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コラム
<売りたい>
不動産売却における、査定依頼のポイント。
うちの物件は机上査定or訪問査定?
不動産を売却しようとするときには、不動産の「査定」が欠かせません。不動産の査定とは、その土地や建物にどれほどの価値があるかを見極めることとなり、売却価格を決める大切な要因となります。
査定は不動産会社に依頼するのが一般的ですが、売却をスムーズに、かつ有利に進めていくためには、「どの不動産会社に依頼すべきか」「どのような査定方法を選ぶべきか」など、ある程度の知識が必要となります。
今回は、不動産を売却する際の「査定」において、注意すべきポイントをご紹介します。
不動産査定とは
「不動産査定」とは、不動産の価値を金額で算出することを言います。算出された価格は「査定価格」と言われ、これを参考にして実際に売却する際に設定する「売り出し価格」を決定します。査定は売り出し価格を決定するための重要なポイントとなります。
◆売却の流れと「価格」の変化
不動産の売却において重要な「価格」は、査定価格→売り出し価格→成約価格と変化していきます。名称だけでなく意味も異なりますので、査定価格=売り出し価格=成約価格ではないことにご注意ください。
不動産査定を依頼するには
(1)まずは不動産の査定をする会社を選ぶ
不動産の査定は、不動産会社に依頼します。査定を依頼しただけでは売却の仲介を依頼したことにはなりませんので、「スタッフの対応が悪かったら不動産会社を変える」というくらいの気持ちで依頼して問題ないでしょう。複数の不動産会社に依頼して比較することも重要なので、どのような不動産会社であるかを見極める良い機会だと考えましょう。
■インターネットで不動産会社を探す
レビュー評価が高い不動産会社、近所にある不動産会社、ホームページがわかりやすい不動産会社、周囲の評価が高い不動産会社などを探してみましょう。
■インターネットで複数の不動産会社に一括査定を依頼する
一つの不動産会社に選びきれないという場合には、複数の不動産会社へ一度に査定を依頼できる「一括査定」を利用するのも一つの方法です。それぞれの不動産会社から査定の結果がメールなどで送られてきます。依頼者が入力したデータから導き出すタイプの査定ですので、その後より詳しい査定を行う必要があります。
■近所の不動産会社に依頼する
その土地に精通していると思われる、近所の不動産会社に依頼するのも一つの方法です。最寄りの駅周辺に行くと探しやすいでしょう。
(2)不動産査定の種類を知っておく
不動産査定には、「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。
■机上査定(簡易査定)
物件を実際には確認せず、物件の情報から価格を算出する方法です。マンションなどは特に情報がそろいやすく、机上査定で十分な場合もあります。ただし、家の中の状態などはチェックできないため注意が必要です。データ等からは得られない内容が査定価格を左右する場合もあります。
<机上査定に必要な主な情報>
- ・不動産の種類(戸建て/マンション/土地/アパート/その他)
- ・不動産の所在地
- ・不動産の広さ(土地面積、建物面積)
- ・築年数
- ・間取り
- ・希望の売却方法(仲介/買取/未定)など
※インターネット査定の場合は、メールアドレスなどの入力も必要です。
■訪問査定
実際に物件を確認し、価格を算出する方法。戸建ては土地の確認も必要となりますので、訪問査定がより確実な方法でしょう。立ち会いが必要なため少々手間はかかりますが売り出し価格に近い現実的な価格を知ることができます。
<訪問査定に必要な主な書類>
より精密に査定するために、次のような書類を準備しておきましょう。
- ・売買契約書
- ・重要事項説明書
- ・設計図書や物件販売時のパンフレットなど(間取りがわかるもの)
■訪問査定時の主なチェックポイント
- ・境界(隣接する道路や建物との境界線は確定されているか)
- ・境界の状態(境界を越える植木の枝や塀などがないかどうか)
- ・道路に対する建物の向き
- ・日当たりの良さ
- ・眺望の良さ
- ・周辺環境(騒音・振動などが発生しやすい環境かどうか)
- ・建物や設備の維持・管理状態
- ・庭の状態(地中障害物などがないかどうか)
- ・交通利便性(駅やバス停の距離)
- ・物件の接道状況
(3)査定依頼は複数回行い、査定価格や不動産会社の対応を比較することが大事
査定結果は不動産会社によって異なります。複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果を比較してみるのも良いでしょう。
査定結果と併せて、不動産会社のスタッフの対応、サービス内容、分析結果などを比較し、売却活動における良きパートナーとなり得るかどうかを見極めるようにしましょう。
(4)戸建ての場合は、早い段階で訪問査定を
