたい
- テレビを壁掛けにしてすっきりさせ、観葉植物を飾りたい
- 壁面一面にレコード棚を設置したい
- お気に入りのディスプレイコーナーの横にハンモックをつけたい
「住まいづくり時」に検討したい要望・アイデア
- 床の間を設けて掛け軸などを飾りたい
- 子どもの身長を記録できる壁や柱をつくりたい
- 壁の一部をマグネットにして、写真などを飾りたい
- 可動の仕切り棚を設置して、間仕切り兼飾り棚にしたい
- 趣味のミニカーやフィギュアなどを飾ることを前提にした設計を考えたい
- 展示品にほこりがつかないよう、アクリルの扉と照明付きのニッチがほしい
- 給湯器のリモコンや玄関のモニターを集約できるニッチをつくりたい
まとめ
日常に潤いを与えてくれる屋内のディスプレイですが、アンケートからはさまざまなお悩みも浮かび上がってきました。その解決策の一つとして、これから家を建てる人は飾ることを前提とした設計を取り入れてみてはいかがでしょうか。
例えば、造作のシェルフやニッチ、ピクチャーレールをしつらえたり、ハンギング用の下地補強をしたりしておけば、飾る場所に迷うことなく、ラフに飾っても統一感が出ます。掃除のお悩みに関しては、ディスプレイする場所を集約させることで負担を減らしたり、ディスプレイケースを取り入れたりする方法もありそうです。さまざまなアイデアを持つインテリアコーディネーターにぜひご相談ください。