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コラム
<リノベーション>
防音や騒音対策になる
インテリアコーディネート

人が生活する上で、足音や話し声、テレビの音など生活音として音が出るのは当然のことです。しかし、近所や道路など外からの音が気になったり、あなたご自身が音で隣近所に迷惑をかけていないかと心配になったりすることもあるでしょう。

昨今、ステイホームが長期化するなか、おうち時間を充実させるために、映画や音楽を鑑賞する機会が増え、その楽しみが知らない間に騒音の発生源になっているかもしれません。このコラムでは、防音や騒音対策の基本、防音や騒音対策に有効なインテリアを取り入れるコツについて解説します。

POINT 01 生活騒音とは?

そもそも「生活騒音」とはどのようなものなのでしょうか。

環境省の「生活騒音(https://www.env.go.jp/air/seikatsu.pdf)」によると、「一般家庭のピアノやクーラー、家庭用ヒートポンプ給湯機等から発生する騒音、集合住宅でのバス・トイレの給排水音、自動車のアイドリング等の通常一般の生活行動に伴って、居住環境(住宅内及び住戸まわり)において発生するもの」を「生活騒音」としています。

ただし、音の感じ方は人それぞれで、体のコンディションや心情に影響されることもあり、判断が難しいところです。例えば、ペット好きの方には気にならない動物の鳴き声が、ペットが苦手な方にはとても不快な音で、気になり始めたらその音に敏感になってしまう、というようなことです。

生活騒音に法的規制はありません。しかし、誰もが生活騒音の被害者にも加害者にもなり得ます。近隣住民に迷惑をかけないよう家庭で発生する音をチェックすることが大切です。

POINT 02 生活騒音を抑える防音対策

生活騒音は私たちが生活をするなかで発生する音のため、音の種類や、時間帯、場所が同じとは限りません。いつもは気にならなかった音が、在宅時間が増えたことでうるさく感じることもあります。まずはご自身が出す生活音を確認し、他人の迷惑とならないような対策をすることが大切です。生活騒音対策には、外の音が室内に入ってきたり、室内の音が外に漏れるのを防ぐ「防音」が有効です。防音対策には「遮音」と「吸音」があります。

■遮音

空気を通じて伝わってくる音を遮断して、外に音が漏れないようにすること

■吸音

音を吸収することで音の反射を防ぐこと

例えば、集合住宅であるマンションは、最近ではある程度の防音対策はされています。しかし、完全に音をシャットアウトすることはできません。

音の伝わり方には空気の振動による「空気伝播音」と、建物など固体の振動によって伝わる「固体伝播音」があります。窓やドアを閉めた部屋で音楽を聴いた時、外に聞こえなければ「空気伝播音」はないと考えられますが、スピーカーが壁に接していたり、床にじかに置いてあったりする場合に「固定伝播音」としてコンクリートに伝わり、建物全体に広がっている可能性があります。

部屋の場所別に、生活騒音を抑える防音対策に効果的なインテリアについてまとめると、次のようになります。

場所別 防音対策に有効なインテリア
マンションに多いフローリングの床は音が響きやすいので、クッション性のあるカーペットやラグ、ジョイントマットなど、なるべく厚めのものを敷くことがおすすめ。床の一部に敷くより床全体に敷き詰めた方が効果的。
防音性があるコンクリートの壁に、厚みのあるゴムシートや立体的なクッションシートを貼ることで、遮音と制振効果がアップ。また、壁際に本棚やタンスなどの家具を置くと音の伝わりを減らすことができる。
防音性のあるカーテンを選び、隙間ができないよう窓を覆うサイズにする。カーテン生地を厚手のものにしたり、2枚重ねにしたりすることでも代用可能。断熱のための二重サッシは防音効果も大きい。
ドア ドアの開閉音が響かないようにするために、ホームセンターや通販サイトで販売されている「ドアクローザー」をつけ、ゆっくり閉まるよう調整したり、緩衝材をつけたりするなどの対策が有効。
他(家電) 洗濯機や掃除機などの家電から発生する音も生活騒音に。深夜や早朝の使用は避け、洗濯機には振動を防ぐために防振マット(ゴム)や消音マットを敷く。防音対策に洗濯機そばの壁にクッションシートを貼ることも有効。

POINT 03 外部からの騒音対策

電車や車などが通る際の音や、人の話し声や子どもの泣き声、ペットの鳴き声など、部屋の外の音に悩まされることもあります。音の大きさは「dB(デシベル)」という単位で表し、騒音もこの単位を基準に設けられています。

環境省は「生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(環境基準)」として次のように定めています。
地域の類型及び時間の区分によっては変わる場合があります。

【住居の用に供される地域の基準値】

昼間 55dB以下

夜間 45dB以下

しかしながら生活騒音と同じように、その音を「騒音」と感じるかどうかは人それぞれなので、あくまでも目安的な指標です。

外からの騒音対策としては、音が聞こえてくる場所に遮音対策をします。上階の足音が気になる時は、天井に発泡ウレタンなどの吸音材を吹き付けます。また窓の外からの音に対しては、防音カーテンに取り換えたり、二重サッシにすると遮音効果があります。