「売却するかどうかわからないが、とりあえず査定をしてみたい」という場合、マンションであれば机上査定(簡易査定)でも、ある程度信頼できる査定結果が出ると考えられます。マンションは類似する事例も多く、データだけでも査定がしやすいからです。
ところが、戸建ての場合は個別差が大きく、前述したように境界や庭・屋根の状態なども査定の要件となるため(プロでなければ判断がつかないケースが多い)、机上査定では限界があると言えます。
こういったことを踏まえ、戸建ての場合は早い段階で訪問査定を行うほうが効率的です。マンションの場合も売却を急ぐ場合には訪問査定を考えましょう。
不動産の査定価格を算出するには
不動産の査定方法には、次の種類があります。
原価法
「同じ土地を再購入し、同じ建物を再度建てるとしたらどれほどの費用になるか」という観点から不動産の価値を算出する方法です。完全に新しく建て直した場合にかかる費用を「再調達価格」とし、経過年数による老朽化を鑑みて価格を引いていきます。リフォームによって価格が上がる場合もあります。
価格がはっきりしている新築マンションや、戸建ての建物の査定に用いられます(戸建ての土地の査定は、取引事例比較法を使用)。
収益還元法
不動産を賃貸した場合、どれほどの収益と利回りを得られるかといったことにより不動産の価格を算出する方法です。投資用不動産のための計算方法であり、居住用の不動産の場合はこの計算を用いることがありません。
これらの方法で算出された査定価格は、あくまでも計算上のものであり、「この価格で売却できる」という保証ではありません。土地と建物の評価以外にも、不動産の価格を左右する要因はたくさんあるからです。査定価格を基に、実際いくらで売り出すかという「売り出し価格」を考えていきます。
「査定価格」=「売却できる価格」ではない。不動産会社を決める際のチェックポイント
(1)一番高い査定価格を出した会社が良いわけではない
前述したように、複数の不動産会社に査定を依頼し、その結果「査定価格が高い」というだけで不動産会社を選ぶのは危険です。査定価格はあくまでも「その不動産会社が算出した不動産の価値」であり、現実に査定価格で売却できるわけではないからです。
不動産会社は物件を売却するまでのパートナーであり、以後何度もやり取りが発生します。また、不動産会社によって売却価格に大きな差が出る可能性もありますので、仲介業者となる不動産会社選びは慎重に行いましょう。
(2)不動産会社を選ぶときのポイントは、次のようなものがあります。
- ・他の不動産会社の査定価格と比較し、査定価格が高すぎていないか
- ・不動産会社の対応は丁寧か。相談に対し親身になってくれるか
- ・質問に対し、素早く正確に答えてくれるか
- ・発言内容は一貫しているか。内容が変わった場合は納得のいく説明をしてくれるか
- ・ある程度の規模、実績があるか
このようなポイントで不動産会社を選びましょう。
大和ハウスグループのリブネスの強みとは
(1)一つの窓口で査定から売却、修繕の対応が可能
不動産を売却する際には、複数のサービスが必要となる可能性があります。たとえば売却は不動産会社、売却前の修繕はリフォーム会社に依頼しなければなりません。
ですが、リブネスであれば、住まいに関するあらゆるサービスを大和ハウスグループ内で完結することができるため、別の会社を探したり、依頼したりといった手間が発生しません。大和ハウスグループ内で連携し、お客さまのご要望に応えています。
リブネスでは「売却するほうがいいのか、すべきでないのか」といった段階のご相談も可能であるため、「住まいに関するパートナーが欲しい」といった方にも適しています。住宅の購入からリノベーション、リノベーションから住宅の管理、そして売却から購入、というように、別のステージに移ってもリブネスであれば窓口は同じです。まずは、最寄りの大和ハウス工業の事業所や以前からご存じの担当者までご連絡ください。
(2)全国にネットワークがあるため、遠方の不動産でも査定が可能
リブネスは、全国に支店や事業所を持っています。そのため、全国のさまざまなエリアにネットワークがあり、現在の住所から離れた場所にある不動産についても対応することができます。
たとえば、「今は東京に住んでいるが、親から相続した住宅が九州にある」といった場合の管理や査定・売却についても、リブネスであれば対応が可能です。
査定を行うのは不動産会社ですが、最終的な判断を行うのは不動産の持ち主であるご自身です。査定結果を受け取った際にも、「なぜこのような査定価格になったのか」をよく考えましょう。聞き慣れない内容で難しく感じるかもしれませんが、難しい内容でも理解できるようきちんと説明し、また相談に対応もしてくれる不動産会社こそが、「住まいの良きパートナー」となり得る不動産会社です。
教えてくれたのは…
中島 敬司(大和ハウスリアルエステート株式会社 本社 経営管理本部 総合企画部 広告・事業企画室 室長)
※掲載の情報は2023年3月現在のものです。内容は変わる場合がございますので、ご了承ください。
写真:Getty Images