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コラム vol.224
  • 不動産市況を読み解く

10月1日より運用開始!賃貸取引に係るIT重要事項説明

公開日:2017/11/30

10月1日より、「賃貸取引に係るIT重要事項説明」が本格的に運用開始されました。
賃貸住宅オーナーの方々やこれから賃貸住宅経営をはじめようとする方にもその内容を知っておくべきだと思いますので、今回はその概要を説明します。

最初に、重要事項説明(以下重説)とはどんなものでしょう。
売買契約や賃貸借契約などの不動産取引の時に、重要事項説明書に基づき、契約に関する重要事項を買主や借主に対し説明することです。

宅建業法に記載されている内容(項目)について重要事項として対面形式で説明し、その了承を得て、37条に基づき契約書面を交わすということになっています。この重要事項の説明は専門家である「宅地建物取引士」により行われます。(ちなみに、契約行為に対面形式の規則はありません、また契約は宅地建物取引士でなくても行えます)

このように、賃貸借契約を行う前に必ず行われるのが「重要事項」の説明です。 オーナーの方々が管理会社との間で一括借上(サブリース契約)を行われる際にも、同じように重要事項の説明を経て、賃貸借契約となります。

今回の改正で、賃貸契約における重説が、対面形式だけでなく、インターネット上でも行えるようになりました。これを「IT重要事項説明」と呼ぶそうです。具体的には、テレビ会議やビデオ通話などで、重要事項説明を行うということが認められました。

賃貸住宅の賃貸借契約の場合、転勤、進学、転居に伴うことが多いものです。近所から近所への引っ越しの場合はいいのですが、遠方からの場合、かなりの手間となります。こうしたことを緩和する意味合いが強いと思います。
会う手間が省けるだけでなく、「説明書をあらかじめ送付」と事前送付が規定されているので、じっくり読む時間を確保することができ、説明内容の理解が深まることが期待されます。

こうしたIT重説のやり取りをする際には、通信設備に問題のないことに加えて、以下のことが求められています。

  1. 1)宅地建物取引士により記名押印された重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付していること。
  2. 2)宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、当該宅地建物取引士証を画面上で視認できたことを確認していること。

このように、宅地建物取引士が携わっていることを表明することは、IT重説でも変わりません。
国土交通省「賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明実施マニュアル概要」では、IT重説のメリットを以下のようにあげています。

  1. 1)遠隔地の顧客の移動や費用等の負担軽減
  2. 2)重説実施の日程調整の幅の拡大
  3. 3)顧客がリラックスした環境下での重説実施
  4. 4)来店困難な場合でも本人への説明が可能

詳細をお知りになりたい方は、国土交通省のHPをご覧ください

例えば、引渡し直前の重説~契約となると、落ち着いて聞いて理解することが難しいかもしれませんし、また気になる内容があっても、仕方ないとして契約しなければならない状況になっているかもしれません。事前に重説がなされていれば、余裕を持って契約を迎えられます。

一方、デメリットとしてはどのような点があるでしょうか?
大事な住まいを決める際、相手と対面していないと細やかな確認が出来なかったり、パソコン画面だけで進めることに不安を感じたりする人もいるかもしれません。

今回IT重説が解禁されたのは、賃貸借契約における借主への重説に限られます。売買取引での運用は早くとも2020年以降になるといわれています。

今回のIT重説導入は、時代の要請とはいえ、宅建業法の中でも重要な点の改正です。
浸透するまでどのくらい時間がかかるか分かりませんが、業界関係者はもちろん、オーナーの方々、これから賃貸住宅経営を始めようと思っておられる方も知っておいていいと思います。

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