土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.183
  • 不動産市況を読み解く

2016年の不動産市況・土地活用市況を振り返る

公開日:2016/12/22

新築賃貸住宅の着工戸数を分析する

2016年12月分の新設住宅着工戸数が1月31日に国土交通省から発表されました。
これによると、2016年1年間の新設住宅着工数の総計は、96万7,000戸(前年対比106.4%)で、そのうち貸家(賃貸住宅)は41万8,000戸(前年対比で110.5%)となりました。持ち家(注文住宅)、分譲住宅(分譲マンション、分譲戸建)とも前年対比でプラスとなり、業界の盛況ぶりがうかがえた1年でした。貸家(賃貸住宅)の住宅着工戸数は、2012年以降2016年まで5年連続で前年対比プラスが続いています。
賃貸住宅の着工戸数は昨年対比で伸びを見せましたが、2016年の全般的な不動産市況は、「横ばい感」が漂うものとなりました。2015年の秋に発覚した横浜のマンションの杭の問題が出たころから、「そろそろ、不動産市況に陰りか?」という雰囲気が漂っていましたが、2016年の1年間を振り返ると、新築マンション・中古マンションとも勢いは止まったものの、大きな下落が見られるという雰囲気ではなかったのです。

何が影響を与えたか

2016年の不動産市況に影響があったと思われることを順にあげてみます。

  • ・1月下旬:日銀のマイナス金利政策発表→実施は2月中旬から
  • ・6月初旬:消費税増税再延期決定
  • ・6月下旬:イギリスEU離脱国民投票可決→実際の離脱はこれから議論
  • ・11月上旬:アメリカ新大統領にトランプ氏選出

特にマイナス金利政策は、不動産市況に大きな影響がありました。日銀はかねてからインフレ誘導政策を行い、投資意欲が高まるムードを作り上げてきました。インフレによる実質的な現金価値の下落は、現預金で資産を持つことに対する不安をもたらし、不動産への投資が活性化する源となりました。
また、日銀による国債の大量購入によって、銀行の貸出金利低下を誘導し、それは不動産投資の活性化につながりました。
しかし、景気がよくなったという実感が広く国民に浸透することはなく、さらなる景気刺激策としての「マイナス金利」策が実行されることとなったのです。
不動産市況に若干の陰りが見え始めた2016年の初めに、この政策を行うことで、不動産市況は大きな低下にならず、「横ばい」つまり好調が続くという状況に留まったのでしょう。
2017年がどんな不動産市況になるかという予想については、次ページから述べますが、気になるのは、金融庁~銀行間でのやり取りです。
具体的には、不動産融資の総量規制の動きが最大のポイントとなるでしょう

土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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