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コラム
<投資/資産形成>
ご存じですか?
持ち家の資産価値

借家と異なり、「資産」として考えられる「持ち家」。資産である限り、金額で表せる価値があります。しかしながら、持ち家は「資産」ではなく「リスク」となることもあります。資産価値はさまざまな要因で変動するものであり、ひとつの要因だけで決定できるものではありません。持ち家の現時点の資産価値を知るには、「資産価値を決める要因」について把握しておくことが重要です。この記事で持ち家の資産価値を決める要因について知り、ご自身の持ち家の資産価値とはどれくらいのものなのか、具体的に考えてみましょう。

POINT 01 持ち家は「資産」にも「リスク」にもなる

戸建てやマンションなどの持ち家は「資産」にも「リスク」にもなる可能性があります。「持ち家がある」というだけでは、それが資産なのか、リスクなのか、専門家であろうとも判断できません。他の要素も踏まえて判断する必要があります。

「資産」と考えられる場合と「リスク」と考えられる場合のそれぞれを見ていきましょう。

「資産」と考えられる場合

不動産は、資産になると考えられます。住宅ローンが残っていても、その残高を打ち消すだけの金額で売れる場合や賃貸で貸すことによって、収益を生むということも考えた場合、資産になると言えるでしょう。
ただし、購入価格というのはあくまでも「現時点で購入したと考えた場合」です。「3,000万円で購入したから3,000万円の価値がある」と考えられるのは購入した瞬間のみであり、オリンピック特需などの特殊なケースを除いて、建物の築年数が増えれば価値は下落していきます。
また、土地の値段は、その特性や流通量などによって変化する「一物五価(いちぶつごか)」といわれる、次のような5つの価格が存在しています。

■実勢価格

実際に土地の売買が行われる価格です。

■公示価格

毎年1月1日を基準日として、3月に国土交通省が公表する土地売買の目安となる価格です。

■基準地標準価格

公示価格を補う目的で、毎年7月1日を基準日として9月に都道府県が公表する土地売買の目安となる価格です。

■路線価

国税庁が公表する相続税・贈与税の目安となる価格で、毎年1月1日を判定の基準日として評価するもので、7月に公表されます。公示価格の80%相当が評価水準です。

■固定資産税評価額

市町村が公表する固定資産税を支払う基準となる価格で、3年に一度の評価替えがあり、前年の公示価格の70%相当が評価水準です。

土地の価格は、国や地方自治体、売主や買主などが、それぞれ違った視点や尺度から、土地の価値を評価(判定)しているのです。
それでは、持ち家が資産となるのはどんな場合か、具体的に次の2つのケースで考えてみましょう。

【ケース1】

購入時:土地と家を合わせて3,000万円
30年後(住宅ローン完済):販売価格2,200万円=2,200万円がこの時点での「資産価値」となる

築30年の住宅を現時点で購入すれば2,200万円かかるわけであり、それを既に手に入れているため、2,200万円の資産があることになります。

【ケース2】

購入時:土地と家を合わせて3,000万円
30年後(住宅ローン残高2,000万円):販売価格2,200万円
2,200万円-住宅ローン残高2,000万円=200万円の「資産価値」となる

住宅ローン残高が少なければ少ないほど、持ち家の資産価値は大きくなります。購入時は住宅ローン残高で資産価値を打ち消してしまうことになり、資産としてはゼロです。

また、家賃収入も資産になると考えられます。たとえば、現在売却すれば、2,200万円の住宅を月10万円で貸すことができれば、年間120万円を生む住宅となるのです。維持費がかかるので、すべてが利益とはなりませんが、資産があることになります。

リスクと考えられる場合

持ち家が「リスク」となるのは、以下のような状態が考えられます。

■家の資産価値を下げてしまう状態や、家を活用できず維持費だけがかかってしまう状態

空き家のままにして適切に管理できていない、住宅に瑕疵があるまま放置しているケースなど。売る、賃貸に出す、きちんと管理するなど、いくつかの解決策が考えられるでしょう。

