人も愛猫も幸せになれる家づくりを目指す大和ハウス工業と、
人と猫の関係性を研究している猫心理学者の高木佐保先生による共同企画が実現!
愛猫との暮らしの中で、お悩みを抱える飼い主さんにインタビューを実施。
(猫心理学者)高木先生のアドバイスと、それをふまえた人も猫も快適な「理想の間取り」をご提案します。
今回は『いたずら好きな愛猫との暮らし』がテーマ。猫の飼い主さんなら誰でも共感できる5つのお悩みを、住まいの工夫で解決しちゃいます!
今回モデルケースとしてご協力してくれたのは…
- ニコちゃん(3才/メス)
- 3人家族と一緒に暮らす
- マンション住まい
お悩み①毛をまき散らす
「キッチンに入ってきて、毛をまき散らすのが悩みです。毛があらゆるところに入り込んでしまうので、カトラリーに付いていたり、料理に入ってしまったりすることがあり困っています。料理中はなるべく侵入させないようにしたり、ブラッシングをしたりもしていますが、キリがありません。」
猫心理学者 高木先生のアドバイス
ニコちゃんは飼い主さんが大好きで、一緒にいるのが楽しいようですね。それは良好な関係の表れです。一方で、入ってほしくない場所がある場合は、ほかにもっと居心地のいい場所を作ってあげるのが手です。冬は床暖房やこたつなど暖かい場所を猫は好みます。夏は、涼しい場所として土間やタイルのスペースがあるとリラックスできるでしょう。あとは料理を始める前に、5分程度でいいので遊んであげると、愛猫の「かまってほしい」気分が和らぐので飼い主さんのいるところに行きたい気持ちが抑えられるかもしれませんね。
お悩み②かみ癖や爪の引っかき癖
「ウレタン素材や発泡スチロールが好きで、身近にあるとかんでしまいます。観葉植物をかじることもあり、困っています。また、遊んでいる時にカーテンに爪が引っ掛かり、カーテンの布が裂けてしまったこともあります。」
猫心理学者 高木先生のアドバイス
猫のかみ癖については、原因がはっきりとわかっていません。猫草を食べて毛玉を吐くという本能から発生しているともいわれているので、かむ行為をやめさせるのは難しいです。引っかくのも同様で、その行為自体をやめさせることはできません。まずは、かんだり引っかいたりしてほしくないものは、はじめから手の届かない場所に置いておきましょう。それに加えて、かみたい&引っかきたい欲求を発散できる場所やグッズを用意してあげるのがおすすめです。
お悩み③脱走
「一度マンションのお隣さんのベランダに行ったことがあり、ヒヤッとしました。ガードを設置して行けないようにしてあるのですが、うまく抜け道を見つけてしまったようです。無事に保護できたのでよかったですが、『このまま帰ってこなかったら…』とゾッとました。」
猫心理学者 高木先生のアドバイス
メス猫の場合は好奇心から外に出たがるといわれていますので、ニコちゃんの場合も外に出てみたい興味があったのだと思います。オス猫は成長すると育った地域を離れ交尾相手を探す習性があります。そのような習性があるため、特にオス猫では去勢をしていても放浪癖が残る場合があります。
基本的に猫は外の空気にふれるのが大好きなので、脱走ができない環境で、外が見えたり風にあたったりすることができるスペースが家の中にあると、日中を快適に過ごすことができるでしょう。
お悩み④運動不足
「高いところにいるのが好きなようなので、キャットウォークがあったらいいなと思うのですが、天井高が足りないので設置できずにいます。あと時々部屋でダッシュをしていますが、フローリングが滑るようで止まれず壁にぶつかっていて、ヒヤヒヤしてしまいます。」
猫心理学者 高木先生のアドバイス
猫は高いところに上ることで周囲を見渡し、縄張りを守ろうとする習性があります。また天敵から身を隠すこともできるので、そのような意味でも高いところを好みます。ですから家の中で周りを見渡せるような場所は、お気に入りの場所になることが多いです。
ダッシュは多くの猫がやる行動の一つです。床面を走るだけでなく、縦にも上れる場所があると、より楽しめると思います。壁にぶつかっても繰り返すということは、愛猫にとってはそこまでダメージがないのかもしれません。ただケガの心配がある場合は、カーペットを敷くなどの工夫ができるとよいですね。
お悩み⑤トイレ
「うちではリビングに愛猫のケージがあり、そこにトイレも置いています。空気清浄機のおかげでニオイの悩みはないのですが、できれば人間のトイレと同じ場所に猫のトイレも置けたら、すぐに片付けができていいなと思います。愛猫自身でトイレの扉を開けることができないので、今は諦めています。」
猫心理学者 高木先生のアドバイス
猫にとってトイレは無防備になる場所なので、リラックスできる環境でないと排せつを我慢してしまうことがあります。騒がしくなく落ち着ける場所に置くのが理想的です。人のトイレと同じ場所に置くことも問題ありません。飼い主さんの言う通り、すぐに掃除ができる環境のほうが猫にとってもよいでしょう。
完成した「理想の間取り」をご紹介
猫の行動の中には習性によるものが多いので、それを無理にやめさせるのは難しいです。無理強いするとストレスにつながったり、飼い主さんとの関係性によくない影響が出ることも。してほしくない行動を、飼い主さんが困らない別の形で発散できるよう工夫することで、猫との良好な関係が生まれる家をご提案します。
監修
猫心理学者 麻布大学特別研究員
高木 佐保先生
2018年京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻心理学専修博士課程修了。博士(文学)。幼い頃から疑問を抱いていた「動物の心」を解明するため、猫研究の道へ。2020年現在、麻布大学で日本学術振興会特別研究員(RPD)を務める。猫研究集団「CAMP NYAN TOKYO」の一員としても活動中。「ヒトと猫が今よりもっと仲良くなれること」が研究の最終目標。
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