土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.252-3
  • 土地活用法律コラム

借地借家オーナーのための法律講座第3回 定期借地権の活用

公開日:2018/09/28

POINT!

・定期借地権を活用することも土地活用での検討事項

・一般定期借地権、事業用借地権、建物譲渡特約付借地権の3種類があり、期間、目的などで異なる

遊休土地を所有されているオーナー様の中には、土地を第三者に賃貸するなどして活用したいと思っている方も多いと思います。
しかし、一旦借地権を設定した場合には、借地借家法により借地権が保護されます。その結果、事実上、賃貸した土地が返ってこなくなる可能性があり、土地を賃貸することに躊躇してしまう人もいるでしょう。土地が返ってこないリスクを回避しつつ、不動産の収益化を実現させる方法としては、借地借家法に定められた定期借地権を活用することが考えられます。

定期借地権制度の創設

定期借地権制度は、平成4年8月に施行された借地借家法によって創設された制度です。旧借地法では、借地人が地代の支払いを継続している限り、事実上、半永久的に土地が返ってこないような事態が起きた結果、土地所有者の柔軟な土地活用を阻害し、借地供給も減少することとなりました。
そこで、借地借家法では、定期借地権制度を創設し、一定の約定期間が経過すれば必ず土地が返ってくる借地権が誕生しました。
借地借家法によって創設された定期借地権は、一般定期借地権、事業用借地権、建物譲渡特約付借地権の3種類ですが、平成20年1月に施行された改正借地借家法により、事業用借地権がさらに柔軟化されました。

定期借地権の類型

3種類の定期借地権の違いを、存続期間、利用目的、契約方法の観点から整理すると、次のようになります。

種類 存続期間 利用目的 契約方法
一般定期借地権 50年以上 制限無し 公正証書等の書面
事業用借地権 30年以上
都道府県 国税局
10年以上30年未満
建物譲渡特約付
借地権
30年以上 制限無し 制限無し

一般定期借地権(借地借家法第22条)

  1. (1)存続期間50年以上
  2. 一般定期借地権においては、50年以上とする必要があるため、普通借地権の存続期間が30年以上とされているのに比して、長期的な借地権設定となります。
  3. (2)所有建物の用途制限はない
  4. 一般定期借地権においては、特に建物の用途制限はありませんので、多種多様な建物につき対応することができます。
  5. (3)3つの特約
    以下の特約をすることにより、定期借地権として認められることとなります。
  6. ・契約更新に関する規定の適用が無い旨の特約
    ・建物再築による存続期間の延長に関する規定の適用が無い旨の特約
    ・建物買取請求権を排除する特約
  7. (4)契約の方式は書面
  8. 借地借家法上は、上記(3)の特約について、公正証書などの書面によることとされています。ですから必ずしも公正証書にて上記特約につき合意する必要はなく、私文書でも法的には問題ありません。しかし、実務的には、借地契約全体について、公正証書にて合意することが望ましいでしょう。
  9. (5)契約終了時の建物
  10. 借地上の建物については、借地人において建物を収去して、土地を明け渡すことになります。
  11. (6)対抗要件
  12. 借地権者は、借地上の建物の登記により、借地権につき第三者に対抗することができますが、定期借地権については、その旨の登記がされないと第三者対抗要件を備えません。ここでいう対抗要件とは通常と異なり、借地権設定者又は土地の譲受人において問題となります。すなわち、普通借地権では、借地人が借地権を第三者に対抗することが目的ですが、定期借地権では、借地権設定者又はその譲受人が第三者に対して定期借地権であることを対抗することが目的となりますので、オーナー様は十分留意する必要があります。

事業用借地権(借地借家法第23条)