■固定資産税、相続税など、税金が大きな負担となる場合

維持費として大きなものには、「固定資産税」があります。固定資産税は所有している不動産にかかる税金であり、地域によっては「都市計画税」と併せて納税するものです。「住んでいる家に固定資産税・都市計画税がかかる」ということであれば、生活するために必要な経費として考えることができます。しかしながら、空き家になっている場合や住宅の一部しか活用していない場合は、「不必要な出費」と考えざるを得ません。

なお、空き家である場合には固定資産税が増額となる危険性もあります。空き家の固定資産税については『実家は大丈夫?「空き家の放置で、税金6倍」の仕組みを解説」』をご覧ください。

「相続税」は、亡くなった方の財産を引き継ぐ際に課税されるものです。持ち家も財産に含まれます。相続税は法律により「被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」(国税庁ホームページ No.4102 相続税がかかる場合を参照)に現金で支払う必要があり、相続に至るまでの対策が必要です。相続対策についてはくらし情報コラム『“相続”が“争族”に!?早めの相続対策が吉!不動産相続の基本とその方法」をご覧ください。

なお、相続する家に住宅ローンが残っている場合、「団体信用生命保険」に加入していれば返済の義務はなくなりますが、やはり相続税が発生します。フラット35などの住宅ローンを利用しており団体信用生命保険に加入していない場合については、財産放棄をしない限り、住宅ローンごと相続することになります。

持ち家は、状況や状態によって資産にもリスクにもなり得るものだということがおわかりいただけたかと思います。まずは現状を見極め、ご自身の持ち家にどの程度の資産価値があるのかを把握しましょう。その後、「できるだけ得をするためにはどうすればいいか」、あるいは、「できるだけ損をしないようにするにはどうすればいいか」を考えていくことが重要です。

■持ち家がリスクとなる場合、売却するかしないかの判断は?

持ち家がリスクとなる場合、以下の選択肢があることになります。

  • ・資金をつくるために持ち家を売却するか賃貸に出す
  • ・持ち家をリスクにしないため、あるいは減らすために持ち家を売却するか賃貸に出す

売却したほうが有利か、あるいは売却しないで賃貸に出すなどの方法を取るべきかといった判断は難しく、可能な限り不動産のプロに相談することが重要です。どんな選択肢があるのかを知ることで、「自分や家族はどうしたいのか」も考えやすくなります。

また、老後の資金を考える上で、リバースモーゲージという制度があることも覚えておきましょう。リバースモーゲージとは、シニア層を対象とした融資制度であり、「住んでいる家を担保に老後資金を借りる」といったものです。持ち家を住む家として保ちながら老後資金が得られる方法として注目されています。選択肢のひとつとして考えたい方は、リバースモーゲージを扱っている金融機関、及び各都道府県の社会福祉協議会に資料請求などをしてみましょう。

POINT 02 資産価値の高い不動産とは?

では、持ち家の価値はどのような要素で決まるのでしょうか。具体的な金額を知る前に、資産価値を決めるポイントを確認しておきましょう。このようなポイントをある程度把握しておくことで、不動産会社との相談もスムーズに進みます。

最寄り駅から近いなど交通の便がいい

最寄り駅からの近さは生活の便利さに直結するため、資産価値を決める大きな要因といえます。ただし、エリアによっては車での移動を前提に考えるため、駅よりは駐車場の広さなど、立地とは異なる要因が重要になるかもしれません。

なお、「バス停」の近さについては一概に言えず、注意が必要です。「最寄り駅から離れていれば、不動産が割安になり、バスの本数が多ければいい」といったケースもあります。ただし、本数が少ないバス停ではこの考え方は成立しません。どんなエリアであるかの分析が必要となります。

周辺環境の利便性

「便利に生活できるかどうか」という観点です。これはその家に住む方のライフスタイルが大きく関わってくるものです。どのポイントを「売り」にすべきかは、買い手となる方によっても変わると考えましょう。

周辺環境の利便性が高いと考えられるケースは次のようなことが挙げられます。

  • ・日常の買い物がしやすい(大きな商業施設が近い、商店街が近いなど)
  • ・教育機関が近い、子育てしやすい(保育園、幼稚園、小学校、中学校、公園など)
  • ・高齢者が利用できる施設・設備が多い
  • ・ペットと生活しやすい施設・設備が多い
  • ・自動車がなくても生活しやすい/自動車を使っての生活がしやすい

