コラム vol.023
賃貸住宅のリフォームについて考える その1
~ 築年数がかなり経った賃貸住宅はリフォームした方がいいのか? ~
更新日:2019/09/30
公開日:2015/02/25
今回は、賃貸住宅のリフォームについて考えてみたいと思います。入退去に伴う、リペア(修繕)や室内クリーニングは、身近な事だと思います。しかし、30年以上の賃貸住宅経営においては、もう少しお金のかかる住宅設備品の入れ替え、間取りの変更、外壁の塗り替え等大掛かりなリフォームをする可能性が大いにあります。もちろん、もっと年数が経てば建て替えという選択肢もあります。
賃貸住宅経営が始まって20年くらいすると、必ず悩むこのテーマを考えてみましょう。
賃貸住宅のリフォーム市場
賃貸住宅のリフォーム市場は、省庁発表資料によると1兆円を少し超えるくらいだと推計されています。
実需要(所有者が自分で住む)のリフォーム市場全体が6~7兆円市場だといわれていますが、それから比べると15%程度ですが、ある程度ボリュームある市場です。
賃貸住宅においても、実需用住宅のように、築年数20年~25年程度になり、住宅設備品の取り換え期のタイミングで、ある程度(大がかりな)リフォームも行われているものと推測されます。
賃貸住宅築20年の悩み?
日本においては、賃貸住宅の入居者は新築物件などの築浅物件を好む傾向にあります。アメリカなど欧米諸国では、「あまりこだわらない」傾向のようですが、事実として日本では新築物件は人気があります。
こうした傾向から、築年数を経た物件は築浅物件に比べてどうしても空室が出やすくなります。特に、築年数が20年を超えた頃から変化が見られます。この時期に差しかかった時、「ある程度の出費を覚悟してでも、リフォームする方がいいのか?空室が減るかもしれない?」と、悩むオーナーの方が多いと思います。
収支の状況によっても異なりますが、たいていの場合、かなり築年数が経ってくると、リフォームの事は検討した方がよいと思います。特に、水回り設備品をはじめ室内建具など、古くなるとどうしても傷みが激しくなったり、デザインが古くなったりしてしまうものに関しては、「リフォームする」というより、「取り替える」ことは最低限必要だと思います。
リフォームで大きな金額のかかる、外壁工事や間取りの変更等については、施工時から、築年数が経っても空室となりにくい間取り、メンテナンスが少なくて済む外壁を使うなど対処しておいた方がいいようです。
新築時にリフォーム積み立てを!
さらには、20年をすぎると、地域の社会的な変容により住宅ニーズが変化する可能性、賃貸住宅の立地周辺の環境が大きく変わってしまう可能性等があり、そのために、空室増えるかもしれません。こうしたことに柔軟に対応するためにも賃貸住宅経営を始める前から将来のリフォーム(の出費)を想定しておくことが必要です。
賃貸住宅経営を始める前には、必ず収支計画を立てます。営業担当者から、細かく内容の説明を受けると思います。その時に建物のメンテナンス費用だけでなく、リフォームを予定し積み立てをしておくといいと思います。
ダイワハウス社の賃貸住宅経営の収益シュミレーションでは、きちんとこうした事を想定した、そして積み立てに類する費用も含めた計画になっていますので、こうした部分においても安心です。