土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.206-4
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社会問題の解決と土地オーナー様のために。
大和ハウス工業が取り組む区画整理事業(4)
軟弱地盤の土地区画整理で商業施設や住宅などの複合施設を開発 さいたま市中尾不動谷・駒前土地区画整理事業

公開日:2017/08/25

東埼玉県の湛水地区に指定され有効活用が難しかった、さいたま市中尾不動谷・駒前地区の土地区画整理事業を実施。これによって、無道路の生産緑地を含む市街地農地の整理や商業施設や住宅地の開発などが可能になり、土地の新たな価値を創出しました。

平成29年7月撮影

湛水地かつ無道路の生産緑地を含む市街地農地を土地区画整理

土地区画整理事業の対象となったさいたま市中尾不動谷・駒前地区は、太古の昔、東京湾が奥深く入り込んだ海底でした。その後隆起して、約25,000年前から人々が暮らし始めたと言われる、周囲には多くの集落遺跡や貝塚が残されている歴史ある土地です。
そうした経緯から、中尾不動谷・駒前地区は埼玉県の湛水地に指定された軟弱地盤で、地形、地質、および排水等の理由で、土地の有効活用が難しい無道路の生産緑地を含む市街地農地でした。さいたま市中尾不動谷・駒前土地区画整理組合理事長斉藤忠治様は「ここら辺は平らなところがなく、大雨が降ると非常にジメジメしてほんとに湿地帯みたいでした」と話します。
しかし、武蔵野線の開業や区画整理、国道463号線の整備、公園、福祉、文化、スポーツ、環境施設が次々と整備され、中尾不動谷・駒前近隣地区は風格ある都市へと発展していきます。そして、主要地方道路さいたま・川口線の川口市方面への全線開通を機に、中尾不動谷・駒前地区の土地利用転換の機運が急速に高まり始めたのです。
ただ、そのままの状態では土地の有効活用が難しい状況でした。そこで、中尾不動谷・駒前地区の地権者に声をかけて組合を立ち上げ、土地区画整理事業に取り組みました。
「平成14年に最初の会合を持ち、地権者の危機感から翌年には本格的に勉強会を始め、平成17年12月、さいたま市中尾不動谷・駒前土地区画整理組合を設立しました。近隣の方とはこれからずっととお付き合いしていくわけですから、私が最初に思ったのは全員同意を実現することでした」(斉藤様)

民間事業者による業務代行方式で5年という短期間で区画整理事業を完成

通常、区画整理事業は数十年かかるのが普通で、「死ぬまでに完成が見たい」ということもよく言われます。そこで同組合ではスピーディに取り組むために、さいたま市の区画整理課から説明を受けたり、区画整理協会にも相談したりした結果、民間事業者による業務代行方式を採用し、大和ハウス工業(株)に土地区画整理事業の一括業務代行を依頼します。
それは、さいたま市では事例の少ない、今回が実質第1号となる民間事業者による業務代行方式での区画整理事業でした。大和ハウス工業(株)には、資金調達能力、専門的な知識、経験・ノウハウ等を活用した円滑な事業推進が期待されました。
大和ハウス工業(株)の都市開発部の責任者である、上席執行役員都市開発部長原納浩二は、次のように述べます。
「一括業務代行方式の区画整理事業、これが最大のメリットだと考えています。一般のゼネコンさんでは、工事は行えても、保留地を購入することができません。私どもが保留地を購入することによって、事業の収支上の安定化が図れます。そして、地主の方々の換地の有効活用に関しましても、多角的に提案ができます。商業、集合住宅、住宅、それから購入ということで、いかようにも提案できるというのが私どもの強みであり、地主様の最大のメリットです」。

平成18年に工事をスタートしたものの、中尾不動谷・駒前地区は軟弱地盤であり、水はけの悪さ、騒音など様々な問題がありました。
「正直、現地に最初に案内されたときには、軟弱地盤ということもあって、本当にできるのかなという感じでした。けっこう谷地なので水も多いし、周りに住居もあるので影響が心配でした。実際に詳細ボーリングをすると、事業費がアップして大変な時期もありました」(大和ハウス工業(株)東京本社東京都市開発部開発部副部長中山文利)
「よその地区の区画整理の人が、5年で区画整理できたことに驚いているんですよ。また、こういう区画整理には一人二人は必ず反対があると言われていましたが、それがなかったことが、私は一番嬉しかった」(斉藤様)

写真左;:区画整理前(平成18年2月撮影)写真右:区画整理後(平成22年2月撮影)

写真左;:区画整理前(平成18年2月撮影)写真右:区画整理後(平成22年2月撮影)

緑地・農地の転用・売却が可能になり土地の有効活用を実現

生まれ変わったさいたま市中尾不動谷・駒前地区は、主要地方道路さいたま・川口線の川口市方面への全線開通、そして大型商業施設の誘致など、都市機能の充実により、さらなる発展が期待されています。
「土地区画整理事業は次の世代につなげる事業で、将来、自分の子どもや孫に対して、どういう資産を受け継いでいくかということを主眼に考えていましたから、本当に区画整理して良かったと思います。こうやってショッピングモールや住宅地などの新しい町並みができて、いろいろな人が集まってくるのを見ると、感慨深いものがあります。買物に便利だけでなく、雇用も生まれますし、皆に喜ばれますから」(斉藤様)
「中尾不動谷・駒前地区は湿地で高低差5㍍以上あり、八つ頭、里芋などの生産にはいいのですが、将来的には農業は厳しいと感じていました。入っていく道路がないため、中の土地は売るに売れませんでした。区画整理は20~30年かかるのが当たり前だと言われていましたが、短期間に区画整理できて本当に良かったと思います。相続も頭の痛い問題でしたが、土地区画整理事業によって、それらの問題が解決できました」(監事星野栄一様)

「土地を相続して野菜をつくっていたのですが、最近は野菜を市場に出荷しても採算に合わなくなってきていました。千葉県や茨城県の規模の大きい農家に対抗できなくなり、歳なのでそろそろ転換期だと考えていました。区画整理事業が終わってから3人亡くなりましたが、すぐに土地を売ることができ相続も容易にできるようになりました」(監事新藤昇一様)

このプロジェクトを統括した大和ハウス工業(株)の中山は、中尾不動谷・駒前地区の土地区画整理事業の苦労と感慨を次のように述べます。
「組合員の皆様に喜んでいただいているというのが、我々スタッフとしては事業以外に非常に喜びを感じるところです。組合員の皆様の協力のもとで課題を早期解決できたのが短期間での事業の成功に繋がったと思います。実際に開発した住宅で暮らしている住民の方を見ると、非常に感慨深いものがあります。また、組合員様の換地についても、アパート経営やテナント経営とかに成功したことを考えると、やはり我々も非常に良い仕事ができたのではないかと満足感で一杯です」
大和ハウス工業(株)が実施する土地区画整理事業は、地権者の方々に喜んでいただくことを第一と考えており、換地はもちろん、アパート経営やテナント経営のお手伝いなど、お客様の希望にお応えすることができます。それによって、地権者の皆様の次代へつなぐ土地利用に貢献できると考えています。

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