  1. (1)存続期間及び3つの特約
    借地借家法が施行された当初の事業借地権は、存続期間を10年以上20年以下とされていました。これは、当初の事業用借地権の利用が、事業計画期間を20年までとする業種に集中していると判断されたからでした。しかし、その後、土地利用が多様化し、商業施設、レジャー施設、物流センターなど計画期間が20年を超えるものの、50年以上の利用はしないという事業も多くなりました。そのため、存続期間を50年未満とする事業用借地権設定も認めるべく、改正がされました。
    借地借家法第23条1項は、一般定期借地権を、事業用の建物に限定した上、存続期間を30年まで短借することを認めるものです。3つの特約も一般定期借地権同様になされる必要があり、事業用定期借地権といわれています。
    これに対し、借地借家法第23条2項は、存続期間を10年以上30年未満としていますので、そもそも普通借地権の存続期間である30年より存続期間が短いため、一般又は事業用定期借地権のように、3つの特約により更新などを排除するのではなく、そもそも更新などに関する借地借家法の適用を排除している形になっています。このような借地権を、事業用借地権といわれています。
  2. (2)所有建物の用途制限
    事業用定期借地権などにおける建物は、「専ら事業のように供する建物」である必要があり、かつ、居住の用に供するものは除かれます。そのため、例えば、事務所などの業務用ビルに居住部分が併設されている場合には、住み込みの管理員室程度の場合を除いて、事業用定期借地権などの対象建物から除外されますし、賃貸業のための居住用マンションも同様に除外されます。また、いわゆる老人ホームのように居住機能がある場合には、やはり居住用建物として除外されます。なお、ホテルは、非居住用建物と解されています。
  3. (3)契約の方式は公正証書
    事業用定期借地権などについては、一般定期借地権とは異なり、必ず公正証書によって契約しなければならないとされています。
  4. (4)対抗要件
    一般定期借地権同様、事業用定期借地権などについても、その旨の登記が対抗要件となります。
  5. (5)契約終了時の建物
    借地上の建物については、借地人において建物を収去して、土地を明け渡すことになります。

建物譲渡特約付借地権(借地借家法第24条)

  1. (1)存続期間30年以上
    存続期間は30年以上であればいいため、普通借地権のほか、一般定期借地権や事業用定期借地権と組み合わせて設定することも可能とされています。もっとも、建物譲渡特約については、借地権設定時にしなければならず、事後にこれを付加することはできないとされています。
  2. (2)所有建物の用途制限はない
    建物譲渡特約付き借地権においては、特に建物の用途制限はありませんので、多種多様な建物につき対応することができます。
  3. (3)建物譲渡特約
    建物譲渡特約は、借地権を消滅させる目的でしなければならず、単に、建物譲渡の合意をしただけでは、当然には借地権は消滅しないとされています。建物譲渡の時期は、借地権設定後30年以上経過していれば、いつでもいいとされています。 建物譲渡特約は、将来の建物譲渡を約することから、期限付売買、売買予約、代物弁済、交換等の法形式がとられます。この点、借地借家法では、建物譲渡につき「相当の対価で譲渡する」と定めていますが、30年以上先の建物についてどのように譲渡対価を設定するかは、実務的には極めて難しい問題と言えます。オーナー様においては、相当な対価といえる算定方法等を予め合意する必要があるでしょう。なお、建物が借地権の存続期間中に滅失して、再築されたとしても、建物譲渡特約自体は存続しますが、建物譲渡特約には、再築後の建物も対象とする旨合意しておく必要があります。
  4. (4)契約の方式は口頭でも可
    借地借家法上は、建物譲渡特約については特に書面による必要はないとされています。もっとも、実務的に見れば、30年後の建物譲渡を合意するわけですから、当然書面による合意を行うべきといえます。
  5. (5)対抗要件
    建物譲渡特約については、それ自体登記をすることはできませんので、借地権設定者においては、建物について仮登記をすることにより、建物譲渡特約による権利を保全する必要があります。この点、建物に対する仮登記をする前に、抵当権などが設定された場合には、当該抵当権に仮登記が遅れることとなるので、抵当権者に建物譲渡特約による借地権の消滅を主張できない可能性がある点を留意する必要があります。
  6. (6)契約終了時の建物
  7. 譲渡特約付借地権では、建物は取り壊されず、建物が借地権設定者に譲渡されることにより、借地権が消滅します。もっとも、当該建物を継続して使用している借地人または建物賃借人が請求をすることにより、期間の定めのない賃貸借契約が請求時にされたものとみなされることになります。ただし、請求者が借地人であり、借地権の残存期間があるときは、借家権の期間も同様とされ、また、借地権設定者と建物賃借人などとの間で定期借家契約を締結し、契約期間を定めることも可能とされています。
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