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コラム vol.378
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脱炭素時代を見据えた限度額上乗せも!住宅ローン減税延長の詳細

公開日:2022/01/21

与党による令和4(2022)年度の税制改正大綱がまとまり、2021年12月10日に公表されました。この中から、住宅ローン減税の改正について、その詳細と狙いなどについてお伝えします。

住宅ローン減税(住宅ローン控除)の概要

2021年末で期限を迎える予定だった住宅ローン減税が延長されます。
住宅ローン減税は、住宅取得の際に金融機関から借りた住宅ローンの金利負担を軽減するため、年末のローン残高の一定割合(現行は原則1%)を所得税から控除(減額)する制度です。賃貸併用住宅でも自宅部分が1/2以上を占めているなどの要件を満たせば、その割合に応じた控除を受けることができます。

「住宅ローン減税」的なもの(名前が変わったり、制度が変わったりしています)の歴史は古く、住宅ローンに対しての減税は1978年にスタートしています。住宅ローン控除は、「所得控除」ではなく、「所得税控除」のため、該当者におけるその恩恵はかなり大きいと思われます。住宅ローン減税は、住宅取得の促進のために導入されている実質減税です。住宅に関わる産業は裾野が広く日本経済の活性化につながること、消費税増税の際には景気が冷え込まないための支援策として、また業界団体からの要望が根強いこと、などから長くこの制度が導入されているわけです。しかし、一方で昨今のように低金利が続く中では控除額が利息以上の実質プラスになる例も見られ、不公平感を指摘する声もありました。
こうしたことを背景に、住宅ローン減税の控除期間は延長されるものの、少し改正が行われることとなりました。

令和4(2022)年度税制改正大綱による住宅ローン減税の変更点

住宅ローン減税については、控除率、控除期間等の見直しが行われ、かつ環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置等が講じられました。また適用期間が2025年まで4年延長され、入居ベースで2025年末となりました。
以下、改正の主なポイントです。

改正1)控除率は現行の年末時点の住宅ローン残高の1%が0.7%に変更されます。

低金利が続き、住宅ローン残高×1%=所得税の控除額が住宅ローンの支払い利息を超える状況が散見されることが理由です。

改正2)控除期間は現行の原則10年が原則13年となります。

新築住宅や買い取り再販物件は原則13年(ただし「その他の住宅」に関しては2024年入居以降の場合は10年)。既存住宅(中古物件)は原則10年。

改正3)所得要件が現行の3000万円以下から2000万円以下になります。

高所得者には適用できなくなります。

改正4)床面積要件は原則50m2以上となりますが、新築住宅の場合、2023年までに建築確認を受ければ、40m2以上でも適用となります。

この場合(40m2以上50m2未満)の所得要件は1000万円以下となります。
自宅用ではなく投資用のマンションと思われるような場合を排除することを想定しているようです。

改正5)環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置が講じられます。

新新築(再販含む)の一般住宅(省エネ基準適合住宅、ZEH水準省エネ住宅、長期優良住宅、低炭素住宅、ではないその他の住宅)では控除対象の借入限度額は3000万円ですが、省エネ基準適合で4000万円に、ZEH水準適合で4500万円に、長期優良住宅・低炭素住宅で5000万円に限度額が上がります(それぞれ、2022年・2023年入居分)。
脱炭素社会に向けた取り組みがここでも誘導されています。

上記いずれかの省エネ適合していないその他の住宅では、2024年入居以降分は限度額0となり、実質住宅ローン減税が適用されなくなります(ただし、2023年中に新築の建築確認を受けたものに関しては2000万円が限度額となります)。

改正6)既存住宅の築年数要件(耐火住宅25年以内、非耐火住宅20年以内)が新耐震基準適合の住宅に緩和されます。

2021年時点で計算すると、これまでは耐火住宅で1996年以降のもの、非耐火住宅では2001年以降でしたので、大幅に緩和され対象物件が増えます。ここでは、中古住宅流通の促進を狙っているものと思われます。

また、所得税から控除しきれない額については、個人住民税から控除する制度についても継続されます。
上記内容については、収入の状況、条件などにより適用できない場合があります。詳細は専門家に確認してください。

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