vol.1 猫と暮らす家もつくってほしい!
犬があるなら、猫もつくって!!
皆さんこんにちは。エッセイストの石黒由紀子と申します。
ある日のこと、Webで見つけた連載が私の心に火をつけました。
それはライターの穴澤賢さんがナビゲーターを務めた『犬と暮らす家がつくりたい!』。おぉ、なんとも興味深いタイトル。
読み進めると、「犬と人が快適に暮らすための家づくり」を目指して、床材や内装などにこだわり、【犬も人も幸せになること間違いなし!】と思える家をドドーーンと完成させていらっしゃるのでした。
私の愛犬センパイ(メス・10才)と愛猫コウハイ(オス・5才)です!
「これはうらやましいなぁ。にゃんともうらやましいなぁ! ん? にゃんとも……?」そこで思い立ったのは「猫と暮らす家もほしいニャー!」ということ。犬と暮らす理想の家ができるのなら、猫と暮らすための家があってもいいはず。いえ、なくてはいけニャイのです。現在、私は犬と猫と暮らしています。今の部屋に住むときに犬と暮らすことは想定内でしたが、数年後に猫とも暮らすようになるとは…。という訳で、猫も快適に暮らせる家がほしいのです!
ないのなら、つくってしまおう!猫の家!?
そんな夢と希望を抱いていたところ、ダイワハウスが『ねこのきもち』とコラボして「猫と暮らす家」を建てると言うじゃないですか!そしてこの企画にオブザーバーとして参加してほしいと嬉しいオファーが!!猫への愛をポケットに詰め、いざ、ダイワハウスの担当者さんの所へ行こーーーう!
「猫と暮らす家を建ててもらうぞ!」と意気込んで向かった先は、千葉県・我孫子市にある住宅展示場。
「あ、あの、ね、ね、猫と暮らす家をつくるためにお伺いしたのですが……」しどろもどろ小声で話す私に応対してくださったのは、Team-xevo(チーム・ジーヴォ)のナビゲーター、小坂健太朗さんでした。
「お待ちしておりました。今回はよろしくお願いします!」と、元気に出迎えてくださった小坂さん。何だかすごくやる気モード?というのも、最近猫を飼い始めたばかりで猫のことを勉強しているのだとか。おっ、何だか心強いぞ。
「まずはこちらの展示場を猫飼いの視点で見学していただき、希望やNG点を見つけながら、要点をまとめて家づくりを考えていきましょう」と小坂さん。
チームジーヴォの皆さんは家づくりのプロフェッショナルですが、猫目線での家づくりとなると見落としてしまっているポイントがあるかもしれないとのこと。よし!猫飼いの代表としてチェックしてみようじゃないの。
私を出迎えてくれたのは、Team-xevo(チームジーヴォ)のナビゲーター:小坂健太朗さん
小坂さんが飼い始めたという愛猫のもふちゃん(メス・6カ月 / ブリティッシュショートヘアー)かわいい!
猫目線だと、危険なポイントがいっぱい!?
展示場の玄関を入ると目に飛び込んできたのが落ち着いた和室。
鴨居と天井の間に壁を設けないモダンなデザインになっていました。とても雰囲気があってよいのですが、猫目線で見るとキャットウォークになって喜びそう!
そして部屋の奥には間接照明。これも素敵だけれど、猫は飛びついて倒すでしょうなぁ。爪とぎをして和紙をボロボロにしてしまうでしょうなぁ。
おしゃれだけど猫が登っちゃいそうな鴨居
石黒:これ、猫が爪で破っちゃいますよ 小坂:破っちゃいますか……
リビングには飾り棚があり、センスのよい小物がディスプレイされています。ここでも「ピピーーッ!」っとイエローカード。
猫とは「棚に飾られている小物を落とすために生きている」。そう言っても過言ではありますまい。猫にとっては楽しいアトラクションです
続いて案内していただいたのは素敵なアイランド型のキッチン。ここでお料理をしたら楽しいだろうな…と思いつつも、猫がいたらちょっぴり危険なポイントがいっぱい!
ここ、ぜったい猫は飛び乗っちゃいますよ
IHのコンロも、猫が気づかずにヤケドしちゃいそう…
ゆらゆら揺れて猫にはたまらない照明ですね
猫が動きやすいステップがいっぱい。洗剤を舐めてしまったら大変…
猫にも人にも快適な家を作りましょう!