また、日常的にマンション内で騒音に悩まされている場合は、管理組合・管理会社に相談して、第三者から伝えてもらうようにしましょう。マンションの場合、音の伝わり方は複雑ですので、騒音の発生源を上階や隣室と決めつけずに、第三者を介することが大切です。場合によっては施工会社に来てもらい、音の発生源を調査することもあります。

POINT 04 テレビや音響設備など音を楽しむ家電の対策

テレビやスピーカーなどを設置する時は、壁から30〜1.5m離し壁に密着させないようにする。また、吸音材を貼ることで音漏れを軽減、室内の音の響きを調節することも可能に。

テレビやホームシアター、スピーカーなど、音の出る家電を安心して楽しむためにも対策が必要です。

ホームシアターやオーディオルームなど専用の防音対策(工事)をしていない部屋は大音響に耐える設計になっていません。

テレビやスピーカーなどを設置する時は、壁から30cm以上離し、壁に密着させないようにしましょう。壁から離すことで「固体伝播音」を防ぎます。小型スピーカーなら目線の高さに設置すると、大音量でなくても音をはっきりと感じることができます。

重低音は外に伝わりやすい傾向があるので、ボリュームを下げるようにしたり、厚手のカーペットを敷いたり、遮音カーテンを利用して、窓やドアをしっかり閉めるなどの対策をしましょう。

厚手のカーペットや遮音カーテンで、重低音が外に漏れることを軽減。

マンションは共用部にある既存のサッシを勝手に取り換えることはできませんが、専有部である室内にインナーサッシを取り付け、二重サッシにすることで遮音性を高めることが、ほとんどのマンションで可能です。

没入感が欲しい、大音量で楽しみたいと思う時は、イヤホンやヘッドホンを使うことがおすすめです。低音域が再生できる「重低音ヘッドホン」なら周囲を心配することなく迫力あるサウンドを楽しめます。

POINT 04 DIYで設置できる防音アイテム

DIYで防音アイテムを取り入れることもおすすめ。

施工業者に依頼して大がかりな防音工事をしなくても、ホームセンターなどで防音アイテムを購入して対策することができます。防音材には次のような種類があります。

防音材の種類 特徴
吸音材 音を吸収する比率が大きい材料で音を吸収し、音が響かないようにするほか、音の響きを調節する効果がある。グラスウールやウレタンスポンジなど、壁に入れたり、貼ったりするだけでよいので、コストを抑えて防音する場合におすすめ。
遮音材 空気中を伝播する音波を遮る素材で、音を跳ね返す効果がある。防音マットや遮音シートなどの種類があり、下の階への防音に適している。カーペットの下地としても使え設置が簡単。
防振材 衝撃を吸収して、振動を伝達しないように抑止する効果がある。クリアな音質を楽しみたい時や、階下への騒音への不安を解消したい時におすすめ。
制振材 揺れを抑制することで、共振を減少させる。低音の振動を抑えるために使われる。

また、スピーカーや楽器の下に防音マットなどを敷くだけでも、簡単に防音対策が可能です。

まとめ

生活する上で音が発生してしまうのは仕方ないことではありますが、できるだけ周囲に迷惑をかけないよう配慮して生活することが、自分自身も周囲も快適に暮らせるコツだといえます。自宅でできる騒音対策もありますが、それでも不安な場合や、リフォームなどを検討したい場合は、専門家に相談するといいでしょう。例えば、ダイワハウスでは音を楽しめる快適防音室&静音室「音の自由区」にリフォームすることも可能です。

また、インテリアに関するご相談は大和ハウスグループの「デザインアーク」が対応いたします。お気軽にお問い合せください。

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私たちデザインアークが生み出すもの それは、空間・ヒト・素材が響き合い、無数の「いいな」が生まれる場所 そして、日常の何気ない瞬間に「私の好き」が見つかる暮らし そのためには、「好き」だけじゃない、「知恵」と「工夫」も必要 お客様と私たちデザインアークの出会いが、住まいを思い、育むきっかけとなりますように

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監修
水越美枝子さん
一級建築士。キッチンスペシャリスト。日本女子大学住居学科卒業後、 清水建設(株)に入社。 商業施設、マンション等の設計業務に携わる。現在は主に住宅設計の分野で、建築デザインから インテリアコーディネートまで、トータルで住まいづくりを提案。日本女子大学非常勤講師、NHK文化センター講師。 『人生が変わるリフォームの教科書』(講談社)、『いつまでも美しく暮らす住まいのルール』、『美しく暮らす住まいの条件~間取り・動線・サイズを考える~』(エクスナレッジ)、『40代からの住まいリセット術―人生が変わる家、3つの法則』(NHK出版)など著書多数。

※掲載の情報は2023年4月現在のものです。内容は変わる場合がございますので、ご了承ください。

写真:Getty Images

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