土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.204-3
  • 不動産市況を読み解く

特集:空き家問題、実家問題を考える(3)空き家対策特措法ってなんだ?

公開日:2017/07/28

これまで特集第一回第ニ回で述べたような背景から、空き家の数は減りそうにありません。その対策として、国はどんな対応策を施行しているのでしょうか?
空き家に関する国の方針は総務省・国土交通省が平成27年に基本方針を出した「空き家等に関する基本方針」に詳しくまとめられています。その中での根幹となる法律が「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空き家対策特措法)」です。

国土交通省は、平成26年11月に「空き家対策特措法」を制定公布し、翌平成27年2月26日より施行されています。
「適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用のため対応が必要」ということからこの法案ができました。
この法律における、「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう、とされています。

この空き家の中で「特定空家」に認定されると、

  1. 1)措置の実施のための立入調査
  2. 2)指導→勧告→命令→代執行の措置

が行われます。
特定空家等に対しては、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令が可能。さらに、要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行が可能。(14条)とされています。

では、「特定空家等」とは、どんな空家でしょうか?

  1. 1)倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 2)著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 3)適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. 4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空き家等をいう。(2条2項)

平成29年3月末時点での「特措法の実施状況」という国土交通省の資料によると、平成28年度の勧告件数は208件、命令19件、略式代執行(所有者が分からない空家)26件、代執行10件となっています。管理不十分で放置することが不適切と判断された特定空き家のうち、一番重い指導である略式代執行、代執行は、「そのままでは危険」と判断されて、行政指導の下に解体されたということになります。
また平成27年からは、特集第二回で述べた居住用不動産における特例について、上記の勧告などを受けた物件については適用除外として、固定資産税をきっちり徴収することになりました。

このように、特定空き家に対する厳格な処置と税特例の解除などといった策を講じることで、国は危険な空き家を減らしていこうとしています。
こうした空き家を取り壊して、新たな使い道を考えるのも「土地活用」の一環かもしれません。

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土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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