土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.208-2
  • 不動産市況を読み解く

2035年の賃貸住宅市況を占う~都市部で増える一人親世帯!~

公開日:2017/07/28

第1回では、単独世帯数の今後の予測から、賃貸住宅需要について検討しました。今回はひとり親と子ども世帯の今後の予測と賃貸住宅需要について考えてみます。

ひとり親と子どもの世帯は、厚生労働省の資料「ひとり親家庭等の現状」(平成27年4月)をみると、平成24年時点で約91万世帯となっています。(母子9に対して父子1の割合です)
ちなみに、他に同居者=例えばおじいちゃん、おばあちゃん、がいる世帯もふくめると平成23年度末で145万世帯となっています。この世帯数は、昭和63年(1988年)は約102万世帯でしたので、この25年で1.4倍になっています。同居者がいない世帯は、1988年は65万世帯でしたので、こちらも1.4倍となっています。
増えた理由としては、離婚がプラス20%、未婚での出産がプラス4%となっています。その他の理由に死別がありますが、こちらは減少しています。

このひとり親世帯の居住形態を見ると、全体の10%である父子の場合は約20%が賃貸住宅暮らしですが、大半(9割)を占める母子世帯では、その半数以上が賃貸住宅に住んでいます。以前に比べて、公的な支援も増えてきており、ケアが進んでいます。残り半数のうち、地方都市や郊外に住む世帯では、実家での同居世帯が多いと思われますが、都市部では賃貸住宅が多いと思われます。

さて、今後のひとり親世帯は増えるのでしょうか?

(図1)ひとり親と子からなる世帯数予測(2015=100)

(国立社会保障・人口問題研究所 『日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)』」より作成)

図1は2015年を100とした大都市圏のひとり親世帯数の予測です。
これをみると、2035年の東京都では今より27%の増加、先に述べた1988→2013年の25年の増加(40%増)ほどではありませんが、まだまだ増える予測となっています。愛知県、大阪府、福岡県とも軒並み10%以上の増加となっています。大阪府だけが、2030年以降減少しますが、大阪府は4大都市の中でも最も早く人口・世帯等の減少が始まるためです。それ以外は、右肩上がり一直線の様相です。
こうした状況をネガティブにとるのか、女性の社会進出が進むというポジティブにとるのかは、人それぞれでしょうから、ここでは追求しませんが、欧米各国のように、日本も離婚世帯が一般化し、バリバリ働くシングルマザーの活躍が目覚ましいという状況になりそうです。
そうなると、母子世帯の半数が賃貸住宅に暮らしている現状を踏まえると、この母数が増えるわけですから、それに応じて賃貸住宅需要は増えることになります。

(図2)家族類型別 将来推計推移

(国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2013年1月推計)より作成)

図2は、今回のテーマのひとり親世帯の数、そして夫婦のみ世帯の数、夫婦と子の世帯の数の3つの将来予測を重ねたものです(全国合計数)。
これを見ると増えるのは、ひとり親と子の世帯、そして夫婦のみの世帯です。そして、この図にはありませんが、第1回で述べた単独世帯も増えます。
日本の将来の世帯のイメージがこれで湧くことだと思います。世帯のイメージがそのまま住居のイメージにつながることでしょう。

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土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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