その後も、2階にある寝室やリビングを案内していただき、「階段の途中にも猫が顔を出せるような小窓があったら、嬉しい」「ロールタイプのカーテンは猫が引っかいちゃいそう」など猫と暮らす家のイメージを思いつく限り伝えます。
こういった空間に猫用スペースがあると嬉しい
「これもダメですか…」楽しそうな私に反して、心なしか元気がなくなってきた小坂さん
展示場を一巡し「人の目線では素敵な空間でも、猫目線だと課題も多いですね」と再確認した私と小坂さん。ここでねこのきもちWebで募った、「愛猫との暮らしに関するアンケート」の集計結果を見ながら家づくりについて検討してみることに。
ここからは、小坂さんと同じTeam-xevoのメンバーである、デザイナーの田中琢也さん、ナビゲーターの山﨑千尋さんも作戦会議に加わります。
このアンケートを見ると、室内での爪とぎや抜け毛、部屋の中のニオイなどを気にされている飼い主さんが多めでした。さらに、若い猫の飼い主さんは愛猫の運動不足を、シニア猫の飼い主さんは愛猫が吐くことを心配されています。脱走なども心配だろうなぁ。
写真左から、Team-xevoのナビゲーター:小坂さん、デザイナー:田中琢也さん、ナビゲーター:山﨑千尋さん、石黒
あ!忘れないうちにお伝えしなくては。
「わが家の悩みを聞いてください。うちの猫、外を眺めるのが好きなのですが、窓の近くに鳥や虫が飛んでくると、捕まえようとして網戸をひっかいたり、駆け上ったりするんです。猫と暮らしていて、同じ悩みを抱えていらっしゃるも多いと思います。丈夫で、外の景色もキレイに見える網戸、ぜひお願いしたいです」と、私。
小坂さんも「あ~、なるほど~。それは重要ですね。素材を吟味して、ぜひ対応します」と言ってくださいました。これは心強い!
そして、Team-xevoの皆さんに、私の夢を語りました。
「リビングにキャットウォークをつくりたいんです。天上に近い高い場所に、猫が自由に歩いたりできる道がほしい。キャットウォークの床はところどころスケルトンになっていて、猫の肉球が見えたらサイコー!」
あぁ、欲深い女です……。でもここは妥協したくない。猫と快適に暮らす家なら、リビングでソファに座りながら、猫が自由に行き来するのを眺めてお酒を飲みたい。そう猫見酒!
猫と楽しく暮らすには、キッチン裏にあった収納のように、引き戸で入れないスペースがあるのはいいかも!
つまり、私が考える「猫と暮らせる家」は、猫にとって安全で、キャットウォークがあちこちにあって、トイレや水飲み場、爪とぎスペースなどが最初から組み込まれて設計されているような家。そして、人も猫ものびのび楽しく暮らせる家。
立ち入り禁止にしたい場所以外は、あえてアトラクションスペースとして猫が安全に遊べるようにできたらいいなぁ。
さて、本当にできるのでしょうか。
「猫と暮らす家もつくってほしい!」ただその気持ちだけで始まった夢の家づくり、Team-xevoという心強いと味方といっしょにスタートしました。
みなさん、完成までしっかり見届けてくださいね。
Team-xevoの皆さん、よろしくお願いします!
ねこのきもち編集室eye's
『犬と暮らす家がつくりたい!』に続いてスタートした猫と暮らす理想の家づくりプロジェクト。犬と猫では、住環境で求められることはまったくと言っていいほど違います。『ねこのきもち』2015年10月号の特集「愛猫が喜ぶプチ模様替えプラン」では、猫が喜ぶ住環境のポイントとして、「部屋全体が見渡せる高い所がある」「隠れられる場所がある」などを紹介しています。猫目線で考えると、はたしてどんな家ができるのか。これからが楽しみです。
その頃のコウハイ 猫にとっての理想の家を想像中?!
次回は… 理想の家づくり、はじめの一歩「ライフミーティング」
Team-xevoのメンバーが石黒家を訪れ、気に入っている所、不満に感じている所などをくまなくチェックする「ライフミーティング」の様子を紹介します。
筆者プロフィール
石黒由紀子
エッセイスト
栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、Webに、犬猫グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ーゆるゆる犬暮らしー』(文藝春秋)、『なにせ好きなモノですから』(学研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。
愛犬センパイ(メス・11才/柴)と愛猫コウハイ(オス・6才)、夫との2人と1頭、1匹暮らし。
※2017年3月現在の情報となります。
猫と暮らす家もつくりたい!