エリアの将来性

都市計画などに含まれているエリア、新駅開設が予定されているエリア、新しく商業施設ができるエリアなど、将来の発展が見込まれるエリアは不動産の価値も高くなります。

住みたいエリアのランキング上位の不動産は需要が高まり、資産価値も高くなります。資産価値はさまざまな要因により、短期間でも大きく変動することがあります。人口の増え方やメディアが公開している住みたいエリアのランキング、過去にどのような土地の不動産がよく売れているかなどを確認してみましょう。

景観

街並みが美しいエリアの不動産、あるいは窓からの眺めが良い不動産であることも、資産価値を決める大きな要因となります。高さがあって街並みが見渡せる、美しい自然があふれている、海が見えるなど、どんな風景が見えるかはさまざまです。

築年数

築年数は浅いほど資産価値は高くなります。また、「昭和56年以降に建てられているか」ということも重要です。昭和56年は建築基準法が改正された年であり(改正建築法の施行は昭和56年6月1日)、それ以前よりも耐震基準が厳しくなっています。

なお、昭和56年6月1日以前に建てられた建物であっても新しい耐震基準を満たしている建物は存在するため、年数と日付だけでは判断ができません。

住宅自体の価値

住宅自体の価値は、次のようなポイントで考えましょう。

■メンテナンスの状況

きちんとメンテナンスされ、壊れた部分がないこと、設備が整っていること、設備が新しいことなども重要です。
それから、床下や天井裏の白アリ被害、獣害がないかどうかも確認する必要があります。

■日当たり

日当たりは重要ですが、建物の価値としては家の向き(各部屋の方角)や隣接する建物なども関係します。何を重視するかは買い手によるところも大きいと考えましょう。

■土地が面している道路の種類

道路が面していない土地に家を建てることはできませんが、その道路が「建築基準法上の道路かどうか」でも不動産の価値は異なります。建築基準法上の道路に該当するかどうかは市町村役場で確認することが可能です。
なお、いわゆる「私道」と呼ばれる道路であっても、建築基準法を基準としたものでないため、それだけで建築基準法上の道路か否かの判断はできません。
私道の場合には別の問題があり、上下水道や都市ガスの工事が必要になった際、道路の所有者に許可を得る必要があります。やはり公道に比べると手間に感じる方が多く、実際に許可を得られるかどうかが明白でないため、避けられる傾向は否めません。

■不動産の外観

壁などが傷んでいない家はやはり高く評価され、不動産価値が高まります。クリーニングなどを行って見た目をきれいにすることは、査定額を上げるためにある程度有効な手段です。ただ、リフォームについてはしないほうがよいケースもあり、ご自身で判断せず不動産会社に相談したほうがよいでしょう。

まとめ

「資産になるとは言うけれど、中古の住宅が売れるのだろうか」といった不安を抱く方がほとんどだと思います。新築よりコストを抑えられる中古住宅は、現在新築よりも取引戸数が多くなっています。新築は確かに魅力的ですが、最近は購入価格を抑え、リフォームで好みの家にするという方法も一般的になっています。

少しでも「持ち家を資金に」と考える方は、まず不動産会社に相談してみましょう。「持ち家をリスクにしたくない」といった方も同様です。タイミングも重要ですので、「まだ迷っている」といった段階でも相談してみることをおすすめします。

大和ハウスグループのリブネスでは、これまで蓄積した経験・ノウハウ等を活用し、中古住宅の売却や、賃貸としての運営をサポートいたします。住宅の売却、賃貸管理をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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教えてくれたのは・・・
山田健介さん
FPplants株式会社 代表取締役社長

二級ファイナンシャルプランニング技能士・宅地建物取引士・相続診断士。住宅メーカーから金融機関を経て「お客さまにお金の正しい知識や情報をお伝えしたい」という思いからFPによるサービスを行う会社を設立。現在は全国FPを教育する傍ら、執筆、セミナーを行う。特にライフプラン作成、住宅、保険に関する相談を得意とする。

※掲載の情報は2021年3月現在のものです。内容は変わる場合がございますので、ご了承ください。

写真:Getty Images

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